表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜明けの新世代  作者: 日下田 弘谷
第5章 不信感
56/65

第9話 裏切りの決意

「お疲れ様です」


 若い男がさらに若い空見へと頭を下げる。彼女は軽く一礼すると、刀を机の上に置きながら椅子に腰かけた。


「大丈夫ですか?」


「ちょっと疲れただけ……」


 今回、国民解放戦線の構成員として動いたのは2回目。まだ精神的に慣れていないのもそうだが、予期せぬ相手と邂逅したことも意外と効いたものである。幸いなのは空見が奇襲を受けたのではなく、空見が奇襲をしたこと。戦場であったとはいえ心構え自体はできたことと、血で血を洗う状況に気分が高揚していたこともあったのだろう。


 思い出して幸いだったことは、旧友を斬ることにはならなかったことと、旧友に斬られることにならなかったことであろう。できることであるならばあの場ですべての真実を話して味方へと抱え込みたかったところである。もちろんその場で彼女の発言すべてを信じてもらえる保証はなかったが。


「なんとか……連絡できれば」


 できることならば旧友と戦いたくない。だがあの場にもう戻りたくないし戻れない。であるならば旧友をこちら側へと丸め込むことではあるが、今の空見に彼ら彼女らへと連絡を行う手段はない。今まで用いていた連絡用の端末も、GPSで位置情報がバレたり、盗聴器を仕掛けられていたりという危険性から寮へと置いてきた。電話番号は分かるが、猪原らの端末側で盗聴の危険があることに変わらない。


 つまり今回のように突然出会える時を待つしかない。


「またいつか会えたその時は」


 彼女は制限解放器を外して自由になった手首に目を落とす。


「みんなを解き放つ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ