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いつも愛読ありがとうございます。今日は町巡りをします。戦争がどうのこうのと殺伐な話より楽しいかなっと思います。のんびり読んでください。
ギルド長は受付の男性を呼び出し、手紙を渡した。
「これを城主様に届けてくれ。すぐにだ」
受付の男性はすぐに部屋を出た。その後、笑顔でヒメジに話しかけた。
「お待たせしました」
「ギルド長さん、ご多用ですね」
「ええ、最近物騒なことが起こりかけているので、ごたごたしています。ヒメジさんはご存じでしょう」
「南の町の冒険者ギルド長から話は少し聞いております」
「シックスス国の動向が鍵となっております。我々はその動向を探っておりますが、随分騒がしくなってきています」
「そんなことを、冒険者の私に言ってもよろしいのでしょうか?」
「いいですよ。どうせ、ヒメジさんも感づいているでしょう」
「そうですね。出来れば戦争にはなって欲しくないのですが」
「私たちもそう思っています。しかし、シックスス国の冒険者ギルドで連携しても国王の気持ちを変えることは出来ないでしょう。フォース国との外交交渉を期待するしかありません」
「その外交交渉は上手くいっているのですか?」
「わかりません。我々には詳しい情報が入ってこないので正確なことは分かりません。ただ、噂では外交が上手くいっていないということは耳に入っています」
「それは残念です。戦争になれば、人々の暮らしに影響があるのでフォース国王が外交で回避するように祈っております」
「私たちもそう願っております。しかし、シックスス国が兵隊をフォース国へ動かすにはもう少し時間がかかるでしょう。今日、明日で戦争は起きませんよ。ご安心ください、しばらくは東の町は安全ですよ」
「そうですね。それでは、もう少し東の町を楽しんできます」
「そうしてください」
「ギルド長さん、失礼いたします」
「お疲れ様でした」
ヒメジは冒険者ギルドを出た。
ヒメジが次に向かったのは薬屋だ。
「おはようございます」
「いらっしゃい」
「南の町から頼まれた薬を持ってきました」
ヒメジは店主に薬を渡した。
「ありがとう。報酬だほら」
渡されたのは薬草の本Vである。
「ところでお前さん、薬作りの天才だってな」
「天才と言うほどではありませんよ。へ、へ、へ、」
(もっと褒めて、天才だなんて言われたことがない。もっと褒めてくれ~)
「そこで、お前さんに依頼だが、上等のハイポーションと、上等のハイポイズンポーション、それに上等ハイナチュラルポーションを十八リットルの薬瓶で三つずつ作ってくれないか?」
十八リットルの薬瓶を九つ渡された。ヒメジはすぐにカバンの中でつながっているアイテムボックスに入れた
「いいですが、どうしてそんなに必要なのですか?」
「このあたりを治めている領主がポーションを買い漁っているので、高く売り込めるチャンスなのだよ。お前さんには少し色をつけるからよろしくな」
(本当に色をつけてくれるのかな? あやしいな。今までの経験上、この店主達にはろくな目にしかあったことがない。用心することに超したことはない)
「分かりました。作ったら持ってきます」
「よろしく頼むな。お前さんには期待しているぞ」
「ところで、やっぱり戦争が起こるのでしょうか?」
「さあな。一般庶民には確かなことはわからないが、そういう噂があるな」
「じゃあ、私はこの依頼がすみましたらすぐに安全な場所に逃げます」
「おう、その方がいいぞ、お前さんはどう見ても生き残れなさそうな顔をしている」
(生き残れるかどうかは顔で判断されるのか? それなら、たしかに私はいの一番で倒される無名の一般人の顔だな。いいや、それはおかしい。人の顔で何でも判断することは。断固反対だ!)
「顔で判断しないでください」
ヒメジは抗議した。
「すまない。すごく気の弱そうな顔をしているからつい、いじってしまった」
「失敬な」
「じゃあ、薬を頼むぜ」
「わかりました、近いうちに持ってきます」
ヒメジは薬屋を出ると市場に行った。最近は町に行くとこのギルド・薬屋・市場をまわるようになっているお決まりコースだ。市場では南の町で仕入れたウイスキーを売りに酒屋に行った。
「こんにちは」
「いらっしゃい」
酒屋の店主が奥から現れた。
「酒を買い取って欲しいのですが、いいですか?」
酒屋の店主はヒメジが何も持っていないのでいぶかしげな顔で質問してきた。
「どのようなお酒で?」
ヒメジは店主の顔色を見て、
(疑っているな)
思っていたが、自信を持って答えた。
「南の町で作られたウイスキーです」
「何年ものですか?」
「二十五年とは聞いています」
店主は、
(怪しい、きっとまがい物のウイスキーを持ってきたのだろう)
疑っている顔をした。
「試飲させてもいいですか?」
「樽で用意していますので、ここでは出せません。どこか広い場所はありますか?」
「それなら、店の裏庭でどうですか?」
「はい、そこで試飲してもらいます」
店主の後をついて行きヒメジは店の裏庭に着いた。
「店主さん、グラスを取ってきてもらえますか?」
「わかりました、少しここでお待ちください」
店主がグラスを取りに行っている間に酒樽をアイテムボックスから取り出した。
「お待たせしました。え? いつの間にか酒樽を持ってきたのですか?」
「それは秘密です。それより、さあ飲んでください」
ヒメジは、店主からグラスを受け取ると樽からウイスキーを注いだ。芳醇な香りがあたり一面に漂い、素人のヒメジでも高級品だとわかる代物だ。グラスに注いだウイスキーを店主に渡すと、店主は匂いをかぎながら一口ウイスキーを飲んだ。
「うまい」
店主は驚いた顔をした。そして、ヒメジの方を向くと笑顔で話した。
「おお、これは二十五年物のウイスキーに間違いない。この芳醇な香りと味わいが証明している。これは是非いただきますぞ。一樽大銀貨二枚でどうですか?」
(買値が大銀貨一枚だから大銀貨一枚分のもうけだ)
ヒメジが頭の中で計算している間、よほど品物が欲しいのだろう、店主はヒメジが値段に渋っていると思って少し上乗せしてきた
「それなら、一樽大銀貨二枚と銀貨二枚でいかがですか。これ以上は無理です」
(え! 銀貨二枚分増えちゃった。もちろんそれでOKです)
ヒメジは思った値段より高く売れたのでうきうきした顔をして答えた。
「はい、それでお譲りしましょう。なん樽必要ですか?」
「十樽いただきましょう。お持ちでしょうか?」
店主は是非とも欲しそうな顔で話しかけてきたので、
「大丈夫です」
ヒメジは笑顔で了承した。それの返事を聞いた店主は嬉しそうな声で、
「それでは金貨二枚と大銀貨二枚を持ってきますので商品をお願いします」
言って、ヒメジの返事も聞かずにすぐに奥に入っていった。
「承知しました」
ヒメジが言ったが、目の前にはもう店主はいなかった。仕方がないので、店主がお金を取りに行っている間にアイテムボックスから酒樽を残り九樽取り出した。
(あわてんぼうの店主だな。よほどこのウイスキーが欲しいと見える。確かにこれだけのウイスキーをこの値段で仕入れることなど難しいからな。以前ネットで調べると一樽大銀貨三枚はしたからな。売れば一樽で銀貨八枚のもうけになる)
そう考えながらヒメジは店主を待っていると、急いで、店主が戻ってきた。
「お待たせしました。代金です。ご確認ください」
ヒメジに代金を渡した。ヒメジも、
「ここにウイスキーの酒樽を十用意しました。ご確認ください」
言って、双方とも品物と代金を確認した。ヒメジも店主も確かめると、
「確かに代金をいただきました」
「こちらも酒樽を十いただきました」
それぞれが声を出して、二人で確認した。問題ないことが確認すると、
「それではこれで失礼いたします」
ヒメジはその場を立ち去った。
「ありがとうございました」
酒屋の店主も満面の笑みで挨拶をしてヒメジを送り出した。ヒメジはこの後、数件の酒屋に行って、全部で五十樽程度のウイスキーを売った。
(思った以上に売れたぞ、今日一日で金貨六枚のもうけだ)
ヒメジは薬以外の品物で最高の金額を売り上げてうきうきしていた。そして、ヒメジはご機嫌のオーラを纏って、にやけた顔でスキップをしながら移動した。そんなヒメジを見た小さな子どもが母親に、
「あのおじさん、変な歩き方しているよ」
小声で話をすると、母親は、
「しい~。静かに。あんな変なおじさんに関わってはいけませんよ。知らんぷりしなさい」
子どもの口をふさいだ。ヒメジはそんな風に見られていることには気がつかずに、市場のパン屋、肉屋、果物屋をまわって、食料を買い込んだ。食料が尽きかけていたのと、いつもよりご機嫌だったので大量に買って大銅貨三枚程度も払った。そして、長期の旅でも飢えることがないように準備した。その後、ヒメジは、宿屋の食堂へ向かい、昼食を食べたあと、午後は薬草採取に出かけた。以前には採取していないところへ出かけたため人手がついていない場所なので、いつもより多くの種類の薬草を採取することができた
いかがでしたか?主人公がウイスキーで随分儲けましたが、こんな才能を持たせても良かったのか作者として悩んでいます。もう少し三枚目の主人公にしなければ。




