やり直しの世界 2
「さて、思い出してもらった所で、どうするのじゃ? 今回は?」
「え? な、何? 今回?」
「そうじゃ。お主はそもそも、森崎夢に殺された。そして、ワシからの褒美ということで蘇り、逢沢杏と付き合って、また、殺された……どうするのじゃ? 今回は?」
「ど、どうするって……し、知らないよ。そんなの」
「ああ。言っておくが、前回、お主はワシのことを信じていなかったからなんとも言わなかったが、誰とも付き合わないで死ぬのを回避しよう、なんていうのはナシじゃ。その場合は強制的にワシがお主を殺すからな」
まるで考えを見透かしているかのように、神様はさらっと残酷なことを言って僕を見てくる。
ということは、つまり、僕は誰かしらと付き合わなくちゃいけないって、ことになる。
その場合、どうする? 誰と付き合うんだ?
なんだか、この2回の連続でこの世界中の誰と付き合っても殺されるような気分さえしてきた。
だけど――
「いいんじゃよ? 誰と付き合っても。あの幼馴染四人組の仲から一人選んでもいいし、それ以外でも。なんなら、女子という枠で人間でなくても構わん。そう例えば――」
「翼だ」
僕は誰に言うわけでもなくそう言った。
神様はキョトンとした顔で僕を見る。
そして、次の瞬間には呆れた顔で僕を見た。
「つ、翼? あの風早翼か?」
「ああ。そうだよ」
「あ、あ奴でよいのか? ま、まぁ……別にお主がいいならいいんじゃが……」
確かに意外かもしれない。
風早翼といえば、僕の幼馴染だ。
幼馴染全員が女の子、のはずなのだが、僕には昔から一人、男の子のような友達がいた記憶がある。
その男友達としての役割を担ってくれたのが翼だった。
だから、翼と付き合う、というのはそれこそ、男同士の親友が交際するくらい突拍子のないことかもしれない。
だけど……
「お主」
と、神様が後ろから声をかけてきた。
「な、何?」
「前に言った通り、お主の考えていることは大体わかるんじゃが……果たしてそうまくいくのかのぉ?」
「は? な、なんで?」
「ふふふ。まぁ、そこは自分で考えよ。ワシはあくまでお主に機会を与えてやるだけじゃからのぉ」
そういって神様の姿はまるで霞みのようにそのまま消えていった。
うまく行くも何も、失敗するビジョンが見えない。
翼なら全く問題ないのだ。だからこそ、僕は翼を選んだのだから。
そうと決まればさっそく行動だ。僕は小石川神社の長い石段を駆け下りていった。




