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いつも読んでいただいている皆様、本当にありがとうございます。第五話ではユニークアクセスが久しぶりに二桁になり、読んでいただけた人が増えたことをとても喜んでおります。さて、第五話で問題を出した答えが、第六話の後半で分かりますのでゆっくり楽しんで読んでください。 

 神父とヒメジは教会より二十分ほど歩いて冒険者ギルドに到着した。二人が冒険者ギルドの中に入ると神父が受付にいる細身の若い女性に声をかけた。

「やあ。おはようございます」

「おや神父様、ここに来るなんて珍しいですね。どうかされましたか?」

「実はこの人、ヒメジさんというのですが冒険者ギルドに登録したいというので連れてきました」

「そうですか。それでは」

受付の女性は受付の机の引き出しから紙を取り出すとヒメジに渡した。

「この紙に名前を書いてください」

「ここですね。わかりました」

(へえ? 名前だけでいいのか。冒険者になるための試験があると思っていた)

ヒメジは受付の女性から紙と一緒に渡されたペンを手に取り、紙に『ヒ メ ジ』と書いた。

「はい、書きました」

ヒメジは紙とペンを受付の女性に渡すと、それを受け取った受付の女性は百科事典程の大きさの登録帳にシーリングワックスで紙の四隅を貼り付けた。その後、紙の上の中央と定期券ほどのカードに端をくっつけて一辺三センチメートル程の正方形の割り印を押した。

「はいこれで登録終了です」

受付の女性は定期券の大きさの登録証をヒメジに渡した。そして、いくつかの注意事項を話し始めた。

「依頼はあちらにある掲示板に貼られてあります。依頼にはSSS~Gまでのランクがあります。Gが一番簡単な依頼となります。それぞれのランクに応じて依頼を達成したときには報酬がもらえますが、失敗した時や、期間を過ぎて達成できない時には依頼を受けなかったとみなされ、掲示物に張りなおされます。達成したときには、ここつまり受付に依頼書と達成に必要なものを持ってくれば報酬が支払われますが、大きな金額の報酬は別の窓口でお支払いいたしますので私に声をかけてくださいね。さしあたっての説明は以上ですが、何かご質問はありますか?」

「依頼はSSS~Gのどれでも受けられるのですか?」

「ええ、受けられますよ。冒険者にはランクの昇進試験がありません。ランクの高い依頼を受けて達成すれば、そのランクが冒険者のランクとなります。ですから、Gランクを達成すればGランク冒険者、SSSランクを達成すればSSSランク冒険者とすぐになることができます。でも、無理をして高ランクの依頼を受けて成功すればいいですが、もし失敗したら命を落とすこともありますので、依頼は自分の能力をよく考えて慎重に選んでください。冒険者が依頼を失敗して命を落としても冒険者ギルドは何も責任を負いませんのでご注意ください」

「わかりました。説明ありがとうございます」

ヒメジは受付にお礼を言った。受付の女性は愛想良く、

「頑張ってください」

ヒメジに言葉をかけると、次の冒険者に声をかけた。ヒメジの後ろから神父が声をかけてきた

「これでヒメジさんも立派な冒険者ですね」

ヒメジは振り向いて、神父の顔を見た。そして、

「はい。冒険者になった実感はないですが、今日から頑張ります。お世話になりました」

お辞儀をしてお礼を言った。神父は笑顔で、

「それでは頑張ってください。何かあったらいつでも教会へ来てくださいね。それと宿屋は冒険者ギルドの隣にあります。比較的安い宿屋なので泊まりやすいですよ」

ヒメジに声をかけると教会へ帰り始めた。ヒメジは再び神父に向かって数秒間お辞儀をして顔を上げると、神父は冒険者ギルドから立ち去っていた。ヒメジは神父がいなくなっていることを確認すると依頼書が張ってある掲示板に向かった。そして依頼書の一つを手に取り読み始めた。

(あれ? 文字が読める。異世界で言葉や文字が理解できるなんて本当に助かった)

ヒメジは再び喜びながら、依頼書を一枚、一枚、ゆっくりと読んでいった。

『Gランク 倉庫の扉の修理 報酬 銅貨一枚』

『Gランク レンガの塀の修理(レンガは依頼者が用意している) 報酬 銅貨一枚』

『Fランク 薬草採取(イチレン草を五本) 報酬 銅貨二枚』

(どれにしようかな。読んだ三枚ともできそうだな)

ヒメジはどれか一つだけ依頼をしようと迷っていたが、

「よし決めた」

大きな声を言うと三枚とも手に取り、受付に向かった。周りの冒険者は、

「お調子者が」

「びっくりするじゃないか」

「礼儀を知らない坊やが叫んでいるぞ」

などの白い目を、大声を上げたヒメジに向けていた。


 「ただいま」

神父が大きな布の袋を手に持って教会に戻ってきた。

「お帰りなさい。ヒメジさんは冒険者になりましたか?」

「ああ、無事冒険者になったよ。彼は我々の救いの神です」

「そうよね。食べられるものも一昨日でなくなり、借金で首が回らなくなっていたものね」

「寄付がもう少し入ってくれば困らないのだが、最近、町は不景気で住民も生活するのが精一杯のようです」

「でも、借金もこれで返済できるし、食事もできるわ」

シスターはにこりと笑った。

「本当にそうです。もう奥にあるものはいらなくなりました」

「ええ、早く片付けましょう」

二人は奥の部屋に入っていくと天井を見上げた。先端が輪になっている縄が二本つられていた。神父は天井にある縄の結び目をナイフで二本とも切り落とし、部屋の隅に持って行った。その後、神父は布の袋から取り出したフランスパンを数個と牛乳が入ったガラス容器を数本テーブルに置いてシスターに見せた。

「おいしそうなパンだこと」

シスターは満面の笑みをこぼした。

「早速いただきましょう」

神父はそう言うと、シスターと食事の用意を始めた。


教会の謎? がおわかりになったでしょうか。べたべたの展開なので、皆さん答えを見る前から想像されていたと思われます。そうです、皆さんの思っていた通りです。皆さん、さすがですね。第七話でもヒメジは元気に活躍しますので楽しみにしてください。

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― 新着の感想 ―
ヒメジさんが無事に冒険者になれてよかったです。 いよいよこれからですね、ヒメジさんが活躍されていくのは。
2026/04/14 20:40 ゆーちゃん
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