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第11巻:如月令嬢は『暗幕のバッテリーを外さない』  作者: アリス・リゼル


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第2話『暗箱』 ~section4:車のホイールと、高さという名の密室~

 地上十五メートルの暗闇に浮かぶ、三つの不吉な銀色の円盤。

 僕が右手に握りしめているスマートフォンの頼りないLEDライトでは、その正体を正確に識別することは不可能だった。光の束は空気中の微細な埃を乱反射させるばかりで、肝心の対象物に至る頃には、ただのぼやけた白い染みへと成り下がってしまう。

 肉眼での観測限界。しかし、ここで『見えない』と諦めることは、如月さんの助手としての存在意義を放棄することと同義だ。何より、僕自身の脳内で警鐘を鳴らし続けるこの異常なまでの空間的違和感を、どうしても正体のある『物質』として定義しなければ、精神がプレッシャーに押し潰されてしまいそうだった。


「……もう少し、寄ってみます」


 僕は震える声をなんとか平静なトーンに抑え込み、スマートフォンを左手に持ち替えると、右の肩に掛けていた鞄の中から、いつも持ち歩いている愛用のタブレット端末を引きずり出した。

 暗黒の体育館の中で、タブレットの電源ボタンを押し込む。

 その瞬間、十インチの液晶ディスプレイが放つ青白いバックライトが、暴力的なまでの鮮烈さで僕の顔を照らし出した。網膜を刺すようなデジタルの光に思わず目を細めながらも、僕は慣れた手つきでロックを解除し、標準搭載されている高解像度のカメラアプリを起動する。


 画面いっぱいに、ノイズ混じりの真っ暗な体育館の天井付近が映し出された。

 僕は左手のスマートフォンで光源の軸を正確に頭上の円盤へと固定したまま、右手の指先でタブレットの画面をピンチアウトし、光学ズームの倍率を最大値へと引き上げていく。さらに、デジタルズームの領域へと踏み込み、ISO感度を極限まで手動で持ち上げた。

 暗所撮影特有の、砂嵐のようなザラザラとしたカラーノイズが画面上を激しく乱舞する。オートフォーカスのセンサーが、対象物との距離を測りかねて、ピントを合わせようと内部のレンズを前後に駆動させる微かな機械音が、ジジッ、ジジッと沈黙の空間に響いた。


「ピント、合ってくれ……」


 祈るような気持ちで息を止める。

 画面の中央に配置した銀色の発光体が、大きく膨張しては収縮し、また膨張する。レンズが十五メートルという垂直の距離の向こう側にある被写体のエッジを、必死に探り当てようとしているのだ。

 そして、数秒の焦燥の後。

 四角いフォーカス枠が緑色に点灯し、ピッと短い電子音が鳴った瞬間。

 ノイズの海の中から、画像処理エンジンによって強引に輪郭を補正されたその『異物の正体』が、あまりにも鮮明に、そしてあまりにも場違いな姿を持って僕の網膜へと飛び込んできた。


「……嘘だろ」


 乾いた唇から、無意識のうちに声が漏れた。

 僕は自分の目を疑い、一度タブレットから視線を外して直接頭上を見上げ、再び画面の中の高精細な映像へと目を戻した。何度確認しても、液晶ディスプレイに映し出されているその物体の形は変わらない。

 それは、宇宙から飛来した未知の円盤でもなければ、月見坂市のスマートインフラを構成する最新鋭のセンサー機器でもなかった。


 シルバーメタリックの塗装が施された、プラスチックと金属の複合体。

 中心の円から外側の縁に向かって、風を切り裂くような鋭角的なデザインで伸びる、五本の太い放射状の骨組み(スポーク)。その隙間からは、本来ならその奥に存在するはずのブレーキローターを冷却するための通気口が黒々と口を開けており、中央の最も盛り上がったハブの部分には、国内の特定の自動車メーカーを象徴する、見慣れたエンブレムが立体的に刻印されていた。


 車の、タイヤホイールカバー。

 俗に『ホイールキャップ』とも呼ばれる、大衆車のスチールホイールを装飾するために取り付けられる、あの安価な樹脂製のカバーだ。


 それが、一枚だけではない。

 画面をスワイプして横に視点をずらすと、数メートル離れたキャットウォークの縁に二枚目。さらに奥の鉄骨の接合部に三枚目。

 どれも全く同じデザイン、同じサイズのホイールカバーが、巨大な鉄骨の側面に対して垂直に、まるであらかじめそこに設置されることが運命づけられていたかのような不気味な安定感で、等間隔に配置されている。


「ホイールカバー……。車のパーツが、なぜこんな場所に……」


 僕はタブレットを両手で握りしめたまま、その強烈なミスマッチに頭を抱えそうになった。

 ここは、最新鋭のスマートシティが誇る如月学園の新校舎、その心臓部とも言える巨大な体育館だ。床は自律型清掃ロボットによって塵一つなく磨き上げられ、壁面は完璧な遮音と遮光を目的とした特殊素材で覆われている。人間の汗や生活臭すらも徹底的に排除された、極めて清潔で無機質な『屋内』の極致である。

 それに対して、車のタイヤホイールカバーという物体が持つ意味合いは、あまりにも泥臭く、そして野外の属性に塗れすぎている。


 僕の父親は、自動車工場で組み立てのライン工をしている。

 だからこそ、僕は幼い頃から、油の匂いや鉄の粉、そして自動車のパーツというものに対して、一般的な高校生よりも遥かに解像度の高い認識を持っている自負があった。

 タブレットの画面をさらに拡大し、そのホイールカバーの表面の質感を舐め回すように観察する。

 新品ではない。それは間違いない。

 シルバーの塗装の表面には、アスファルトの上を高速で回転し続けたことによって生じた、無数の細かい飛び石の傷が刻み込まれている。スポークの付け根の窪みには、洗車機のブラシが届かなかったことによる黒ずんだブレーキダストの粉がこびりつき、縁の部分には、縁石に擦り付けたと思われる生々しいガリ傷が白く削れて残っていた。

 これは、どこかの廃車工場から持ってきたのか、あるいは道端に駐車されていた車から強引に剥ぎ取ってきた、完全な『使用済み』の廃棄物だ。過酷な風雨に晒され、地面すれすれを泥泥になりながら転がり続けてきた、最も地べたを這いずる属性を持った部品。

 それが今、僕たちの頭上遥か十五メートルの、空調に管理された清潔な天空から、僕たちを見下ろしているのだ。


 なぜだ。なぜ、あんなものを。

 音楽室に置かれていた、鉛を仕込まれた竹刀のバット。あれはまだ論理的な文脈として理解できた。犯人が野球の投手をルーツに持つ人間であり、幻の試合を続けるために『打撃』の象徴を配置したのだと考えれば、その見立ての意図は痛いほどに伝わってきた。

 だが、この体育館という広大な『内野』に見立てられた空間において、一塁、二塁、三塁というベースの役割を果たすべき場所に、なぜ『車のタイヤカバー』が選ばれなければならないのか。

 ベースは、本来キャンバス地で作られた四角い布の袋だ。地面に固定され、ランナーが足を乗せるための安全な目標物である。対してホイールカバーは、円形であり、硬質なプラスチックであり、常に回転し移動し続けるための部品だ。形状も、素材も、その物体が持つ根源的な目的も、野球のベースとは何一つ交わる部分がない。

 犯人の異常なまでの見立てのルールにおいて、この車のパーツは、一体どのような狂気の方程式を経て『塁』へと変換されたというのか。


「如月さん。頭上のあれ、車のタイヤのホイールカバーです。しかも、かなり使い込まれた中古品……」


 僕が震える声で報告すると、隣に立つ如月さんは、ライトの光も当てられていないその暗闇の頭上を、アメジストの瞳で静かに見つめたまま、微塵も動揺する素振りを見せなかった。


「ふん。ホイールカバーじゃと? それがキャンバス地のベースの代用品として置かれていることの、意味論的な不一致に頭を悩ませておるのか? サクタロウよ」


「はい。あまりにも不自然です。なぜ車のパーツなんかを」


「愚鈍じゃな。お主はまたしても、事象の『表面の装飾』に目を奪われ、最も致命的で、最も暴力的な物理的矛盾を見落としておる」


 如月さんの冷徹な声が、僕の思考の迷路を一刀両断するように響いた。


「装飾が何であろうと構わん。それがタイヤのカバーであろうと、空き缶であろうと、あるいは本物のキャンバス地のベースであろうとな。問題は『何が置かれているか』ではない。それが『どうやってそこに固定されたか』じゃ」


 ハッと息を呑んだ。

 そうだ。僕はそのホイールカバーの異様さに目を奪われるあまり、それが存在している『位置』の絶対的な異常性を、一時的に忘却してしまっていたのだ。


 僕は再び視線をタブレットから外し、肉眼で、ただの圧倒的な高みとして存在するその暗闇の天井裏を見上げた。

 地上十五メートル。

 数字で言えばたったの二桁だが、それを人間の身体スケールに置き換えれば、一般的なマンションの五階部分に相当する、とてつもない絶壁である。

 人間の投擲力で、あんな重く空気抵抗の大きいフライングディスクのような物体を、寸分の狂いもなくキャットウォークの鉄骨の縁に三枚も『乗せる』ことなど、物理的に不可能だ。乗せるどころか、画面で確認した限り、あのホイールカバーはキャットウォークの手すりの隙間に、何か強力なワイヤーか結束バンドのようなもので、重力に逆らうようにしっかりと『固定』されているように見えた。

 つまり、犯人は確実に、あの十五メートルの高みまで、己の肉体、あるいは何らかの手段を用いて到達し、手作業でカバーを取り付けたということになる。


 僕は手元のスマートフォンのライトを床に向け、周囲の状況を血走った目で確認し始めた。

 体育館の壁際には、メンテナンス用の梯子は存在しない。デザイン性を重視したこの新校舎のアリーナには、無骨な梯子などというアナログな設備は最初から設計に組み込まれていないのだ。

 天井裏のキャットウォークへアクセスするための唯一の正規ルートは、体育館の最奥部、用具室の隣に設置されている壁面埋め込み型の『電動昇降リフト』だけだ。しかし、先ほどから確認している通り、体育館のメイン電源はステージ設営のために物理的に遮断されている。バックアップのバッテリーすらないその昇降リフトは、現在完全に沈黙した鉄の箱と化しており、手動で動かすことは構造上不可能だった。


 ならば、犯人はどうやってあそこへ登ったのか。

 十五メートルという高さに到達するための物理的手段。それは、工事現場などで使用される『高所作業車』、通称ブームリフトやチェリーピッカーと呼ばれる重機を持ち込むか、あるいは専門の鳶職人が数時間かけて単管パイプで『足場』を組み上げるしかない。


 僕は、ライトの光を足元のリノリウムの床面を舐めるように這わせた。

 あり得ない。

 高所作業車のような数トンもある重機が、この体育館に侵入した形跡など、どこにもないのだ。

 あのような重機を安定させるためには、必ず車体の横からアウトリガーと呼ばれる金属製の脚を張り出し、床面に強大な荷重をかけて固定しなければならない。しかし、僕の足元に広がる床は、自律型清掃ロボットが散布したばかりの帯電防止ワックスによって、鏡のように完璧な平滑さを保っている。キャタピラやタイヤが擦れたゴムの痕跡はおろか、アウトリガーが押し付けられたような凹み一つ、微細な傷一つ存在していない。

 足場を組んだ痕跡もない。鉄パイプを引きずった傷もなければ、クランプを落としたような金属音の残響すら、この完璧な密室には存在しない。


 犯人は、今日の昼休みというわずかな時間帯に、誰の目にも触れず、床に一切の痕跡を残すことなく、重力という絶対法則を無視して十五メートルの天空へと舞い上がり、そこに三つの車輪を固定して、再び音もなく消え去った。


「高さという名の、密室」


 僕は絶望的な響きを持ったその言葉を、無意識のうちに口にしていた。

 前後左右の壁に囲まれた平面の密室ではない。上と下、重力という絶対的な矢印によって阻まれた、垂直方向の密室トリック。

 人間の能力を凌駕したこの不可解な現象を前にすると、人間の脳は容易に『オカルト』や『超常現象』という安易な逃げ道へと直結したがる。幽霊が空を飛んで置いたのだ。あるいは、瞬間移動の魔法を使ったのだ、と。

 しかし、僕は如月瑠璃の助手だ。異世界や魔法といったファンタジー要素を完全に排除し、すべての事象を物理法則と論理の積み重ねによって解体する彼女の隣に立つ者として、そんな馬鹿げた思考放棄は絶対に許されない。


「オカルトじゃない。これは、人間が仕掛けた物理的なトリックだ。必ず、どこかに論理の抜け穴があるはずだ」


 僕は自分自身を叱咤するように強く呟き、タブレットの画面をカメラアプリから、如月学園のインフラ管理用ネットワーク・ポータルへと切り替えた。

 メイン電源が落ちていても、学園のセキュリティと環境維持を司る『アイリス・システム』の低消費電力ログサーバーは、独立したバッテリーで稼働し続け、すべての情報を記録しているはずだ。

 スマートシティの網の目は、アナログな侵入者を決して見逃さない。


「如月さん。僕は、幽霊や魔法の存在は信じません。もし犯人が、僕たちの目を欺くような巧妙な手口で重機や特殊な昇降機材を搬入したのだとすれば、必ずこの学園のセンサー網に『質量』としてのデータが残っているはずです。ゲスト権限で、今日の機材搬入ログを照会してみます」


「ふん。好きにするがよい。お主のその薄っぺらいデジタルの板切れが、どこまで真理のルーツに近づけるか、見物じゃな」


 如月さんの冷ややかな視線を背中に浴びながら、僕はタブレットのソフトウェアキーボードを凄まじい速度で叩き始めた。

 アクセス権限の認証をパスし、検索クエリを入力する。

 対象時刻は、今日の午前十時の設営開始時刻から、僕たちがこの体育館に足を踏み入れた現在時刻まで。

 対象エリアは、新校舎アリーナおよびその周辺の搬入口。

 フィルタリングの条件として、『重量センサーによる異常検知』、『大型搬入扉の開閉ログ』、そしてスマートシティ内の作業車両に必ず搭載されている『RFIDタグの入館記録』を指定した。


 これだけ条件を絞り込めば、高所作業車や、それに類する大型機材がこの空間に出入りした痕跡は、一瞬で炙り出せるはずだ。どんなに床のワックスを完璧に塗り直して足跡を消そうとも、システムに刻まれたデジタルの通過記録までは物理的に隠蔽できない。

 検索ボタンをタップする。

 画面の中央で、青いローディングアイコンが円を描いて回転し始めた。

 コンマ数秒の世界が、酷く長く感じられる。僕は息を止め、祈るように画面を見つめ続けた。


 やがて、画面がフラッシュし、検索結果のリストがテキストデータとして羅列された。

 僕はその文字列を上から下へと、文字通り貪るように目で追った。


『0件の該当データ』


 その無慈悲なシステムメッセージが、僕の論理的希望を粉々に打ち砕いた。


「……そんな、馬鹿な」


 僕は信じられない思いで、条件を変えて再度検索をかける。重量の閾値を下げ、時間帯を昨夜まで広げ、さらには清掃ロボットの稼働ログまで全て引きずり出した。

 だが、結果は変わらない。

 ログが示す事実は、あまりにも残酷なまでに明白だった。

 今日の昼間、この体育館の搬入扉が開かれた記録はない。床面の重量センサーが人間の体重以上の重みを検知した記録もない。作業車両のIDタグは一つも認証されていない。

 記録に残っているのは、文化祭の設営確認に訪れた生徒会役員数名の軽い足音と、定期巡回を行う自律型清掃ロボットの微小なモーター音だけ。

 つまり、デジタルな記録上においても、この体育館には『高所へ到達するための重機』は、一切存在していなかったことが完全に証明されてしまったのだ。


 床に痕跡はなく、ログにも記録はない。

 重力を克服する手段は、物理的にも、デジタル的にも完全に封鎖された。

 にもかかわらず、頭上十五メートルの暗闇には、何者かが手作業で固定したとしか思えない、三枚の車のホイールカバーが確かに存在している。


「何もない。ログには、重機も足場も、大型機材を運び込んだ記録も、何も残っていません。完全に、クリーンです」


 僕はタブレットを持つ手を力なく下ろし、声の震えを隠すことすら忘れて呟いた。

 高さ十五メートルという名の、完璧な密室。

 物理法則とスマートシティの監視網という二重の論理の壁が、僕の思考を完全に袋小路へと追い詰めていた。これ以上、どう考えればいいのか。鳥が運んだとでも言うのか。それとも、犯人は本当に重力を無視して宙を浮いたとでも言うのか。

 極限の論理的破綻を前に、僕の呼吸が浅く、速くなっていく。


「サクタロウ。だから言ったであろう」


 深い闇の中から、間髪入れずに如月瑠璃の氷のような声が響いた。


「お主が縋るデジタルの網の目など、所詮は人間が想定しうる『常識の範囲内』の事象を記録するための(ふるい)に過ぎん。犯人は、そんな矮小な網など最初から見向きもしておらんのだ。ログに記録がない? 重機が入っていない? そんなことは、あの天上にある『使い古された傷だらけのプラスチック』の存在感が、とっくの昔に証明しておるではないか」


 如月さんは、ゆっくりと僕の方へ歩み寄ると、僕の手から乱暴にタブレットを奪い取り、その電源を容赦なく叩き切った。

 唯一の青白い光の源が失われ、僕たちは再び、圧倒的な暗黒と静寂の海へと放り出される。

 スマートフォンの頼りない光だけが、彼女の純白の手袋と、闇の中で不敵に微笑む美しい唇を仄かに照らし出していた。


「目を覚ますのじゃ、我が助手よ。重機がなければ登れぬという前提そのものが、現代の便利なインフラに毒された愚鈍の極み。あの投手が仕掛けた情動のトリックは、お主が探していたような大掛かりな機械の力などではない。もっと原始的で、もっと暴力的な……この巨大な箱の構造そのものを利用した、完璧なアナログの狂気じゃよ」


 彼女は、純白の手袋の指先で、暗闇に沈む巨大な体育館の『ある一点』をビシッと指差した。

 そこには、僕のスマートフォンの光すら届かない、完全な死角が広がっているはずだった。だが、彼女の『物理的観察眼』は、すでに僕のタブレットの無機質なログなどよりも遥かに速く、この高さの密室を構成する『重力破りのルーツ』を、その冷徹な視野のど真ん中に捉えきっていたのである。



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