表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜明けの新世代  作者: 日下田 弘谷
第3章 海を越えて
28/65

第2話 見ず知らずな第3課

「おはようございます。本日はお願いします」


 移動用の車両に武器や飲食物など必要物品を積んでいた第9課の4人。そうしていると聞き覚えのある声のあいさつが耳に飛び込んでくる。


「あっ、よろしく~」


 空見が軽い態度であいさつを返す相手は12課の大剣使い・平安かなみ。小さな体に不釣り合いな巨大な武器を振り回す超攻撃型であり、ある意味で新世代の持ちうる並外れたパワーを生かしている子である。


「よぉ。元気にしてた?」


「籠谷もお元気そう。得物はどんな感じ?」


「くっくっく。こっちの雷切も調子はいいよ」


 そう口にして腰から掛けた刀を見せつけるは、第12課のお侍・籠谷青空。彼の得物は空見と同じく近所で作られた日本刀のはずだが、『村正』の名を付けている彼女と同様、『雷切』 という独自の愛称を付けているようである。もちろんのことながら、戦国時代に立花道雪の用いていたとされる千鳥こと雷切とは一切関係はない。


「2人とも、おはよう」


「おはようございます」


「よっす」


 そこへ話に入ってくるのは、ひとまず自分の準備は完了した猪原。


「なぁ、平安、籠谷」


「なんでしょう?」「ん?」


 彼は来てそうそう2人に問う。


「今日、一緒に活動する第3課ってどんなところか知ってる?」


 ここまで疑問に思っていたことの解消である。基本的にこうした計画的任務の場合、前もって各課の代表たるリーダー・オペレーターが打ち合わせを行うことがある。だが裏を返せば課員同士が打ち合わせ段階で顔を合わせることは決して多くない。もちろん普段、同じ範囲で生活を行うこともあるため見知った顔であったり、噂に聞いたりすることもある。だが具体的にどこの課に属する誰なのかと言った細かいことまでは把握しきれないのである。


 すると第13課のリーダーたる平安は口元に手を当て思い出すように答える。


「そうですね……やはり場所が場所ですから、目立った戦果のない第3課については非常に情報が少ないのが現状です。ですが聞いた話によると第3課はさしずめ『戦うアイドル』とか」


「はぁ?」


 彼女が何を言っているか分からないと、素っ頓狂な声を出してしまう猪原。そんな彼の反応に「まぁそう思いますよね」と理解を示しつつ、補足を行う平安。


「新世代所属として人並み以上の戦闘能力を有しますが、一方で新世代並みの戦闘能力は有さないとの話です。ただ見てくれのいい女性が集まっていることから、基本的には一般人に混じっての警備行動が主たる任務。それ以外では他課の支援に徹しているとのことです」


 相手が人間ではないことから、人に紛れる隠密性など必要ないように思える。だが敵討伐を主としている場合ならまだしも、以前に第9課が行った娯楽施設での警備任務、さらには今回のような賓客護衛のような『雰囲気』を必要とする場合においては重要なスキルであるともいえるのだ。こんな有事の際に戦闘能力を押さえてまでそれを重視するとは馬鹿げていることではあるが、元から戦闘能力の低いという話の第3課ならば問題ないのだろう。


「そうか……まぁ護衛計画は既に立ててあるから大丈夫だと思うけど戦力になればいいな」


 比較的前線で立ち回るタイプである猪原は、そんな『戦うアイドル』に冷ややかな評価。一方でこちらはもっと前線で立ち回るタイプである籠谷は……


「いやぁ、どんな子たちなんだろうな」


「籠谷さん。鼻の下が伸びてます」


「まったく、男ってヤツは」


「男という括りで、こいつと一緒にせんでくれ」


 他3人に呆れられていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ