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いつも愛読ありがとうございます。今回はショコラとの会話のシーンだけですが、これからの物語に関わる大切な回にしています。のんびりゆったりと読んでください

 「・・・と、言うことで、今じゃ私は村の英雄さ」

ショコラは自慢げに話した。

「私と全然違う。うらやましいですねショコラさん」

ヒメジは少しひがみながら言った。しかし、そこらはそんなヒメジのことなどお構いなしに、

「そうなのですよ、ヒメジさん。宿屋の若い女性が私を見る目。あれは絶対に私に気がある目つきですよ」

鼻高々に言った。ヒメジは確かに顔を赤らめながらショコラを見ている女性の顔を見て、その通りだと思った

(ショコラさんはいいなあ~。私はショコラさんとは裏腹に、私は暗殺者の男性にもてて、もてて、襲われたからな。ついてないよ。一度でいいから女性にもてたいな)

不機嫌そうな顔を見たショコラは、ヒメジを元気づけようとからかい始めた。

「ヒメジさん、女性にもてたいという顔をしていますよ」

「なぜそう思うのですか」

「だって鼻の下が伸びていますから」

そう言われてヒメジは自分の鼻を右手で隠した。そして、ショコラに苦情を言った。

「ショコラさんは意地が悪い。ご自分がもてているからといって人をからかわないでください」

「あ、は、は。すみません。酔ってしまって調子に乗ってしまいました」

「本当にそうですよ。勘弁してくださいね。本人はショコラさんが思っているより落ち込んでいるのですから」

「五十代のヒメジさんでも落ち込むことがあるのですね。これは失礼いたしました」

ヒメジはこれ以上、この話題続けると更に落ち込みそうだったのでゴブリン退治の話に話題を変えてショコラに話しかけた。

「でも、ゴブリン退治について、うまく作戦を立てましたね」

「そうでしょう。自分でもびっくりしているのですよ。私が飼っている犬が驚いたら前に逃げたのを思い出して作戦を立てただけですよ」

「私も後ろから驚かせたら前に逃げてしまいますよ」

「ヒメジさんも犬と同じですね」

「犬と一緒にしないでください」

「ヒメジさんをいじるのは面白いです」

「年上の人をいじることはやめてください。失敬な」

「あ、は、は、は、すみません。それでも、生き物をあやめるよりは、一緒に笑って過ごす方がいいでしょう」

「そうですね。命あるものを殺したくはないです」

「そうそう」

「ところで、フォース国とシックスス国が戦争になるかも知れないと聞いています。できれば死傷者がいないで決着がついて欲しいです」

「本当にその通りですが、ヒメジさんは、死傷者がでない良い考えがありますか?」

「そうですね、私は負傷者に回復薬と万能薬を飲ませられたら死傷者がいなくなるのにと思っています」

「それは素晴らしい考えですね」

「へ、へ、へ。尊敬してください」

「ヒメジ様、お見それいたしました」

「くるしゅうない。ところで、私はこれでも薬作りの天才で、回復薬と万能薬を作るのが得意でして」

「では、教えてください。本当はどの程度の回復薬や万能薬を作れるのですか?」

「それは・・・」

「もういいじゃありませんか、正直に教えてください」

「実は上等のハイポーション、上等のナチュラルポーションを作ることが出来ます」

ショコラは言葉を失った。王都で上等のナチュラルポーションが出回っているは知っているが、それを作った人物が目の前にいる。ショコラはしばらくの間ヒメジを見つめていた。

「ショコラさん、ショコラさん。どうかしましたか?」

ショコラはヒメジの呼びかけで我に返った。

「すみません、ヒメジさんが価値のある回復薬と万能薬を作れるので驚いていたのです。それでヒメジさんは薬をどれだけ用意できますか?」

「戦争で必要な量ですよね。いくらあればいいですか?」

「そうですね。互いに十万人ずつ戦うとして単純で回復薬と万能薬が二十万ずついりますが、少し余裕を持たせて三十万必要になると思います」

「まあ、そのような作れる場所と材料があれば私にとっては簡単なことですよ」

ヒメジは自慢げに言った。

「素晴らしい、ヒメジさん」

ショコラは感心していた。五十代にもなると年下から褒められることは滅多にない。ヒメジはショコラから褒められたので、少し恥ずかしくなった。照れ隠しで

「おっと、酔った勢いで、余計なことを言っちゃったみたいですね。そろそろ、部屋に戻ります」

その場から立ち去ろうとした。それを察したショコラは、最後に一つだけ質問した。

「今日は楽しい話をたくさんできました。明日は東の町の定期便に乗るのでしょう?」

「ええ」

「私も、乗りますので、この続きは明日しましょう」

「そうですね。それではお休みなさい」

「おやすみなさい」

二人は自分の部屋に戻ってすぐに眠った。

       

 翌朝、天気は少し曇っていたが、ヒメジは日の出とともに起きて食堂へ行った。食堂で朝食を待っているとショコラが降りてきた。

「おはようございます」

「ヒメジさんおはよう」

「今日は眠たそうですね」

「昨日、飲み過ぎたみたいです」

「私もそうです。しかし、年寄りになるとどうしても早起きしてしまいます」

「ヒメジさんはまだそんな年ではないでしょう」

「いえ、もうそんな年です」

眠たそうにしている二人が朝食をとると、部屋に戻って旅支度をした。ヒメジは懐に小銭を入れた巾着袋だけ入れて、残りの荷物はカバンも含めて全てアイテムボックスに入れた。ヒメジが宿屋の玄関に出るとショコラが待っていた。

「あれ、ヒメジさんカバンがないですがどうかされましたか?」

「はい、野盗に襲われて、全部取られましたので、手ぶらになっちゃいました。昨日、会った時も手ぶらでしたよ」

「そうでしたっけ」

「まだ酔っ払っているのですかショコラさん」

「すみません、まだ残っているみたいです」

などと会話をしながら、定期便の乗り場に行った。乗り場ではもうすでに護衛の冒険者が集まっていた。二人は定期便に乗ると話し始めた。

「ヒメジさん、昨日の続きですが薬作りには何が必要ですか?」

「そうですね、道具として釜か鍋が必要です。材料は新鮮な水と回復薬ならイチレン草。万能薬ならゴレン草が必要です」

「三十万必要になると、どれくらいの薬草が必要になるでしょうか」

「十八リットルで薬草が一本必要だと言われています。二十ミリリットルで九百人分になるので三十万割る九百で三百三十四本が必要になります」

「三百三十四本ですね。大変な量ですよ」

「そうですが用意できたら作れます」

「まあ、国中探せばそれぐらいは見つかるでしょう。でも、どうして上等のハイポーションや、上等のハイナチュラルポーションを作れるのですか?」

「それは秘密です」

「企業秘密というやつですか。上等のハイポーションや上等のハイナチュラルポーションはなかなか作るのが難しいと言われています。それを、用意できるヒメジさんの能力は素晴らしいです」

「そうですか? 私にとっては普通ですが」

「それが普通ではないのですよ。いいですか、いくら達人と言われている薬師でも上等のハイポーションを作成する確率は十年に一度と言われているのですよ。普通の人は一生作ることは出来ないのです。それを、いとも簡単に作れるとはまるで神様のような能力ですよ」

「そうなのですか。まあ、秘伝の作成方法を使えば、楽勝ですが」

ヒメジは褒められているので嬉しそうな笑顔でにやにやしながら話をしている。ショコラは続けて、

「回復薬や万能薬以外の薬も作れますか?」

「ええ、毒薬や能力向上などの薬も作れますよ」

「やはりそれも秘伝の方法を使えば上等の薬を作れるのですか?」

「もちろん作れますよ。ちなみにこれが上等のポイズンポーションです」

ヒメジはアイテムボックスが通じている上着のポケットに手を突っ込んで二十ミリリットルの薬瓶に入ったポイズンポーションを取りだした。

「これが、上等のポイズンポーションですか。綺麗な紫色ですね」

「そうでしょう。これが体内に入るとどのような動物でも一分も持ちませんから、取り扱いには気をつけなければならない代物です」

ヒメジは少し自慢げに言い放った。ショコラはそれを聞いて、再びヒメジの能力に驚いていた。こうしてヒメジは薬の話に夢中になり幌馬車の動いていることに気がついたのは、半分ほどの道のりが過ぎた頃であった。

「そういえば定期便が動いていますね。気がついていませんでした」

「ヒメジさん、もう随分前から動いていますよ。薬の話題になるとヒメジさんは目を輝かせて話をするので、気がつかなかったのでしょう」

「そうですね。つい話に夢中になりすぎて時間が経つのに気がつかなかったようです」、

「ヒメジさんらしいや」

「ところで話は変わりますが・・・」

その後も話を続けて、気がついた時には東の町に到着していた。


いかがでしたか? 今回は会話中心でしたが、これから戦争が始まるのか始まらないのか・・・。どうしようか考えてているところです。楽しみにしてください。

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