↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/50

果てなき空の精霊歌⑩

「なら、今回の放送のもう一人の主役はジルハルト殿下で決まりだな!」


元使者さんによる目玉イベント、『ルージュ王国の王家のここが変だよ』という、暴露トークショーも控えている。

そのメインゲストが、王都で暗躍している。

そうと決まれば、もはや、迷いはなかった。

ジルハルト殿下の再起の暴挙が、歓迎会を大きく盛り上げていくことになるのだった。


*


新たに、ラトレ村の新住民になった元使者さんの歓迎会。

その放送は、世界中の視聴者たちを次々と虜にしていった。

今回のテレビ番組の受信場所は、ルージュ王国も含めた世界全体、そして、異世界TV推しの女神様がいる転生の間だ。


「今日の放送は、絶対に見逃さないようにしなくちゃ!」


『現地取材版の異世界TV』をすっかり気に入った女神様は、今日も全力で推し活中だ。


『こんにちは。皆様、いかがお過ごしでしょうか』


画面中央にはマイクを持った、異世界TVのアナウンサーの私が映し出された。

今回の番組の進行場所は、ラトレ村の広場にしている。

多くの観光客たちが、今回の放送を見れるように、広場には魔道具を用いた『大型ビジョン』と『特設ステージ』を設置していた。


『今回の異世界TVは、新たにラトレ村の新住民になった元使者さんの歓迎会をお届け! 思わず驚くインパクトのスペシャルゲストや、ちょっとやりすぎてしまっている暴露トークショーなど、楽しい企画が盛りだくさん! さらにその味を求め、観光客が足繁く通う、旬の味が楽しめる屋台もご紹介します! 最後までお見逃しなく!』

「おっ、始まったな!」


その響き渡った声に、放送を今か今かと待ち構えていた人たちが、大型ビジョンに目を釘付けにする。

私はマイクを片手に、丁重に今回のビッグゲストをお招きした。


『それでは、本日のスペシャルゲストのご入場です!』

『私はゼルトリア・フリク・ルージュ。ルージュ王国の国王である。我が息子、ジルハルトの厳重な謹慎を破らせ、王城から王都まで誘導した者たちがいる。その者たちを判明させるために、無理を言って参加させてもらった』

「うわぁ、本物の国王陛下が出てきたよ……」

「ジルハルト殿下、何をやらかしたんだ?」


ビッグゲストの登場に、世界中で大反響が巻き起こった。


『まずは口コミでじわじわと人気が広がる、ジルハルト殿下のサイン入りのルージュ王国の機密文書。ついに明かされる、その内容とはいかに!?』


私が宣言すると、画面がジルハルト殿下がいる王立学園の卒業パーティーが行われた会場が映し出される。

画面端には、『ジルハルト殿下、再起の暴挙の前に、機密文書暴露の危機!』というテロップが表示された。


『それでは、世界中の皆さん、お待たせしました! お待ちかねの機密文書の抽選結果が出ました!』

「待っていましたーー!!」


その一声に、抽選結果待ちの人たちは一斉に歓喜に湧いた。

精霊さんたちも協力して、最高のカメラアングルや「パンパカパーン」とクラッカーを演出する。


『なんだと! もう、抽選結果が出たというのか!?』


会場に配置されていたテレビで、この放送を見たジルハルト殿下は、自分の企みが見抜かれた上に、世界中で見せものにされていると知って怒り狂っていた。


『では、どうぞ!』

『ありがとうございます』


私は順次、当選した人たちに機密文書を進呈していく。

その内容を見た人たちはみな、驚きの表情に染まった。


『なになに……。国の宝飾品を勝手に売り払って、遊興費の足しにしていただと? しかも、その罪を聖女になすりつけていた!?』

『聖女がもらうはずだった多額の報償金を横取りして、想いを寄せる公爵令嬢のためのプレゼントに費やしたらしいぞ!』

『なんと、愚かな行為を……』


国家転覆となりうる証拠の数々に、主賓として招かれていた王様は頭を抱える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。