実験
さて、時空間魔法が使えるということがわかったのだが
どうやって使えばいいのだろうか。
元の世界では魔力やMPという表示であったが、こちらの世界に来てからは聞いたことがない。
一つ目の街の資料室でも目にしていない。
「ふむ」
「女神様、ちょっと聞きたいことがあったのできちゃいました! あ、これお土産です」
神殿の入り口では、ピスキーさんが未だに固まっていた。
なので、ピークをもぎ取り再び女神の部屋に入ったのだ。
「んー? あ! ありがとー! で、どうしたの?」
「時空間魔法ってどうやって使うんですか?」
「ああ! 使いたいと思う才能を念じればいいんだよ! ただし、その念じた事象が才能に当て嵌まらない場合。 もしくは、禁止されていた場合等は使えません! 使用限界とかは無いから好きなだけ使っちゃって下さい!」
使用制限がないとは、この世界のエネルギーはどうなっているんだろう。
「なるほど! ありがとうございます! それでは、次はまたどこかの神殿で!」
「はい、またねー!」
女神様と再び挨拶を交わし、固まっているピスキーさんにも挨拶をして神殿を出る。
神殿から出た後は実験だ!
まずは、先程女神様が言っていたスペースを作り出すところから。
女神様の言う通りに、頭の中で念じてみる。
箱型で、保管した物の時間を止が止まる空間。
「できた…、のかな?」
色は無く、見えるわけでもない。
だが、確かにそこにあるのは理解できる。
不思議なものだが、これが収納空間なんだろう。
試しにペットボトルを入れてみると、問題なく空間に入っていった。
そして、逆に取り出すこともできたのだ。
問題が無いことも確認できたので、ペットボトルをリュックに戻し
そのままリュックごと空間に収納した。
もちろん、ピークも山のように収穫して収納した。
いやあ、これで暫く食料には困らないぞ!
そのまま自転車に乗り、二つ目の街に向かう途中
視線を感じて森の方を見た。
こちらを見ていた狼のような動物と目が合った。
自転車で逃げても追いかけてくる。
狼の方が若干早いのか、その距離は少しずつ狭くなっていく。
動物を殺すのは嫌だけど、自分が死ぬのはもっと嫌だ。
だけど…
こうなって欲しいと頭で念じる。
目標は狼、結果は停止で狼を生きたまま停止させること。
だが、上手くはいかなかった。
ゴキボキ
「キャイィン」
足を狙って空間を止めたのだが、その体は全力の自転車よりも早く走っていたのだ。
狼の骨は折れ、その瞳はこちらを睨みつけていた。




