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短編集No.020 錬金

錬金術と聞くと、古代の非科学的な技術を思い浮かべる人も、いまだに少なくないらしい。

だが今や、原子構造を変える装置によって、非金属を貴金属に変換することさえ容易になった。

この装置の基礎技術自体は、百年ほど前にはすでに確立されていたという。

それでも長らく発展しなかったのは、単純にコストが高すぎたからだ——というのが通説だ。

だが現在では、構造の変換だけでなく、原子や分子の結合位置すら自在に操れるようになった。

それは、工業・医療・エネルギーあらゆる分野における革命だった。

そして俺は、今日もその高価な機械を、じっと眺めている。

高価な機械を見守る、安価な人間。

俺は、いつになったらその罪を償いきれるのだろうか。

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