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無能と呼ばれ剣聖になった男  作者: 悠渡
第一章 大商帝国と神秘の森
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第十一話 目指せ森人族の森

 ......また遅れてしまいました。もうね、才能が無いとしか言いようが無いですね。まあ趣味で投稿しているので、あまり気にしないのですが。


 ところで、前に更新が不定期になるかもしれないです、と言ったのですが、本格的に不定期になります。読んでくれている方には申し訳ないです。本当にすいません。

 

 ......定期的に更新したいな......

「さてと、出発するか」

「はい、出発です!」

「目的地は森人族エルフの森、でいいんだろ?」

「ああ、それより時間が無い。早く出発しよう」


 陽刻の十時。ハヤトがそう言ったのと同時に、ミーティアは発進する。ーーーーー




 ーーーーーミーティアが発進して二時間。徒歩で進むより何倍も速いと判ってはいるが、どうも遅く感じる。


「なあ、ヴェル」

「なんだ?」

「遅くない?」

「そりゃあ、遅いのは当然だろ。スピードは、この前の五分の一ほどだからな」

「な、何で?」

「この前のスピードだと、精霊石から引き出せるエネルギーがすぐに底を突いて、二日ぐらい動かせなくなるんだ。だから、このスピードを維持する。そうすれば、四日ぐらいで着くだろ」


 四日、長すぎる。無理を言えば、少しはスピードを上げられるだろう。だが、長持ちするかは判らない。なら......


「そうか......エルフィンド、森人族エルフの森まで四日だそうだ。どうする、無理を言えばもうちょっとスピードを出せるが、結局掛かる時間は変わらないかもしれない。判断はお前に任せる。お前が速くしろと言うのなら、スピードを上げてもらう。このままでいいと言うのなら、このまま四日掛ける。お前が決めてくれ」

「このままで......いいです......」

「......本当にそれでいいのか?」

「え......?」

「今この時も、お前の家族や親戚は毒に犯されつつあるんだろ。俺だったら、無理を言ってもっとスピードを上げてもらう。エルフィンド、大人ぶらなくてもいい。家族とは、死んだらもう二度と会えないんだ。エルフィンド、お前の本心を聞かせてくれ。お前は、本当にこのままでいいと思っているのか?」

「......してください」

「ん?」

「もっと......もっとスピードを出してください! 一刻も早く、父さんたちを助けたいです!」


 エルフィンドの本心。それを聞けて嬉しかったのか、ハヤトの口許が綻ぶ。そして、ヴェルクロムにもっとスピードを出してもらうよう頼む。


「ヴェル! 頼んだぞ!」

「了解だ! スピードマックスで行く!」


 その声と共に、ミーティアのスピードは格段に上がった。因みにだが、ミーティアは魔方陣が回転する速さで、スピードが決まる。今は、結構な速さで回転している。そんなこんなで一時間、昼食を摂っていないということになり、一旦停止させて外で景色でも見ながら昼食を摂ることにした。


「作ってきましたよ、お弁当!」

「......」

「? どうしましたか?」

「また六段弁当か。......しかもこの前の二、三倍の量......」


 ラミアの弁当を見て、言葉を失ってしまう。六段弁当だったのだ。しかも、その一段一段が四十五センチぐらいある。量が半端無い。食べきれるかが不安だ。


「ふぅ、もうお腹いっぱいだな」

「ああ、腹いっぱいだぜ」

「それにしても、量が異常だろう」

「そ、そうですか?」

「はい、食べ過ぎてお腹が痛いです......」

「う~ん......それじゃあ、今度からもうちょっと量を減らしましょう......」

 

 少し残念そうにしているラミアに、ハヤトたちは必死に弁解した。


「そんな落ち込まないでくれ、料理は美味しかったんだから」

「そ、そうですよ、ただ量が多かっただけで」

「そうですか?」

「そうだって」

「わかりました、次からは量に気を付けましょう!」

「あ、ああ。頼んだ」


 ハヤトとエルフィンドはラミアの機嫌を取り、その後ミーティアを出発させた。


~~~~~~~~~


「そろそろ夜ですね、ハヤトさん......」

「そうだな。シュラ、宿とかとれないか? ......シュラ?」

「......いや、何でもない。ところで宿だったな。ここら辺には村や集落、町なども無い。だから野宿だ」

「マジか! ハヤト、どうすんだよ!?」

「いや、野宿だろ?」

「マジか......」

「ヴェル、諦めろ」


 何故か野宿を拒むヴェルクロムを説得して、小さな池の畔で野宿をすることになった。


 翌日、朝食後に皆で雑談をしていた。


「う~ん、以外に野宿って疲れがとれないな」

「まあ、地面がでこぼこですからね。仕方ないのです」

「結構、背中が痛くなりました」

「シュラは、野宿とか慣れてるんだな」

「まあな、お前たちと会う前は殆ど野宿だったからな。それよりハヤト、お前も前に野宿しただろう」

「いやまあ、そうなんだけどさ。あのときは成り行きだったじゃん」

「まあいい。それより、ヴェルクロムの顔色が良くないぞ」


 ヴェルクロムの方を見てみると、顔色が悪いと言うより、目元が少しやつれている。


「ど、どうしたんだ、ヴェル?」

「どうもこうも無い......眠れなかっただけだ」

「それは災難だったな」

「だから嫌だったんだ......野宿なんて」

「......何か壊れたな」


 ぶつぶつ言い出したヴェルクロムを放っといて、四人で話を進める。


「今日で、森人族エルフの森に大分近づくだろ?」

「ああ、多分な。だが、最低でもあと二日はかかる。それに加えて、およそだが今日もあのスピードで動かしたら、二日ほどエネルギーをチャージしなければいけなくなるだろう。その点も踏まえると、四日五日かかる」

「どうするべきか......?」


 ハヤトとシュラの二人で森人族エルフの森までのことを話していると、エルフィンドが話に入ってくる。


「突然すみません。ちょっといいですか、ハヤトさん?」

「ん? 何だ?」

「あの乗り物の動くからくりって、何なんですか」

「ああ、ミーティアの動力源は精霊石だよ」

「そうですか......」

「どうした?」

「いえ......もしかしたら、今日中に森人族エルフの森に到着出来るかもしれません。試してみてもいいですか?」

 

 エルフィンドの提案を聞いて、ハヤトたちも試してみることにした。



~~~~~~~~



「で、本当に出来るのか?」

「はい、多分可能です。精霊石を介して、霊脈からエネルギーを受け取れるはずです」


 エルフィンドの提案は、精霊石を介して霊脈のエネルギーを精霊石自体に貯蔵する、というものだ。実際、出来るかどうか判らなかったが、成功したようで何よりだ。


「それじゃ行くか、エルフィンド」

「はい!」


 ヴェルクロムを無理矢理"ミーティア"に搭乗させ、発進させる。


「ところで今更何だけど、こっちの方角で合ってるの?」

「問題無い筈だ」

「大丈夫です。合ってますよ」

「そうか、よかった」


 もし、道が間違っていたら後々面倒なことになるので、一応道を聞いておいた。


「ま、問題は殆ど無くなったし、後は森人族エルフの森に直行しよう。それで問題無いよな?」

「大丈夫だ」

「問題無いですっ!」

「意義なーし」

「僕も問題無いです」


 皆に行き先について問題無いかを確かめた後、エルフィンドに森がどうなっていたのか詳しく聞いた。


「エルフィンド、森が正体不明の毒に犯されているって、具体的にどうなっているんだ?」

「......僕たち亜人族である森人族エルフは、森と共存しているんです。森から霊力を分けてもらったりも、しています。ある日、黒く染まった木が発見されたんです。叔父がその木に触れた途端、叔父は気を失いました。お祖父様曰く、黒く染まった木から悪しき霊力が流れ込んできたのだ、と言っていました。この事から、黒く染まった木は"邪霊樹じゃれいじゅ"と呼ばれるようになりました。それが三ヶ月前の出来事。今では、森の七割を"邪霊樹じゃれいじゅ"が占めています。百人近く居る森人族エルフも、動ける者は二十人ほどにまで減りました。お祖父様やお父様も、"邪霊樹じゃれいじゅ"の気にやられてしまい、動ける大人は十人ほどです。他は僕のような子供で......だから、少しでも役に立ちたいと思って薬草を探しに行ったら、いつの間にか森から出ていて......」

「なるほど......と言うことは、毒と言うよりも瘴気に近いな」

「確かにそうだな。だが、瘴気は毒より厄介だぞ」

「何でだ?」

「毒なら薬草などで治せるが、瘴気は一種の病気だ。ポーションや回復魔法でも治せない。治す手段はただ一つ。聖霊詠唱などの退魔の呪だけだ。だが、それを使える者はここには居ない」

「そうか......大分やばくないか、それ」

「ああ、手段が無い......」

「やっぱり駄目でしょうか......」


 手段が無いことに気づいて、諦めムードになる。そんな空気の中で、ハヤトはあることに気づき、エルフィンドに質問をする。


「待てよ......なあエルフィンド、森人族エルフの森に張ってある結界って、物理的な干渉は無いのか?」

「いえ、結界は通ったら少し違和感を感じます。ぶつかったりすることは、無いですけど。それがどうかしたんですか?」

「......エルフィンド、お前は"気付いたら"森から出ていたんだろ。じゃあ、森から出たときに違和感は感じなかった、って言うことだよな?」

「! 確かに、違和感は感じませんでした。焦っていたから気づいていなかったと思いましたけど、よくよく考えてみると、違和感は感じませんでした......」

「待て、ハヤト。お前が言いたいことはつまり、森に張ってあった結界が無くなっていた、という事か?」

「その可能性は高いだろ」

「ハヤトさん、結界が無くなっていたら、どうなるんですか?」


 ラミアが多少話に付いてこれなかったらしく、質問をしてきたので、返答をする。


「簡単なことだ。誰でも森人族エルフの森に侵入出来て、尚且つ森を自由に出来る。細工なども出来るってことだ。」

「でも、森に侵入して細工をしたからといって、何がどうなるんですか?」

「......シュラなら判ると思うけど、《グランアーサー》の会場を襲った奴等が連れていた巨人が居るだろ?」

「ああ、そういえばそんな奴も居たな。確か......」

「"狂った巨人(バーサクジャイアント)"。俺は、あいつの中に嫌な魔力を感じた。どす黒い嫌な感覚だった。それに、"狂った巨人(バーサクジャイアント)"を使役してた奴が言うには、元は人間だったらしい。もし、人間をあの巨人に変えることの出来る薬品か何かを木に注入したら、木はどうなるんだろうか?」

「もしそんなことがあれば、森の木が薬品に侵食され、内側にそのどす黒い魔力が宿り、"邪霊樹"となるだろう。そして、森からその魔力を受けとれば、魔力に過敏と言われる森人族エルフは気を失う。......なるほど、道理にかなってはいるな」

「と、と言うことは、今回の事件は誰かが仕組んだってことですか! ?」

「多分、というかほぼ人為的なことで間違い無いだろう。それに今回の事件には、《グランアーサー》の会場を襲った奴等が絡んでいるだろう」

「そうか......」

「......まあ、奴等が絡んでくるとなると、戦闘は避けられない。しっかり、準備をしとかないとな」


 皆に一応戦闘の準備をしてもらい、何時でも戦えるようにしておく。皆が真剣に準備をしているのか、大分静かになった。そんな静かな"ミーティア"内に、ヴェルクロムの言葉が響いた。


「ハヤト、ラミア、シュラ、エルフィンド、見えたぞ。あれが、森人族エルフの森だ!」


 "ミーティア"の正面には、緑の葉を付けた巨大な森が在った。

 次回は、十二月五日に投稿します。

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