Another Side 1
ガチャ
深夜だってのに、俺は健全な学生の学び舎たる学校には不釣り合いなモノ…サブマシンガンのマガジンをチェックする。
「チッ、後二本しかねぇや。こりゃどっかで調達しないとやべーな…」
「独り言でも厳禁っすよ隊長」
廊下の角に罠を設置していた後輩が、戻ってくるなり俺に注意する。
「わーってるよ。ったく」
「でも、もうすぐ日が出ます。それまでの辛抱ですから」
俺たちがこんな事をしているのには訳がある。
およそ十年前からこの学校に突如として現れる様になった【怪物】。
目的も生態も、何故この学校に現れたのかもわかっていない、正に怪物。
……まあ目的に関しては生徒会室に何かあるらしい事は分かっているんだが、それが具体的に何なのか、何故【怪物】がそれを狙うのかは教えられていない。
初めのモノは弱く、宿直の教員達で追い払っていたようだが、日に日に力を増していき、対処出来なくなってきた。
これを知った政府は事態を重く見たものの、警察や自衛隊などの公的な機関を使うと【怪物】の存在が露見しパニックが起こってしまう。
そこで政府は学校に孤児を受け入れさせた。彼らに武器を持たせ戦わせる事で、【怪物】を世間の目から隠す為である。
何故、孤児なのか。
万一死亡しても、隠蔽しやすいからだ。
まあ流石に学校内で対処出来なくなったら、警察なり自衛隊なりの特殊部隊が出動するだろう。
例え【怪物】の存在が露見してでも。
そんな訳で孤児だった俺は銃を握り締め夜の学校を走っているのだ。
無論報酬は出るし、それで孤児院に仕送りも出来るから不満は無いのだが、やはり死の恐怖は付き纏う。
元々が特殊な訓練を受けた兵隊じゃないのだ。
ただの一般人が、諸知識と射撃訓練を受けただけで銃を撃っているのだからそれも仕方ないだろう。
作戦中は単独行動でなく、一応背中を預けられ…るかわからんが、とにかく仲間の様なものがいる。
「隊長声に出てるっすよ背中から撃つぞこの野郎」
「冗談だ」
「もうっ!二人とも駄目ですよあまり喋っちゃ!委員長に怒られても知りませんからね!」
「いや多分お前が一番うるさいぞ」
三人の中で唯一所属が違う後輩が何か言っていた。
彼女は『保健委員』。
俗に言う衛生兵ポジションで、政府が秘密裏に開発してる薬品を支給されているのだ。
即効性や効果が良いのはいいんだが…いかんせん副作用がな……。
「…なんですか。嫌ならあげませんよ」
「いやとは言ってないけど」
と、その時、後輩の持っていた端末に反応があった。
「どうやら獲物が罠にかかったみたいだな」
「そうっすね」
「お二人とも、気を付けて下さいよ?例え薬品を使っても、死んだら直しようがないんですから」
『保健委員』の声を背中に聞きながら、俺達は【怪物】がいるであろう場所へ向かう。
なんたって、俺らはこの学校を守るヒーロー、『風紀委員』なんだからな。
「隊長、そのセリフ痛いっす」
「ほっとけ」
日常系からの唐突に転換




