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パラベラム  作者: BULLET
第1章  異世界転生編
6/11

第6話 盗賊とAランク

いつも以上の駄文ですがよろしくお願いします。

〈side???〉


「くっ!」


私は焦っていた。

まわりを囲むのは30ほどの盗賊。いつもなら何ら問題無い数の敵。

しかし今回ばかりは違った。15人いた近衛は魔物の襲撃で5人まで減った。それでもいつもなら5人いれば十分だっただろう。

しかし今は魔物から逃げてきてすぐなのだ。周りで戦う近衛たちも疲弊している。

逃げるしかないが私の足ではすぐに追いつかれる。

ならば馬でと思ったが、先程盗賊の射た矢で死んでしまった。

私は必死で魔法を放つが…当たらない。

まだ魔法を習って数日。初級の火球(ファイヤーボール)しか出来ないのだ。

下手に放って近衛に当たってしまうかもしれないと思うのもうまく放てない原因かもしれないが焦って頭が回らない。

盗賊の放った矢がすぐそばを通り抜けた。


「きゃっ!」


驚いて尻餅を着く。その時すでに盗賊の一人が目の前に来ていた。


「姫様!!」


私を呼ぶ近衛騎士の声がとても遠くに感じる。


(こんな所で死んじゃうの…?まだ素敵な王子様にも会ってないのに…やだよう…まだ生きたい…生きて王子様を探しに行きたいのに…)


盗賊はおぞましい笑みを浮かべて剣を振り上げている。

私は顔に絶望を染めていただろう。そのときまでは…


「げふっう!!!」


横から飛び出してきた黒いものに吹き飛ばされて盗賊は宙を舞い、そのまま動かなくなった。

黒いものは人だった。見たこともない黒いフルフェイスで全身を覆った人間。

この時初めて自分が助けられたのだと分かった。だがお礼を言おうにも腰が抜けてしまい満足に立つことが出来なかった。

やっと出たのは「あ…あう…」という何とも情けないものだった。

黒い人は何かを察したようにフルフェイスの目の部分を開けた。


「助けに来ましたよ、お嬢さん」


私は自分の脈が速くなるのを感じた。顔も熱くなる。こんなことは初めてだ。

貴族の淑女の間で人気の若き伯爵や騎士団最強の男性とお会いしても無かったことだ。

ここで気づいた。やっと見つけたのだと。

この人が私の王子様だと。


〈sideout〉










その黒い人はマサトだった。


(敵数28、弓が2、あのローブが魔法、剣や槍、盾が25か…

この娘は騎士に任せて…余裕だな。)


マサトは素早くセーフティーを解除し、盗賊どもに向けて引き金を引いた。


パパンパパンパパパン!


弓を持つ盗賊が頭、胸に風穴を開け赤い花を咲かせてそのまま倒れる。

まわりの盗賊は何が起きたか解らない様で呆然とそこに突っ立っているが、そこをマサトが見逃すわけもなく、次々に右のハンドガンで撃ち抜かれ、左のナイフで切られ、刺されて残ったのは何も言わぬ屍だった。


「…状況終了っと」


一言そう呟くとホルスターにM9A1を戻した。


「おーいマサトって何よこれ…」


いつの間にか追いついたマナが何とも驚いた感じで言う。


「派手にやりましたねマサトさん」


リナは呆れたように言ってきた。


「パパすごい!!!」


リリィは尊敬のまなざしを向けて抱き着いてくるが人に死体は大丈夫なのか?少しはショックを受けてもいいもんだが。


「あ、あのう…」


とそこへ先程の女の子がやってきた。

歳は14~16といったおとなしそうな少し小柄な茶髪の女の子。

そして…デカい。マナよりもあると思われる胸と小柄な体格はあまりにもミスマッチだがなぜだか守ってあげたくなるような女の子。

…リナが不機嫌なのは気のせいだろう。


「さ、先程は、助けていただいてありがとうごじゃいました!!」


勢いよく頭を下げ、噛みながらお礼を言う少女。後ろにいる騎士たちは疑いの目を向けつつもそんな彼女のドジっぷりに顔を緩めていた。


「わ、私、ソロモン王国第4王女シルヴィア・オルセインと申します。このたびは誠にありがとうございました。」


『シ、シルヴィア王女殿下!?』


マナとリナは驚いた様子ですぐにこうべを垂れた。

だがマサトは「へー」と言っただけでそのまま立っていたし、リリィは頭に?を浮かべていた。


「そ、そんなに畏まらないでください。私は王位継承権も低いただのお荷物ですから」


「私は第四王女、シルヴィア様の直属近衛騎士、エルナ・ブロホヴィッツだ。今回は助かった。改めて礼を言わせてくれ。」


エルナと名乗った女性騎士はメガネが似合いそうな真面目そうな女性だった。

金の長い髪を後ろでくくった活発さも兼ね備えた美人さんだった。


「いえいえ、礼なんて良いですよ。たまたま通りかかっただけですから。

自分はFランク冒険者のマサト・ヒイラギと言います。」


「マサトさんですか!ありがとうごさいました!」


「失礼だが、どこの貴族なのだ?ヒイラギという家名に聞き覚えがないのだが…」


シルヴィアは嬉しそうにお礼を言い、エルナは疑うように聞いてきた。


「いえ、私は平民ですよ」


「なに?家名があるではないか」


「私の国では平民にも姓があるので」


「そのような国は聞いたことがないが…小国群の生まれか?」


「いいえ、もっと遠いところですね」


「ほう…どこなのだ?」


エルナは笑みを浮かべさらに問い詰めてきた。


(さて…どうするか…)


マサトはここで言ってしまっていいものかと考えていた。


「エルナ、恩人に失礼ではありませんか?」


シルヴィアは見かねたのか助け船を出してくれた。


「しかし姫さ「それよりマサトさん、王都まで護衛をお願いできませんか?」姫様!?なにを言っているのですか!こんなわけのわからない奴に!」


シルヴィアは呆れたように言った。


「このままでは私たちは王都に着くまでに同じことがあったら全滅してしまいます。それにマサトさんの実力はあなたも見たとおりでしょう?」


エルナは食って下がって


「ですが姫「静かに!」」


だがマナに遮られてしまった。


「どうしたんだマナ?」


「嫌な音がする…」


「嫌な音?なんの?」


「すぐに分かるよ…ほら…来ちゃった…」


目の前に何かが降りてきた。

それは赤い鱗を持ち、前足に翼が生えたトカゲのような生き物だった。


「ワイバーン!?なぜこんな所に!?」


あの生き物はワイバーンというらしい。

リナが説明してくれた。


「ワイバーンは主に森林や山の奥に生息する魔物です。ドラゴンの中でも最低級に属しますが獰猛で、Aランクに数えられます…」


見るとリナとマナは大粒の汗をかいていた。騎士たちも腰を抜かしており戦える状況じゃない。

リリィはリナとマナの側で震えていた。

ふとワイバーンと目があった。


『グオオオォォォォン』


ワイバーンは大きく吠えると俺に向かって突っ込んできた。

ワイバーンの体長は5m程もあり、体重は500㎏はあるだろう。

普通の人間ならここで背を向ける…だが、マサトは違った。

マサトはワイバーンの動きを見切ってどてっ腹に蹴りをかました。


『グオオ!?』


ワイバーンは吹き飛んで10m先にある馬車に激突したが、ダメージは然程大きくないようですぐに起き上ってきた。

89式小銃をすぐさま呼び出し、発砲した。


タタタンッタタタン


銃口から放たれた銃弾は頭と胸へと吸い込まれそれぞれに3つの血しぶきが舞う。

ワイバーンがよろけた隙に肉薄し、銃剣で目を突き刺し、さらに眼球へと引き金を引いた。


the end(終わりだ)…」


タァン


ワイバーンはどうと音を立て地面にその巨体を横たえ、絶命した。






















「ほ、本当にありがとうございました!一度ならず二度までも命を救って頂きました。このご恩はいつか必ず!」


シルヴィアは丁寧にお辞儀をし、礼を言った。後ろでは同様に騎士たちが頭を下げている。


「だから良いって、気にしなくても。」


「そういう訳には参りません。マサト様は王族の命を救われました。せめて城でもてなさせてくださいませ。」


エルナまでもがそう言いだし、俺たちはお邪魔することになった。

さっきから「パパすごいすごい!」とはしゃぎ回ってるリリィが聞いたらすごい事になりそうだ。


「しかし姫様。このままでは野宿をしなければなりません」


ここから王都まではどう頑張っても着くのが夜中になってしまうそうだ。


「そうですね…馬車と馬が無事なら良かったのですが…仕方ありませんね」


馬は盗賊に殺され、馬車はワイバーン(と俺)に壊されていた。

ふと思い出したことがあったので提案してみる。


「馬車の代わりならありますよ?」


『え?』


バッと全員がこちらを振り向いた。怖いって。


「ど、何処にあるのよ」


「今出すから待ってな」


俺はPDAを操作し、1台の車両を呼び出した。


『うわっ!!』


いきなり何も無い所から出てきたのでみんな一様に驚いていた。ちょっと楽しい。

呼び出したのはカナダのLAVⅢという装甲車だ。ハンヴィーとかでも良かったのだが、人数が人数なのでこっちにした。


「シルヴィア様と騎士の方達はこっちに乗ってください」


そう言って後ろのハッチを開け、誘導し、俺たちは前に乗った。


「マサトさん、少し良いですか?」


シルヴィアが好奇の目を輝かせ聞いてきた。


「これの事ですか?」


そう言ってLAVⅢを軽く叩いた。


「は、はい!これは馬がいない様なのですが…」


「馬で引かず、これ自体が動くんですよ」


「そんな…本当なんですか?」


シルヴィアは心底驚いたように目を見開いてあたりを見渡す。


「ええ、これは自動車といって俺の国ではその辺を走っていますね。これは軍用ですが」


「そ、そんな国があるわけ…マサトさん、もしかして渡り人ですか?」


そこにいた全員が息をのむ音がした。


「渡り人?」


「この世界とは別の世界からの来訪者、彼らは異世界人とも言うとか。」


渡り人ねぇ…ちょっと違う気がするけど。


「確かに、俺は異世界から来ましたが…渡り人とは少し違うと思いますよ?」


「少し違う?どういうことだ」


エルナが疑惑の目を向けて聞いてくる。


「そこからは私が説明してあげよう!」


『!?』


声の方向にいたのは…幼女だった。


「誰だ?」


「ちょっ酷くない?忘れるとか」


「あ、もしかして神(自称)か?なにこんどはロリ神(自称)になったのか?」


「自称じゃないって何度言えば分るんだよ!神様だよ!最高神アテナ様だよ!」


「ア、アテナって聖教の唯一神の…」


「そ!そのアテナちゃんだよ!よろしくね!」


「で、亜人差別主義の聖教最高神様が何の用だ?」


「へ?亜人差別主義?なんのこと?」


~解説中~


「はぁ?なんなのよそれ!言って無いわよそんなこと!」


「じゃあなんて言ったんだよ」


「ええっと確か…そうだ!『ケモノ耳は至高だから獣人となかよくしなさいよ!』って言った。」


…それは、何処で湾曲したんだ…?


「ああ、そうだった。マサトくんはねぇ、渡り人じゃなくて転生者よ。」


「転生者?転移って言って無かったか?」


「ほら、マサトくん死んじゃったじゃない?だから新しく体を作り直したのよ。」


「それは…ありがとうございます」


「良いのよ~、気にしなくてもね。死神(SENSENMAN)さん」


お前…そういうことここで言うなよ。


死神(SENSENMAN)って?」


マナがロリ神(自称)に聞き出したじゃねぇかよ…


死神(SENSENMAN)はマサトくんの生前生きてた世界での通り名よ。」


「通り名がつくほど凄かったんですか?」


リナまでも興味を持ってしまった…


「‐その男、黒の髪、黒の目、黒の服装で戦場を駆け抜け敵兵を鉄の雨と煌めく刃を以て肉塊とし、万の歩兵を以てしても止められず、万の兵器を以てしても鉄くずとされる。

それに会ってはならない。それを怒らせてはならない。

一度とらえられたが最期、自分でも知らぬうちに息絶えるであろう。

その男の名は死神(SENSENMAN)

100万の歩兵と相対し敵兵を皆殺しにしたことが由縁だね」


「おい、なんだそれ!聞いたことないぞ!」


「君の死後に言われてたからね~ま、そろそろ帰るから。そうそう、聖教さ、出来ればボコボコにしといてよ!じゃ!」


そう言ってアテナは帰って行った…


『…………』


ほら、脳の処理が追いつかなくなってみんな呆然としてるよ。


「パパすごーい!」


分かってないリリィを除いてだけど…



















数時間後、俺たちは王都に着いた。


「こんなに速い乗り物があったとは…」


「そうですねぇ…」


「すごいなぁマサト…」


「ほんとですね…」


「パパ!またのりたい!」


みんな王都の城壁を見上げながら呟いた。

ちなみに上からエルナ、シルヴィア、マナ、リナ、リリィだ。

リリィはぶれないな。


そのあと門番に不審者扱いされたり、シルヴィアが出ていくと誘拐と疑われたり、エルナがきちんと説明してくれたりといろいろあって王都に入れたのは1時間後だった。


城壁の内側に入ってすぐにシルヴィアたちが振り返り…


「マサトさん。『ようこそ王都ソロモンへ!!』」


長い長い、だがたったの数日の出来事だった。


感想等お待ちしております。

一応異世界転生編完結です。次章王都編お楽しみください。

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