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短編集No.033 湖畔
ホラーは人の心の"角"にひっそりと住んでいるという。
現実世界ではすでに科学によって解明されたものも多いが、このフロンティアネクサスでは違うのだろう。
小楯とメイスを持ち、革の防具に身を包むアカリは、ネクサスの入り口にある湖畔を歩きながら考える。
ネクサスとは言え、この辺りであれば敵もさほど多くなく、まだ一人でも戦えるはずだ。
どこかで見た気がする、新作ホラー映画の予告編のような夕闇に染まる湖畔。
普通ならそれなりにいるプレイヤーも、ネクサスの入り口となれば旨みがないのか、誰もいない。
ふと、ポチャンと何かが水に落ちる音がする。
アカリは振り返るが、しかし何もない。
慌てて湖に駆け寄るも、何も浮いていない。
耳の奥でノイズがざわつく。
より一層闇が深まった気がする。
アカリは思わず駆け出した。
ネクサスの奥深くへ向かって。




