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いつも愛読ありがとうございます。物語に出てくる各国の地理ですが、フォース国の東側にシックスス国があり、フィフス国はフォース国とシックスス国の北側にあると思ってください。三カ国は国境を接している国でお隣さんという設定です。
二人は宿屋の食堂へ行き、世間話をしながらビールを飲み始めた。
「カンパ~イ」
二人はビールのジョッキを高く上げて軽くぶつけた。その後ジョッキを口に持って行くとグビグビとビールを飲み始めた。
「プッハ~。おいしい」
ショコラが言うと、
「喉が渇いたときのビールは本当に上手いですね」
ヒメジも同意しながら言った。二人はビールと肉料理を追加注文して、ビールを再び口に運んだ。そして、ジョッキにあったビールを全て飲み干した。ヒメジはジョッキをテーブルの上に置くと、ショコラに話しかけた。
「今日は一日、時間が経つのが早かったです」
「ヒメジさん、薬の話で夢中になって、随分話に熱が入っていましたよ」
「そう言いますが、私には薬しか取り柄がないですからね」
「そんなことはないですよ。でも、ヒメジさんの薬の話を聞くのは楽しかったですよ」
「そうですか。薬の話なんて面白くないと思うのですが、そう言ってもらえると嬉しいです」
ヒメジがそう言った後に、食堂の店員の女性が、
「お待たせしました」
ビールを持ってきてテーブルの上に置いた。二人は、それに手を伸ばしてビールを飲み始めた。ヒメジはゴクンゴクンとジョッキの半分ほど呑んだ後で、ジョッキをテーブルの上に置くと、
「ショコラさん、今日は順調に東の町に到着しましたね」
ショコラに話し始めた。
「そうですね。今日は野盗の襲撃がなかったからですよ」
「そういえば、一昨日まであったのに昨日、今日はなかったです」
「今日、襲ってこなかったのは私が乗ったから、野盗もおびえていたのでしょう」
「そうですね、ショコラさんのおかげです」
「感謝したまえ、ヒメジさん」
「はっは~」
ヒメジは頭を下げると同時に二人は笑った
「あ、は、は、は」
そして、この日も二人が話を終わったのは深夜になってからであった。
翌朝、ヒメジは二日酔いになったので回復薬を飲んでから冒険者ギルドへ行った。
「頭がまだ痛い。薬飲んだのにおかしいな」
ぶつぶつつぶやきながら、冒険者ギルドに入って行った。ヒメジは受付の男性に挨拶をした。
「おはようございます」
ヒメジは、元気がない声で言った。
「おはようございます。どうしたのですか? 元気がないですね」
「昨日飲み過ぎまして、二日酔いです」
「薬は飲まれましたか?」
「ええ、回復薬を飲んだのですが、まだ、頭痛がするのですよ」
「それはお気の毒です。まあ、お薬を飲んだのでしたら、少し休憩すれば治るでしょう。あちらのいすで休憩しますか?」
「いいえ、ギルド長へ渡す手紙をお持ちしましたので、会わせていただけますか?」
「分かりました、少しお待ちください」
受付の男性が奥に入っていった。しばらくすると戻ってきて、
「ギルド長がお会いになるそうです。こちらからお入りください」
ドアを開けてギルド長の部屋に通してくれた。
「おはようございます。ギルド長さん」
「おはよう。そういえばヒメジさんは初めてだね」
「そうでしたね。ギルド長さん初めまして」
「こちらこそ、よろしく」
「早速ですが南の町の冒険者ギルド長さんより手紙を預かってきました。これです」
ヒメジは手紙をギルド長に渡した。手紙を受け取ったギルド長は封を開けるとすぐに目を通した。そして、自分の机で手紙を書き出した。
「急ぎの手紙ですので、ヒメジさん少しお待ちください」
「おかまいなく」
そう言いながら、ヒメジは昨日定期便の中でショコラと話をしたことを思い出した。
「このままシックスス国と戦闘になったらフォース国は勝てるだろうか? どう思う、ヒメジさん」
「私は、よその国の者だからどちらが勝っても関係ないですが、私にしたシックスス国の所業には許せない。是非フォース国に勝って欲しいです」
「ヒメジさんは、面白い人だね」
「ショコラはどちらが勝つと思いますか」
「戦力的には同じで、シックスス国は騎兵隊が中心の編成。フォース国は歩兵隊と弓兵隊が中心の編成。平原ではシックスス国が有利。山岳ではフォース国が有利。戦場をどちらにするかによって違うでしょう」
「ということは、シックスス国が国境を越えたすぐの山岳地帯で開戦することが、フォース国の勝利の条件になるのですか?」
「そうです。しかし、そうなるとどこから侵攻するのかが大切になる。大きく分けて三カ所から侵攻してくる可能性があります。一つは南の町の近くに山道がありますが、ほとんど人が通らず獣道のようになっています。ここを騎馬隊で通行しても弓兵隊の格好の餌食です。また、東の町の北を迂回しフォース国に入る方法もありますが、ここはフィフス国を横切ることになります。しかし、フィフス国は同盟を結んでいない国にそのような軍事行動を許さないでしょう」
「シックスス国がフィフス国と同盟を結んでいる可能性は?」
ヒメジは疑問に思ったことを聞いた。
「それはないでしょう。フィフス国はフォース国と双子国で建国したときの兄がフォース国、弟がフィフス国の国王になって以後、親密な関係が続いています。ですから、フォース国を裏切る行為はしないでしょう」
「それでは残りの侵攻ルートはどこですか?」
「おそらくは東の町の東にある山岳地帯を通ってくるでしょう。昔からフォース国とシックスス国の交易ルートになっているので山岳地帯でも道路は整備されています。騎馬隊であってもスムースに移動できる道だから侵攻するならそのルートでしょうね」
「そのルートなら、フォース国は負ける可能性があるのですか?」
ヒメジは少し不安げに質問した。
「負けるとは言えませんが、苦戦するかも知れませんね」
「それは困った。何かいい作戦はないかな・・・」
「そんなときに、ヒメジさんが作った薬があれば百人力です」
「どうしてですか?」
「東の町の東にある山岳地帯を進行してくるルートでは、大部隊を展開できないので、前線で少数同士の戦闘が継続的に行われ、おそらく消耗戦になると思います。その時に兵力を薬ですぐに回復することが出来れば、その兵力を再び戦線に投入することで、兵力差を作ることが出来ます」
「ということは、私は・・・」
「そう、ヒメジさんが味方になる国に薬を作れば、その国は勝つ可能性が高くなります。つまり、この戦争のキーマンになることは確かです」
ショコラはヒメジがフォース国に協力してもらえることを期待しているように話をしていた。
「でも、私は戦争にはあまり興味がないです。出来れば、戦争なんてなくなればいいと思いっています」
「すぐになくなりますよ」
「どうしてですか?」
「ヒメジさんが薬を作って協力する国はきっと勝つでしょうから。そうなると、次第に国力が高くなります。すると、その国がさらに回りの国々を従えるようになり紛争も無くなっていくでしょう」
「ひょっとしてショコラさんは、私にフォース国へ協力して欲しいと思っているのですか?」
「正解です。さすがヒメジさんですね。その通りです。フォース国がシックスス国に勝って併合すれば、ファースト国、セカンド国に次いで第三の国力を持つ国になります。是非協力してもらえたらいいなあっと思っております」
「しかし、そんなことしても、私には何のメリットがありません」
「大丈夫ですよ。ヒメジさんが薬を作れば、フォース国からのお礼はヒメジさんの思いのままですよ」
「ということは・・・」
「そうです。地位も、お金も、女も思いのままですよ」
そう聞いたヒメジは頭の中で・・・を考えて鼻の下を伸ばした。
「まあ、考えておきます」
「戦争になれば、よろしくお願いしますね」
「ヒメジさん、もう少しお待ちくださいね」
ギルド長が手紙を書き終えて封筒に入れた。
いかがでしたか。「女も思いのままですよ」と言われた時の主人公の表情を詳しく書きたかったのですが、あまり詳しく書きすぎると単なるエロ親父になってしまうので「鼻の下を伸ばした」だけにしておきました。ただ、伸ばした鼻の下は象の鼻ぐらい長いと思ってください。




