34/48
短編集No.034 色は匂へど
昔、極東にあったという国の言葉に「色は匂へど散りぬるを」という歌があったらしい。現地の言葉で「花は咲いてもいつかは散ってしまう」という意味だと昔聞いた。
ここフロンティアネクサスの世界では、多くの木々、花々が咲いている。
「いえーい、呑んでるー?」
ああ、また酔っ払いに絡まれた。
「呑んでますよー。もう、サザンカさんは呑み過ぎですから少し水でも呑んでください」
「美しい花だよねー。お花見っていうんだっけ?このピンク色の、かわいいやつ」
サザンカさんは気が済んだのか、別の場所へ移動していく。
それにしても本当に綺麗だ。
現実の花は咲いてもすぐに枯れてしまうから、あまり見る機会もない。
結局こんな感じにバーチャル花見が手っ取り早い。
そうだ、来週末は本物を見に行こうか。
そうと決まれば早速候補地を探してみよう。
サザンカさんを誘っていくのもいいのかもしれない。




