19/48
短編集No.019 ドラゴン・ブレス
「掛かれ!」
ドラゴンがダウンした瞬間、リーダーの掛け声が響く。
ここは最果ての地・ネクサス。北の果てに無限に広がる無人の荒野──というのは、ゲームの設定だ。
それにしても、広いし敵も強い。
ゲームが始まってから二ヶ月ほどは、誰もこの地に到達できなかったという。
「煌めけ閃光、唸れ炎。それは法神の御力なり──ファイヤーランス!」
もちろん、俺も戦闘に参加している。
「ファイヤーマイン。法神の御力の恒久なることを」
ブリザードドラゴンの体力はみるみるうちに削られていく。
残りは、あとわずか。
『ウガアァァ──!』
最後の力を振り絞ったドラゴンブレスは、タンクによって堰き止められた。
そこへ近接職が一斉に詰め寄り、ドラゴンを囲んで総攻撃を叩き込む。
ついに、ゲージはゼロになる。
『Your WIN
称号【ドラゴン・ブレス】を獲得しました』
無機質なアナウンスが、俺たちの勝利を祝福する。




