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夜明けの新世代  作者: 日下田 弘谷
第5章 不信感
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第4話 死因は仲間割れ?

 できることならば司令部も、再編中の第9課を出したいとは思わなかっただろう。だが事件は待ってくれないのが有事というものである。謹慎明け、それも空見を欠いた状態での初出撃が巡ってきた。しかし……


「なんだよ。これ」


 猪原は敵新生物が現れたと言われる通報地点にやってきた。だがそこに敵はいなかった。と言ってもイタズラによる通報と言うわけではないようである。


「死んでいますね」


 新谷は銃を背にして警戒状態を解きながら、足元に転がった大きな猪のようなものへと視線を落とす。鋭利な刀剣の類によって確実に脊髄を断ち切って絶命させ、その新生物が持つ優れた回復力すら使わせていない。


「新谷。この近くにいた他の班が対応したって可能性は?」


「いえ。情報によるとこの近辺にいたのは、私たちと第5課の2班です」


 稲嶺の問いに答える新谷。もちろん新谷らは今来たところである。加えて彼女の口にした第5課についても、彼女らと共に来たところとなっている。よって情報が確かであるならば、新世代の他班が行ったというわけではなさそうである。


「なら他の支部がやった……わけないか。ここは横須賀の管轄だし、近辺となれば名古屋支部。それは遠い。自衛隊?」


 猪原がひとつの可能性を浮上させる。


 新生物対策については現在、新世代が主戦力を担っている。一方で空爆や砲撃と言った大火力を用いての新生物駆除や、新世代が戦えない空戦・海戦については主に自衛隊がその対応を行っている。また、猪原の言うように新世代の基地は横須賀支部の西の隣が名古屋支部となり、非常に空白地帯が多い。その間を当該エリアの管轄する自衛隊が行うこともある。とするならば新世代が行う前に自衛隊が行ったと考えるのが妥当である。ところが新谷はあっさりと首を横に振る。


「自衛隊が行ったとするならば雑にして精密です」


「と言うと、この死体の事?」


 稲嶺は近くに倒れている巨大猪の死体。加えて遠くにて第5課が検死を行っている巨大な猫へと目を向ける。


「はい。雑と言うのはこの死体の事です。自衛隊であるなればこの死体処理も合わせて行うか、しないにしても新世代へと処理を委託するでしょう。その場合は私たちへの引継ぎまでこの現場を離れるとは思えません」


「精密と言うのは?」


「陸での自衛隊は主に砲撃・銃撃を持って新生物を排除します。にしては脊髄を斬っているのは刃物のようです。銃撃ではない」


「自衛隊だって刀の一本や二本あるんじゃない?」


「否定はしません。私も自衛隊の状況は分かりませんから」


 稲嶺と押し問答を繰り返す新谷。正直なところを言えば、新生物が既に死んでいて、周りに被害者はいない。それだけで十分なのである。


「第一の可能性、他の班は考え難い。第二の可能性、自衛隊も考え難い。あとは、ここに少なくとも2体の新生物がいるということ」


「刺し違え、と?」


「はい。あちらの猫さんは遠目に見る限り、鋭い爪をお持ちの様子。あれで脊髄をズバッと」


「であっちの猫もこっちの猪にやられたと」


 それが最も可能性として考えられるところである。公的機関はその駆除を行っておらず、民間にその駆除を行う武力はない。ともなれば新生物同士のつぶし合いと考えるのが分かりやすい答えである。


 だが猪原はその答えを否定するわけではないが、第四の可能性を頭に思い浮かべていた。


書いたのに投稿を忘れるという、

(宿題を)やったのに忘れるみたいな懐かしい状況

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