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【聖獣機神ガオガオン】特A級AIエンジニア、手作りスイーツで美少女聖獣たちをテイムして最強機神のマスターになる件  作者: 月神世一


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EP 13

圧倒的ホワイト環境システム! 搾取企業を蹂躙せよ

『バ、バカな……! 演算不能アンノウン! 脅威レベル、測定限界を突破!』

新宿の夜空を黄金に染め上げる『聖獣機神ガオガオン』の威容を前に、三体のボス級魔将機が電子音の悲鳴を上げて後ずさった。

他者からリソースを搾取し、強引に継ぎ接ぎしただけのブラックなシステム(魔将機)にとって、玲王が構築した一切の無駄がない『究極のホワイト環境』の出力は、到底理解できるものではなかった。

『ギギギ……ッ! 排除、排除ォォォッ!!』

パニックを起こした三体のボス級魔将機が、全エネルギーを背部の砲塔に集束させる。

放たれたのは、先ほど防衛省の装甲部隊を紙屑のように吹き飛ばした、極太の赤黒い破壊光線。それが三本同時に、ガオガオンへと殺到した。

防衛省の地下司令室で、坂上が思わず息を呑む。

「いかん! あの質量、まともに直撃すれば新宿区が消し飛ぶぞ!!」

しかし、ガオガオンの胸部コックピットにいる玲王は、エルゴノミクスチェアに深く背中を預けたまま、コーヒーを一口啜った。

「玄武。重力シールド展開。出力は30%で十分だ」

『ふふっ……お任せを、マスター。私の果てしなく重いシールド、見せてあげますわ!』

ガオガオンの下半身を構成する玄武が駆動する。

足元から漆黒の重力場がドーム状に展開された。直後、三本の破壊光線が直撃――するかに見えたが、光線はシールドに触れた瞬間、まるで水飴に絡め取られるように勢いを失い、虚空へと霧散してしまった。

『な……!?』

司令室のオペレーターが絶叫する。

『ボ、ボス級三体のフルチャージ攻撃を、完全に無効化!? しかも、ガオガオンの機体温度は1度も上昇していません! 負荷ダメージゼロです!!』

「当たり前だ」

玲王は空中に展開した仮想キーボードに指を這わせた。

「俺が組んだ『絶対防壁アルゴリズム』は、あの72時間煮込んだビーフシチューと同じだ。すべてのエネルギー(旨味)を逃さず、内側に封じ込める。あんなスパゲッティコードの攻撃で、俺のシステムを貫通できるわけがない」

『ウソでしょ!? アタシらの体、あんなヤバいビーム食らったのにピクリともしないんだけど!』(白虎)

『ええ。私の冷却水も、まるで春の木漏れ日のように穏やかです。これが、特A級の福利厚生……!』(青龍)

ガオガオンの機体内で、四神たちが驚愕の念話を交わす。

これまでは少し動くだけで各部のエラーが頻発し、激痛と疲労に耐えながら戦っていた彼女たちにとって、玲王のOSがもたらす『快適さ』はまさに奇跡だった。

「さあ、反撃デバッグの時間だ」

玲王の指が、エンターキーをターンッ!と叩き抜く。

「朱雀。推進力スラスター出力80%。遅延ラグ0ミリ秒で敵の懐に肉薄するぞ」

『ハッ、しっかり捕まってなァ、俺のオーナー! 最高速のVIP待遇エスコートを見せてやるぜ!』

背中の朱雀ウイングが真紅の炎を吹き上げる。

全長50メートルの巨神が、物理法則を完全に無視した超音速のステップを踏み、一体目の魔将機の眼前へと瞬時にワープしたかのように距離を詰めた。

「青龍、キャッシュをクリアしろ。至近距離から叩き込め」

『承知いたしました。……これより、紅蓮のレーザーによる徹底的な業務改善デバッグを実行します』

クーデレOLの冷徹な声と共に、左腕の青龍の顎が開く。

超高熱の極太レーザーが、ゼロ距離から魔将機の顔面へと発射された。

ズドドォォォォォンッ!!

「ピィィィガァァァ……ッ!?」

分厚い特殊装甲ごと、一体目のボス級魔将機の上半身が綺麗に蒸発した。

「白虎、物理演算エンジン全開。そのまま右腕で二体目の装甲を引き裂け」

『オラオラァ! アタシの盛ったネイル(クロー)、舐めんじゃねーよ!!』

ギャルの白虎が猛る。ガオガオンの右腕が黄金の残像を残し、二体目の魔将機を十字に切り裂いた。

分厚い鋼鉄のボディが、まるで安いクレープの生地のようにズタズタに引き裂かれ、内部の回路が爆発して沈黙する。

「……信じられん」

防衛省の司令室で、若林幹事長が震える声で呟いた。

「我々の最新兵器が全く通用しなかったバケモノを、まるで子供の玩具を壊すかのように……!」

「真一、見ろ! 残る最後の一体が……!」

若林が指差したモニターの中。

残された最も巨大な三体目のボス級魔将機が、パニックを起こして後退しながら、背中の黒い管を周囲の街や、倒れた仲間の残骸にまで伸ばしていた。

『警告! 敵機体、周囲のありとあらゆるリソースを無差別に吸収しています! 熱暴走メルトダウン状態です!』

他者の魂だけでなく、仲間のパーツや瓦礫まで強引に取り込み、己の質量を肥大化させていく魔将機。

エラー音を撒き散らしながら巨大化するその姿は、プロジェクトが破綻しているのに無理やり人員を投入して炎上しているブラック現場そのものだった。

「……クソが。てめェ、まだ他人のリソースを搾取しようってのか!」

ガオンがコックピット内で激怒の声を上げる。

玲王の目の前を流れるコードが、赤黒い警告色に染まる。

他者を犠牲にして強引にエラーを揉み消す、最悪の自己修復プログラム。

「……反吐が出るな」

玲王の指先が、キーボードの上でピタリと止まった。

その声は静かだが、絶対零度の怒りを孕んでいた。

「リソースの使い捨てを前提としたクソコード。現場に負担を強いるだけの無能なシステム。そんなものが存在するから、世界が疲弊するんだ」

玲王は特注のPCメガネを外し、赤信号がマカロンに見えるほど限界を迎えている両目を細めた。

72時間の徹夜明け。極限の疲労の中で、彼の脳内を駆け巡るカフェインと糖分が、最後の『神業』を引き起こす。

「お前みたいなバグは、この世に1ビットたりとも残さない。……ガオン! 胸部の排熱ポートを全開にしろ!」

『おうよ!! 俺の怒りのボリューム、MAXでいかせてもらうぜ!!』

ガオガオンの胸部に位置する、巨大な黄金の獅子の顔。

その顎が、限界まで大きく開かれた。内部で極限まで圧縮された電磁波と神気が、球体となってスパークする。

「奴のシステムを、俺の『管理者権限』で強制停止フリーズさせる!!」

「獅子王の咆哮オーバー・ロア!!!」

ガオンの裂帛の気合いと共に、目に見えない圧倒的な音波と電磁パルスの奔流が放たれた。

それは物理的な破壊ではなく、魔将機の電子頭脳コアへ直接叩き込まれる『強制シャットダウン信号』だった。

『ガ……ギギギ……致命的エラー……システム、強制……終……了……』

暴走していた魔将機の巨体がビクンと跳ね、周囲に伸ばしていた黒い管がパラパラと砂のように崩れ落ちた。

全身の赤い光が消え、完全に麻痺し、機能停止状態に陥る。

「チェックメイトだ」

玲王は立ち上がり、右手を高く掲げた。

「バグは駆除デバッグする。……空間ストレージより、管理者用ウェポンを実体化」

空中のホログラム画面で『実行(Enter)』キーが叩かれる。

新宿の夜空が十字に割れ、そこから眩いばかりの神聖な光が溢れ出した。

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