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掴みかけた光


重い瞼をゆっくり開くと、見慣れた天井が目に入った。


また、まただ…あいつの夢を見たのに大切な所で声が途切れて、何も聴こえない。

俺は一体なにをあいつと約束をしたんだ…?何故だ、わからない。



どうして……思い出せないんだ。



そんなに重要じゃない約束だったのか…?でも確かに幼い頃の約束だから他愛もない約束なのだろうとは思うが…



ふいに一人では少し大きく感じるベッドで身じろいて横向きになる。今まで、隣にあったはずの温もりが感じられないベッドの半分。


本当に自分の身体なのかと疑うほど言う事聞いてくれない身体に叱咤し、ベッドから出ると仕事着に着替える。


朝食に簡単なものを作り、冷え込んだリビングで黙々と食べた。

よくよく考えたら最近はあまり何を食べても美味しいと思うことがない気がする。味もあまり感じないような、そんな気がする。


だが料理は今までの作り方と何ら代わりないのだし気のせいだろう。



食べ終わった食器を片付けて僅かに残っていたカップの中身を飲み干すと、庭が目に入る。白い毛玉のような何かが視界に入ったので目を凝らして見るとあの白猫が空を見上げていた。


この時間、いつもあいつは汚れることも気にすることなく、寝そべっていた。

あの白猫が座る場所で、気持ち良さそうに…思えば猫のように気ままだったのかもしれないと思う。



今日の俺は何処か可笑しかった。

だからだろうか、あいつが居たその場所にあいつがしたように寝そべってみようかと言う気になったのだ。



ゆっくりと足を向けてその場所に立ち、横になってみる。



白猫は俺の行動に驚いたのか、ジッと俺を見つめた。そんな白猫を小さく撫でてから、空を見上げる。



「…綺麗な空だな」


そんな俺の独り言に答えるかのように、にゃあと白猫が鳴いた。



それからというもの、毎朝白猫と空を見上げるのが日課になった。









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