第7話 刃の向かう先
警察無線を聞いてその現場に駆け付けた一同。近くへ向かうに連れて複数の発砲音が聞こえ始め、日常離れしたその音の応酬に不穏さを覚える。 その場所においては警察官がパトカーを盾に拳銃を用いて交戦中。『国民解放戦線』と称される者たちがそれに抵抗するような銃撃戦を行われていた。しかしながらその動きは隙を作って逃げようとするものであり、決して警察を殲滅しようとするものではない。
「うげぇ。凄いことになってる」
少し離れているとはい、いつ流れ弾が車に飛び込んでくるか分かったものではない。稲嶺は体勢を低くして座席の後ろに隠れながら、腰にした拳銃を引き抜き残弾を確認。そのさらに後ろの席の新谷はライフルの確認をしていつでも飛び出せる態勢を整える。
そんな中で車が停車すると、3人は車を盾にするような形で外へ出ると、その陰から顔を覗かせて状況を見守る。だがしばらくするとしびれを切らした猪原が動き始めた。
「チッ。面倒なことに。新谷、突入する。援護を」
「銃撃戦の中に飛び込むつもりですか?」
車から降りるなり飛び出そうとする猪原の首根っこを掴んで引き留める新谷。確かに彼ら新世代は人間離れした戦闘能力を誇る。が、さすがに銃撃戦の最中に飛び込んで、傷ひとつできないような無敵ではない。
「相手はテロリストとはいえ、私たちが本来、相手にするべき存在ではありません」
「それはまぁ……そうだけども」
やむなく自衛のため、もしくは任務上の理由でテロリストと交戦する場合もあるにはあるだろう。しかし本来の新世代の立ち位置は新生物の駆除である。別に法律に違反している行動というわけでもないし、そもそも有事の際に法律がどうこうなど言っていられる状況ではないというのもまた一理である。ここまで来ておいて何を今更というのはあるものの、それでもわざわざ首を突っ込むべきではない状況であるという点があるのが難しいところだ。
もっともその新世代の活動の本質は国民を守ることであり、その対象には警察だって含まれる。
「だが警察を見捨てることはできん」
「……仕方ありません。援護します」
「右に同じく」
新谷は得物のライフルを国民解放戦線側に向け、さらに稲嶺も拳銃を抜いて援護の構え。稲嶺の本来の武器は日本刀のはずであるが、さすがに銃撃戦の中に飛び込んでいくことはできないのだろう。
「猪原さん、射線に入らないでください。撃ちます」
彼女と、その声に合わせて稲嶺が引き金に手をかける。しかしその時であった。
「させると思う?」
金属でできているはずの新谷のライフルの長い銃身が真っ二つに切られて地面に落ちる。加えて拳銃が稲嶺の手から弾き飛ばされ、パトカーの下に飛び込んでしまう。さらにその咄嗟の攻撃に猪原が鉄の棒を構えるが、その棒に強烈な一撃が加えられる。
「くっ、いったい誰が……なっ⁉」
猪原は自らの鉄棒が受け止めた『日本刀』とその使い手である『彼女』の顔を見て驚きを隠せなかった。
「そ、空見。どうして」




