第5話 平和な旅路
1300ユニーク…だと…
皆様ありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!
登録を終えた俺たちは、ギルドを出て服屋そして武器屋に立ち寄った。
俺の服や武器はPDAから無制限に出せるが、マナたちはそうはいかないのでこの際買っておく事にしたのだ。
俺が買ってやると言ったのだが、マナとリナは自分で金を出すと言い出し、全財産を置いてきた彼女らはもちろん一銭も持ってなく、立て替えるということで落ち着いた。
服屋と武器屋に行き、まずは女子組の普段着と下着を数着、装備品を買った。
マナは俺があげたTシャツに長さがへそ上までしかない前が開いた紅い上着、短めのブラウンのパンツ、革製のブーツといったいかにも冒険者といった銀髪によく合う格好だが、ときどきマナのふくよかな胸元に意識が向かってしまい、その度にマナにニヤニヤした顔をされ、リナは不機嫌になったりと、いろいろ…いろいろ大変だった。
防具は機動性を生かしたレザー一式。グローブに脚甲、胸当てだ。特に胸当てはマナの豊満な胸を押し付ゲフンゲフン。リナさんや、怖いから睨まないでおくれ。
武器は短剣の二刀流でダガーとソード・ブレイカーと呼ばれるものだ。
一方でリナは少しゆとりのある緑色の長袖のシャツに短いスカート、黒のニーソに長めのブーツと落ち着いた感じだ。
防具はマナと同じレザー一式だが、弓を使うらしく普通のものではなく胸当ては左胸のみのもの、グローブは少し厚めのものになっていた。
ただ胸当ては少し大きすぎたようなので変えてもらっていた。
‐‐‐‐‐それを見たマナがからかったために拳骨を食らっていたのは記憶に新しい。
武器はショートボウと短剣、矢を20ほど買った。
リリィはシンプルに白いワンピースという年相応の恰好だった。
そして全員に対刃、耐衝撃、耐魔法効果が付与されている黒っぽいローブを買ってあげた。どうやら珍しい魔物の繊維を使っているようで一つ金貨1枚とそこそこ高かった。
そして俺はいつものアサルトスーツの様なアーマーの上から愛用していた黒のコートを羽織っている。背中には部隊を示す『零』の文字が刺繍された地球で11人しか着ることのできないコート。その内ポケットには『SENSENMANN』と記された特別なコートだ。
買い物が終わって次に向かうのは宿屋。実はギルドでお勧めされた宿屋なのだ。
名前を『葡萄と小槌亭』という宿屋で、なんでも安くてサービスが良く、部屋がきれいで酒と肉がうまいんだとか。
入ってすぐのところに受付があり、その横の入り口を行くと酒場のようだ。
「あ、いらっしゃいませ~。お食事ですか?ご宿泊ですか?」
そう言ってきたのは従業員と思われる若い女性。十代後半だろうか?
「宿泊をお願いしたいんだけど…部屋空いてる?」
「空いてますよ~!1部屋でよろしいですか?」
「2部屋お願いします。シングルとトリプルで」
「え…パパ…いっしょ…ダメ?」
ズキューン!!マサトに大ダメージ!!
(落ち着け俺!いくらパパだっていっても会ったばかりの女の子なんだぞ?そうだ!男女七歳にしてなんとかだ!)
マサトは意を決してどうしてなのか説明しようとした…しようとしたんだ。もう決まってたけど…
「それではツイン2部屋4名で一泊1万ガルになります。食事は朝食が6時から9時、夕食は5時から8時となってるので、間違えないでくださいね~。時間を過ぎると別料金となりますので気を付けてくださいね~」
銀貨1枚を払い、カギを受け取ると部屋に向かい5時に酒場で会うことを言って分かれた。
部屋はそこそこ広く、2つのベットに小さなテーブルとイスが備え付けられており、1人一泊2000円ちょっとにしては良心的すぎると思ったほどだ。
それから2時間ほどやることがなかったのでリリィを膝に乗せひたすら撫でているとどうやら少し時間を過ぎていたらしくリナが呼びに来てくれていた。
(時間を忘れさすなんて…恐ろしい娘!)
「おっそーい!」
そこには耳を垂らしテーブルに伏せている犬がいた…何あれ可愛い。
「すまんすまん。なんか頼んだのか?」
「いいえ、まだですよ?なにがいいですか?」
「ふむ、それじゃ「あたし料理長のおすすめ!」あ…俺もそれにしようかな。
リリィはなにが「ぱぱとおなじの!」じゃそれにしようか」
少しして出てきたのは肉にこれでもかと盛ったキャベツ(のような葉っぱ)に大盛りのパン、サラダ、スープだった。
量にして大人5人前。
(これ絶対リリィは食いきれないだ…!?なんだと!)
リリィの前に置かれた肉とパンは…すでに半分ほど消えていた。
そして残りのものもまるでブラックホールに飲み込まれるがごとく消えていった。
いつの間にか今まで騒がしかった周りの客まで静かになっていた。その中でリリィはいかにも満足といった表情を浮かべていた。
そしてこの酒場の全員が一つの気持ちに集約されていた…
(((((あの量はどこに行ったんだろう…)))))
それからしばらくして酒場が喧騒を取り戻したころ、俺たは酒盛りをしつつ明日のことを決めていた。
「じゃあ、明日の朝宿を発つがそれでいいか?」
「異議な~し」
「とりあえずはそれで行きましょう」
「…パパ~…おわったの~?」
「おわったけど、どうした?眠いのか?」
「…ん~…だいじょうぶ」
…こりゃダメだな、半分寝てる。
その後俺たちは明日のために早く眠ることにして解散となった。
そんな中、一つ気になる話が聞こえてきた。
『おい、聞いたかよ。街道の魔物の話。』
『ああ、何か最近街道沿いに魔物やら盗賊が多いって奴だろ?』
『この前来た商隊もやられったって話だぜ』
『おっかねぇなぁ…』
(王都に向かう街道…気をつけた方が良いかもしれないな。)
そんなことを思いながらマサトは眠りについた。
翌日の朝、俺たちは飯を食って宿を後にしていた。
…え?何かなかったのかって?あるわけないでしょ?リリィが布団に潜り込んできて俺の腕枕で寝たくらいだよ?
ピオネロの街を出て2日目の昼、俺たちは後1日で王都のところまで来ていた。
「ん~?ねぇ、パパ~」
既に定位置となった俺の頭上からリリィの呼ぶ声が聞こえてきた。
最近は何かと肩車をせがむリリィを肩車をしながら街道を進んでいるのだ。
「ん?どうかしたか?リリィ?」
「ん~とね、ずうっっっと向こうに人がいっぱいいるの!」
「どれくらいいるか分かるか?」
「ええっと…30人くらい!」
「30人?どっかの商隊が進んでるのか?」
「ううん、止まってる!」
…トラブルかなんかか?
そう思いゴーグルの望遠機能を使い前方を確認する。
そこには…抜き身の剣を持った者たちがいた。盗賊と立派な護衛の護衛で戦っているらしい。
方や白の鎧を身にまとった者、方や金属製や革製などの鎧の者たち、こっちが盗賊の様だ。
戦力差は5:30。護衛の方は腕の立つ者の様だが、何せ数が多く、このままでは押しきられてしまうだろう。魔法使いもいるようだが狙いも威力も十分でなく、焼け石に水状態だ。
「マナ、リナ。前方で盗賊に襲われている馬車がある。ちょっと助太刀してくるからリリィを頼むぞ。」
そう言うと俺はリリィを地面に下ろして駆け出した。
「ちょっ!マサトって速ぁ!」
マサトはすぐさま点となった。
(約5km。今なら5分で行けるな)
地球で測ったときは7分だったが、アーマーを着た状態なら5分に短縮される。
(頼むから少しの間もってくれよ、お嬢さん方)
M9A1をすぐに撃てるようにしつつ全速力で駆けた。
接敵まであと2分。
感想等ありましたら、お願いいたします。