シャイなやつ
しがないフリーターのヒロユキがコンビニで働いていた時だった。
お客さんに「これ温めてもらえません?」
差し出されたのはハンバーグだった。
ヒロユキは裏側の説明書を見ながら冷静に対応した。
「すみません、こちらお皿にのせてラップをかけて頂かないと温めることはできないんですよ~。」
「そのままでも温められるんじゃないの?」
「えぇ、ですから、パスタや弁当とは違ってそのままレンジで加熱することはできないんです~。そのまま温めたことによる過失はこちらでは責任を取りかねますので、」
「なーんだ、残念。自分の住んでる〇〇県ではやってくれるんだけどなぁ。」
そんな〇〇県の事情なんて知らねーし、そもそもその土地が常識ないんじゃねーのか。
ヒロユキは内心ムッとしたが、
「ご希望に添えられず、大変申し訳ございません。」
少し噛みそうになったが、接客の基本や言葉遣いは忘れないでいた。
少なくともヒロユキは頭が良かった。
その〇〇県は東北地方のとある県だ。
ヒロユキは仕事を終えて帰宅した後、東北の悪口を容赦なく書き込んだ。
拓造はインターネットを使っていた。
興味のある掲示板を見ていた。
自分から悪口は書き込まないが、東北の悪口の書き込みを見て微笑んだ。
俺だけが悩んでるわけじゃない、やっぱりあの辺の人たち考え方古いよね。
歴史は事実である以上嘘はつかない、と妙な安心感があった。
榛名中学。大夢とクラスメートの何気ない会話である。
「なぁ大夢~、コンビニのハンバーグ買ったことある?」
「コンビニ?自分は大体スーパーのやつ食べるから・・・どうして?」
「あれ榛名の肉使ってんだぜ」
「マジで!?それは初めて知った!」
「そうか~、大夢がそもそもコンビニ行かないってのが意外だったな。」
クラスメートが考えたため、少し間があった。彼は続けた。
「今度行ってみようぜ、俺日曜日暇だし大夢は3時までこっちで練習試合だから夕方にでも(笑)」
「全然いいよ、で、買うのか?」
「俺がおごってくれるとでも?(笑)」
「いいえ(笑) そこまで困ってないし(笑)」
大夢は練習試合を終えて帰宅するとすぐにシャワーと着替えを済ませて、部屋の中にある貯金箱から500円玉1枚を取り出し、自転車で近所のコンビニに向かった。
クラスメートが待ち合わせしていた。
「よう、大夢ー」
「おう、待たせたなー」
すぐさま、ちょっと可愛らしい声で、
「よう、大夢ー」
なんと妹のあゆみも来ていた。
大夢は噴き出したあと、苦笑いしながら、
「なんでお前がいんだよwww」
「あたし、今日午後練習無しーwww」
「そんなの初耳だよっ!」
どうやら諸事情で午後練習から他校で午前のみの2試合消化に変更になったらしい。
奇遇とはいえ、あゆみも大夢たちの買い物に付き合うことになった。
次回に続く。




