第24話 心のある敵
第24話
そんなある日の事だった。前回の敵が最後だったのか、1人も現れない。とうとう倒したか?
そんなこんな考えていると、天川神が話しかけて来た。
「天空神ちゃん。敵、まだ来ないね」
「はい。前回の戦いからまだ一度も敵が来ていないですが、敵は全滅していないと思います」
天空神はまだ敵が来ると予想した。敵が来ないのは、きっと何か企んでいる可能性がある。
(さっきから何か気配を感じる)
天空神が前を向いた瞬間、敵らしき人物が目の前にいた。いつの間にと言う暇もなかった。天空神は敵を倒したと思いきや、遠くから2体増えていた。
「俺が1体目の敵と戦うから、天空神ちゃんはもう1体をお願い」
「はい」
そして倒していく。2体の敵は倒したが、突然現れた1体の敵は天空神の背後にいた。振り向く間に攻撃された。
敵が目の前にいたので、天空神は風の様に強く押されて動けない位、地面に叩きつけられた。
「天空神ちゃん」
天川神の呼ぶ声と共に、自分の方に急いで近づいて来る足音が耳に入った。遠ざかる意識の中で天川神様と呼びたかったが、声どころか起き上がる事もままならない。
天川神が天空神の元はついた時にはもう、完全に気を失っていて、呼びかけても反応がない。今回は自分1人で敵と戦わなければならない。
天川神は天空神を安全な場所に連れて行くと、敵に向かって走り出した。敵は天空神が倒れて嬉しそうに笑うと、天川神に問い掛けた。
「この私に勝てると思っているのか?」
「俺は絶対に勝つ」
天川神は真剣な眼差しで答える。すると天川神は、目に追えないくらいの素早い動きで走る。 その行動に、敵は少し戸惑う。
「いでよ召喚獣、水攻撃」
その瞬間、敵の目の前に大きな水の陣が現れた。いつものとは違う。
「その攻撃と呪文、私は知っている。確か、召喚獣と言ったか」
いつ、どこで知られたのか? 天川神 は答えなかった。何故ならこの敵が屋敷に帰ってしまったら、全てを話されてしまう。
「何も言わないと言うことは、やはりそうなのだな」
「召喚玉と呪文はどこで知ったんだ?」
「私は昔、呪文を唱える物だと聞いた事がある」
「誰から聞いた?」
「それは、分からない」
教えた人物が分からなければ、何も出来ない。
「その人は悪党だったとかは覚えているか?」
「悪い人ではないのは、絶対間違いない」悪党の様に悪い人ではないなら、ひとまず安心だ。そう言えば、この敵はあれ以来攻撃して来ない。天川神の攻撃でも、見たかったのだろうか?
そんなこんなしていると、またもや1人の敵が現れた。今度は今にも攻撃してきそうだった。
「貴様はさっきから何をしているのだ。さっさとその神を倒せ」
そう命じるが、敵は首を振る。
「何故だ。神を倒すのが俺達の仕事だろう?」
敵は頷く事もなく、もう1体の敵を切り刻んだ。それを見て、天川神は驚く。確かにこの敵は悪そうには見えない。だとしても、何故だろう。
「貴様、何故だ?」
「私は誰かを倒す事は絶対にしない」
もう1体の敵は、2体目の敵を睨む。すると2体目の敵は、粉々の砂の様に灰になり消えた。
「何で、俺を攻撃しなかったんだ?」
「君の攻撃が素晴らしかったからだ」
「俺の攻撃が?」
「ああ、そうだ」
敵はこくりと頷く。
「それよりも、天空神と言う子は無事なのか?」
「天空神ちゃん」
天川神は全力で走り出す。
天川神は大急ぎで天空神の元に駆けつけた。
「天空神ちゃん」
いくら呼んでも返事がない。天空神はまだ気絶しているのだろうか。全く目を開けない。それとも眠っているのだろうか。天川神は不安になりながらも、天空神を部屋へと連れて行き寝かせた。
(目覚めて欲しいな)
天川神は天空神が今すぐにでも目覚める事を、心の底からたびたび願い続けるばかりだった。
そう言えば、部屋へ向っている途中に敵は姿を消していた。やはり、屋敷に戻ったのだろう。天空神を傷つけた事はともかく、これ以上悪さはしなかったので、天川神はひとまず安心した。さっき現れた敵が、他の敵にの事召喚獣を話さない事を祈り続けるのだった。
続く




