表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼の夢は未だ覚めず  作者: すらいむれべるいち
11/112

才能不足

「なんか嬉しそうだけど、ピークのことお願いね!」


「ええ、でも大丈夫なんですか?」


本当に大丈夫なのだろうか。


「え? 何が?」


やっぱり解ってないんだ。


「いや、だって。 ピークを持ってきた人にしか儀式を行わなかったんですよね? ということはですよ、大勢の人が押し寄せてきますよ?」


「ああ、そういうことね! それなら大丈夫! 才を持った人には無条件で儀式を行ってるんだよ! 残念なことにこの世界は、慢性的に才能不足なんだよ!」


なるほど、余計なお世話だったか。


「しかし、そうなると少し厄介ですね。 ピークの奉納を条件とするならば、少なからず訪れる人は増えてしまうと思うのですよ」


「む、確かに。 いくら言ったところで信じない人もいるかもしれないしね…。 うん!わかった!」


何がわかったのだろうか。


「これから才のある人間に儀式をするときは、儀式の後に定期的にピークを持ってこさせようと思うの!」


「それは無理じゃないかなー。 ここから近場の街でも半日はかかるのでしょう? ただでさえ都市に神殿は一つしかないんだ、移動だけでどれだけ時間がかかると思っているんですか」


「えー! じゃあ、どうしろっていうのさ!」


「いや、神官さんに持ってきてもらえばいいのでは? 毎日同じ時間に部屋に置いてもらえば毎日食べられるよ! やったね!」


「ほんと!? 毎日食べられるのね! あー、夢見たい!!!」


毎日食べてたら開きそうなものだけどなあ、まあこの女神様も相当ぶっ飛んでそうだからかわらないか。


「ところで女神様、まだお時間大丈夫ですか? 少しお聞きしたいのですが」


「大丈夫だよー! いつも退屈してるから!」


退屈してるなら普通に儀式で出てこればいいのに。


「では、時空間魔法ってどの様なものなのですか? いまいち理解ができないのですが」


「あー、そうだなー。 時空間っていうのは、時間と空間ってことなの。 だからね、密閉されたスペースを作り出して時間の経過がおきないようにするの」


なるほど、わからん。


「つまり僕は、手ぶらで旅ができるのですね?」


「そういうこと!」


「理解しました。 後は自分で試行錯誤してみようと思います!」


「そう? がんばってね! こっちもがんばってみるから!」


「ええ、ありがとうございました!」


扉を開けて外に出ると、ピスキーさんが出迎えてくれた。


「どうでしたか? 魔法はありましたか?」


心配してくれていたのかな、少し嬉しくなった。


「ええ、しっかり女神様にお会いしました! ただ…」


ピークのことを知ったピスキーさんは、しばらく動こうとしなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ