閑話 三
「はい。では小春案件のミーティングを始めます」
「はっじまっるよー!!」
「いえ~い」
「元気なやつらだなあ」
その夜、二千花、紬さん、乃々葉さん、そして私の四人でWeb通話をしていた。
小春はもちろんいない。聞かれたら困るのでこうしている。
「ではまず日程について説明します。紬さんの手配が済みましたので、日程は再来週の日曜日、営業終了後になります」
「琴奈ちゃんと小春ちゃんのシフトの日だね~」
「なので二千花と紬さんは閉店時刻を目安にお店に来てください」
「了解だよ! めっちゃ楽しみにして行くから!」
「うちは普通に後片付けして、終わったら集合でいい?」
「もちろんです。……あっ、ちなみに当日は小春の誕生日です」
「はっぴ~ば~すで~!」
「おめでたいね!」
「本人からすれば相当クレイジーな誕生日だな」
「でしょうね」
いい意味でクレイジーだろうね。
たぶんそんな誕生日は過去一度も存在しなかっただろう。
「その後は小春のお家の使用人さんが車を出してくれますので、全員で乗って移動します。なので二千花や乃々葉さんの荷物が大きくても大丈夫です」
「助かるよー!」
「うちはそんなに大きいものは持ってかないけどな」
「場所はお店から車で二十分程度の場所になります。お伝えしていた通りすぐ近くにJRの駅がありますので、帰宅に困る方はいないと思いますがどうでしょうか?」
「おっけ~」
「問題なし!」
「うちも構わないよ」
うん、帰宅の足まで確認できたのでよし。
では続いて当日の想定について。
「そちらに着きましたら、まず私が小春の対応をします。その間に二千花は準備をしておいてください。紬さんは精算対応などお願いします。乃々葉さんの出番はまだですが、場所はあるので準備だけしてもらえれば」
「りょ~かい」
「あたしが一番急がないといけないね。気合が入るよ」
「うちはまったり準備してるからごゆるりとどうぞ」
「はい、では皆さん大丈夫そうなのでこの予定でいきます」
よし、問題なし。
完璧すぎる。必死に調整した甲斐があった。
「ことっち、そういえば店長は来ないの?」
「忙しいから無理そうだし、小春の感じ的には人は少ない方がよさそうだよ」
「なるほどー、一理あるどころか百理ある」
「わたしは千理あると思うよ~」
「千里の道も一歩から」
「それは同音異義語ですね」
「琴奈ちゃん~、ところで今回は琴奈ちゃんも一肌脱ぐんだよね~」
「気持ちの上ではそれくらい頑張りますよ」
「あたしもそれ思った。ことっちが私事で頑張るところに初めて遭遇したなあって。だって仕事はめちゃ頑張るけどプライベートは蔑ろだったでしょ?」
「……仰る通りでございます」
「そういうところも含めてあたしは超応援したいんだよねー」
「うちもそう思うぞ」
「わたしも~」
「……急に応援されると困惑しますがありがとうございます」
「あとさ、小春氏にはどのタイミングでネタバレするんだ?」
「向こうに着いて、私と二人になったタイミングですかね」
「うむ、それがいいな」
「じゃああたしは不用意に準備内容を晒さないように厳重注意だね」
「わたしはなにもないけど~」
「うちも荷物の中身はわからんようにしなきゃな」
「皆さんご配慮ありがとうございます、助かります」
というわけで予定通り進行する準備ができた。
唯一の不安定要素として二千花の担当部分があるけど、変な結果にはならないだろうし、普段の二千花を見てる分には全然問題ないはず。きっとね。
というかこのメンバーで頼めそうなのは二千花くらいだし。
紬さんは仕事をばっちりこなしてくれたし、乃々葉さんの腕は心配してない。
あとは私かー……覚悟決めなきゃな。頑張ろう。




