第23話 新たな力
第23話
1人であの敵と戦ってから、何日かが過ぎた。他の仲間達の傷も回復し、ようやく笑顔を取り戻した。
(皆んなの傷が回復して、本当に良かった)
天空神はそんな仲間を、遠くから見つめていた。 そんな時だった。ゴーと声を掻き消される様な、前に進む事すら出来ない位強い風が吹いた。 大きな窓はないのに、どこから入ったんだろうと思っていると、仲間達の悲鳴が耳に入る。
仲間が襲われかけていた。それを見た天空神は全力で走る。
(これ以上、傷付けさせない)
すると、目の前に今までの中でとても強そうな敵が現れた。今回の敵の攻撃は、風である。
戦う途中に何かおかしいと思った天空神は、敵に召喚玉の攻撃では効かない事に気付いた。
「今回の敵は、召喚玉では効きません」
「えっ、効かないの?」
「はい。あくまで予想です」
「じゃあ、何で攻撃すれば良いんだろう?」
戸惑う仲間達に、天空神は自信満々の顔をする。 何か伝わったのか、全員は小さく頷く。天空神は手を上に伸ばすと、新たな呪文を唱えた。
「全ての力を此処に宿す」
「あの呪文は、この世で1番強い呪文。何で天空神が知ってるの?」
この呪文は神が使うにしても、強すぎて危険だと言われていたので、知ってる人は少ない。そもそも強くて危険だと言い伝えられているだけで、誰1人として教えられてもいないはず。敵は天空神の唱えた呪文に飲み込まれ、消えていった。まるであれが、嘘だったかの様に。
「天空神ちゃん。あの呪文、どこで覚えたの?」
「呪文は、此処に来た時から知ってました」
きっと本で読んだのだろうと、天川神は確信する。まさか、此処で使うとは思わなかった。
「あんな力を持ってる敵、初めてだね」
そう言われれば、そうだ。いつもは剣か何がである。
「確かにそうですね。ですが、あの様に大きな力を持っている敵でも私は簡単に倒せます」
以前の敵が、“君は人類最強の神だ”と言っていた事を思い出して、懐かしそうに、ふっと笑う。正直、人類最強でとても強いと言われるまでは、自分が強い何て事は分からないなかった。でも今は、自分の実力はとても良く分かっており、主張出来る強さの人類最強の神である。だからこそ、皆んなを守りながら必死に敵と戦うのが私の仕事だ。そう、私は思っている。
「天空神ちゃん、強くて良いな。デイバーも倒せる位だもんね」
「天川神様も強いですよ?」
「実はね、天空神ちゃん。言ってなかったんだけど、俺これ以上、レベルが上がらないんだ」
どうやら天空神以外はレベルが上がっておらず、皆んなは今のレベルのまま止まっている。
「私だけレベルが?天川神様以外にも、他の天民様もレベルが上がらないんですか?」
「詳しくは分からないないけど、正直言うと俺、実力的にそんなに強くないんだ」
天川神の言葉に、天空神は驚いた顔をする。自分が強いと思わない神もいるんだと知った。
「そんな事は絶対にないです。私は今までずっと天川神様に沢山守って貰っていますから」
「確かに。敵と戦う時、俺と天空神ちゃんで、いつもお互いを守り合ってるからね」
天空神の一言に天川神は自信が付いたのか、笑顔になる。それを見て、天空神はホッとする。自分以外の神のレベルが上がらないのには、何やら言えない様な深い理由があるのだろう。天空神は天民のレベルの事で小さな疑問を抱きながらも、天川神と毎日の様に話していた。
「俺、天空神ちゃんと同じ位強くなるね」
「待っています。頑張って下さい」
天空神の言葉に、天川神は自分が強いと思える様になった。
「うん。頑張るね」
”自分と同じ位“と言われて驚く。天空神は天川神が自分と同じ位になるのを、楽しみに待っていた。もし私が王様なら、天民のレベルを上げようと思う。それが王様になった時の目標である。 いつまでも敵は出続ける。その為に私達は敵が倒れるまで戦い続け、敵の群れを滅ぼす。 最後の一人、最強の悪党を倒す。今は、それが私達の目指す道であったのだった。
続く




