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やっと五話まで来ました。慣れている方なら問題なくクリアできる回数ですが、文才のない人間は四苦八苦しています。さて、主人公が教会で過ごすのももう少しです。私から一つ質問です。なぜ、礼拝堂の奥に行ってはいけないのか少し考えてください。今回は答えは出ていませんが、近いうちに出したいと思っています。それではゆっくりと楽しんでください。

 「ただいま」

神父が戻った。

「お帰りなさい」

「お帰りなさい、神父様」

シスターとヒメジは長いすから立って、神父を迎えた。

「いかがでしたか?」

シスターが心配そうに売値を神父に聞いた。すると神父は笑顔になり、

「銀貨七枚で売れた。これで教会の修理ができるぞ」

「それはすごいわ。随分良い値段でうれてよかったわ」

神父とシスターは、その場で踊りだすのではないかとおもんばかりに飛び跳ねて喜んだ。

「ヒメジさん、本当にありがとう。少しもらいすぎだからこれを受け取って欲しい」

神父はヒメジの右手の手のひらに銀貨一枚を押しつけた。ヒメジは押しつけられた銀貨を握りしめると、

「いただいておきます。ありがとうございます」

ヒメジはお辞儀をして大きな声でお礼を言った。

「こちらこそ。ありがとうございます」

神父もお辞儀をしてお礼を言った。それを見たヒメジはもう一度お辞儀をした。お辞儀をしたヒメジを見て神父は再びお辞儀をした。ヒメジが再びお辞儀しようとした時に、シスターが急に笑い始めた。

「あ、は、は、は、二人ともいつまでお辞儀するつもりですか」

「え、そうですね」

「私もヒメジさんにつられてついしてしまいました」

ヒメジも神父も自分のしたことに気がつき吹き出した。そして、三人で思いっきり笑った。

「は、は、は、・・・」

やがて、笑いが収まると神父は不思議そうな顔をした。

「ところで私が出かけている間に、二人で長いすを修理してくれていたのですか?」

「いいえ、ヒメジさんと話をしていただけですよ」

「それでは、私たちが礼拝堂へ入る前にヒメジさんが直してくれたのですか?」

「ええ、まあ・・・。簡単なものなら直せます」

「お一人で結構な数の長いすを直してもらい、重ね重ねありがとうございます。随分時間がかかったのではないですか? もしや、修理のために夜中に起きられましたか?」

「いいえ、ぐっすり寝かせてもらった後で修理しました。時間もそれほどかからなかったですよ。私は子どもの頃から手先が器用なので、このぐらいの作業は朝飯前ですよ。その点はご安心ください」

「そうでしたか。それならよかったです」

神父は安堵の表情を浮かべた。そして、神父はヒメジの修理の出来栄えを見て納得して頷いていた。しかしヒメジは、

(嘘だよ。本当は子どもの頃から手先が不器用で、図画工作なんか学校の授業になかったらいいのにと毎日思っていたからね。全てオール クリエーションのおかげだよ)

心の中でつぶやいた。修理の話が一段落付いたところで神父はヒメジに尋ねた。

「ところでヒメジさんはこの後どうされるおつもりですか?」

「働く場所と泊まるところを探そうと思っています」

「そうですか。それだけの技能をお持ちならば、冒険者ギルドでお仕事を見つけるといいですよ。冒険者ギルドは討伐や護衛の仕事のイメージがありますが、どちらかというと簡単な住民の依頼の方が多いです。たとえば、手紙の配達や屋根の修理など。しかし、そのような依頼は駆け出しの冒険者でもない限り受けないので皆さん困っています。だから依頼料は意外と高いですので、そんな依頼を引き受ければ寝食には困らないですよ」

「本当ですか、それはありがたいです。是非、冒険者ギルドを教えてください」

「ええ、喜んで教えますよ。ただ、ヒメジさんはこの町が初めてですから冒険者ギルドの場所を口で言ってもわからないでしょう。私が案内しますので一緒に行きましょう」

「本当ですか。それは助かります」

「それでは行きましょう」

「ちょっと待ってください」

シスターが呼び止めた。

「どうしたのですか?」

神父は驚いてシスターに尋ねた。

「ヒメジさんは、地図を欲しがっていますので、奥から取って参ります。少し待ってもらえますか?」

「そうでしたか、地図の置いてある場所はシスターより私の方がよくわかっている。私が取ってきましょう」

神父がそう言うと、奥の部屋に歩いて行った。

「本当に大丈夫かしら。あの人おっちょこちょいだから、この前に整理して地図の場所を変更したこと忘れていないかしら。心配だから私も探してくるわ。ヒメジさん少し待っていてくださいね」

シスターも奥の部屋へ歩いて行った。


 この礼拝堂は珍しく柱に鏡が掛かっていた。鏡の大きさは直径が五十センチメートルの円型で周りには何も飾りがついていなかった。一人になったヒメジは礼拝堂の壁に掛かっている鏡の前に立った。

「異世界に来てハンサムな男になっているかな? ん! 五十代で髪の毛に白い物が少し混じっているやや面長の顔、中肉中背より少し細身で身長が高い男のまんまじゃないか。女性にもてたことのない、人の良さそうな性格が顔に表れている。この顔で、お人好しだと思われ何度も女性にだまされてきたか。時にはお金まで・・・。そんなことはどうでもいい。前の世界では嫁さんが見つけられなかったので、こちらの世界では絶対に結婚してやる!」

ヒメジは鏡を見ながら力強く拳を握りしめて自分自身に誓った。ヒメジが鏡を見ている間に、神父とシスターが礼拝堂に戻ってきた。神父がヒメジに近づいて、

「お待たせしました。これが地図です」

旅行のパンフレット程度の大きさで十ページになる地図帳を神父はヒメジに渡した。

「ありがとうございます。でも、これをもらっても本当にいいのですか?」

ヒメジは新聞紙程度の地図を想像していたので詳しく載っている地図帳をもらったことに驚いていた。

「こんなもの、冒険者ギルドへいけば安く売っていますから、気にしないで受け取ってください。それより冒険者ギルドへ参りましょう」

「はい、行きましょう。シスター様、大変お世話になりました」

ヒメジはシスターに向いてお辞儀をすると、すでに歩き始めている神父の後についていった。

「どういたしまして、お二人とも気をつけて行ってらっしゃい」

シスターのやさしい声が後ろから聞こえた。


少しずつ主人公の人相や人格がイメージ湧いてきましたか。私もやっとヒメジという主人公を皆さんにお伝えできたと思っております。このおじさんが、これからどのような冒険をするのか思案中ですが、はらはらどきどきするような物語ではないことだけはお約束します。どちらかといえば、ほのぼの、ホットリ、時々ワクワクの物語にするつもりです。次回も近いうちに投稿しますので楽しみにしてください。

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― 新着の感想 ―
ヒメジさんが来たことによっていろんなことが良い方向になってゆくようで、ほっこりとうれしい気持ちになります。 これから何が起こっていくのか楽しみです。
2026/04/12 20:03 ゆーちゃん
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