一つ目の真実
毎日空を見上げているとなんとなく分かったことがあった。
雲の動きや風の匂い、強さ、日々何処と無く違っている。
当たり前なのかもしれないが、今まで俺は仕事に追われて気にすることもなかった。
…いつもあいつはこの空をどんな気持ちで見上げていたんだろう。
そういえばあいつは、この後どうしていたんだっけ。
ふと疑問が過った。
あいつが居た頃の記憶を呼び起こして見ると、思い当たることがあった。
そういえば、時々俺に普段使う分ともう一枚タオルを持たせていた。
何故だったか、よくわからない。
そろそろ服についた葉や砂を払って仕事に行こう、小さく息をついて一度家に戻って玄関から家を出る。
「…いってきます」
あいつと過ごし始めてからもう習慣になっていた挨拶が、静かな家の中に虚しく響いた。
返ってくるはずの声は、もうない。
そして俺は言葉にできない感情を渦巻いたまま仕事へ行く。
仕事が終わり、帰ろうとした途端雨が降ってきた。家に着いてすぐいつものようにタオルを出そうとしたが、頭の中で何か引っかかるものがあった。
今まで、こんなときはどうしていただろう。
あいつがタオルを持たせる日…
そんな日は決まって仕事帰りに雨が降って、そのタオルを使っていた気がする。
そうやって思考を巡らせていると一つの考えが浮かんだ。
あいつは、雨が降る事を見越していた…?
家に上がる前にすぐ冷たくなった身体を拭けるように、タオルを持たせていたのか?
今日の空に感じた微かな違和感、いつもとは僅かに違う香り…
これが雨が降る前兆だと言うのか?
あいつは、いつもあの場所で天気を予想していた…?
…誰のためになんてわかり切っていることだろう。全て、俺の為だ。
今までは何もかも当たり前だった。雨の日タオルを持っている事も、あいつがタオルを持たせてくれる事も。全部…当たり前が当たり前じゃなくなって気づいた。
本当に、今更だ。
今更お前がくれた思いやりに気づいたのも、もう返す事が出来ない事に気づくのも。
何もかも遅すぎた。
あいつはもう、居ないのに。
え?タオルじゃなくて傘にすればよかっただろ回りくどいことすんなって?
だって傘って書くとわかっちゃうし…
というかこの世界に傘なぞあるのかって所から謎なんですよ。
だからタオルでいっかみたいな適当な考えです_(:3 」∠)_すいません
ジェイクの仕事がなんなのか、それは作者にもわかりません。しかし優秀なジェイクですから色々な仕事をしているんだと思います。
時には命に関わることも…
この話の世界は、つくりあげないようにするつもりなのでこんな世界なのかな?と想像してもらえたらいいと思っています。




