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いつも愛読ありがとうございます。野盗に襲われた主人公は・・・。物語の続きを楽しんで読んでください。

 村に向かう道をヒメジたちが延々と歩いている頃、夕方に到着するはずの定期便が来ないことに次の村では大騒ぎになっていた。

「村長、定期便が来ない。何かあったのでしょうか?」

村人の一人が村長に話しかけた。

「さあ、分からない。しかし、野盗にでも襲われていなければいいのじゃが」

村長が答えると、

「もし襲われているのなら大変なことだ。よりにも定期便を襲うなんて、フォース国を敵にまわすようなものだ」

「すぐ警備団や冒険者ギルドに報告して野盗を捕まえてもらおう」

「いや、捕まえるだけじゃだめだ。定期便を襲ったのだから、その場でやっつけてもらおう」

村人が口々に声を上げた。それを聞いた村長は、村人を静めるために大きな声で叫んだ。

「まあ、まて。まだ野盗に襲われたと決まったわけではない」

村長はここで一呼吸置いて再び大声で、

「しかし、今は定期便の乗客の安否が心配じゃ。若い衆を何名か派遣して定期便を見てきてもらいたいが、誰か行ってくれる者はいるかのう」

叫ぶと十数名の若者の手がすぐに上がった。

「私たちが行って、様子を見てきます」

「もうすぐ日が暮れるが、頼んだぞ。絶対に無理はするな。野盗と出会っても戦わずに戻ってくるのじゃぞ」

村長が言うと、手を上げた若者で一番年上の男が、

「任せてください村長。じゃ、みんな行こうか」

叫ぶと、手を上げた若者全員が、

「おう」

答えた。各自、愛馬にまたがると、村の広場に集合し、一斉に北へ馬を走らせた。


 「皆さんここで休憩しましょう」

道の真ん中で十数人の男女が座った。歩き始めて八時間。おのおの疲労の顔が濃くなった。辺りはすっかり暗くなり、月明かりを頼り歩いてきたが、曇って周りが見えなくなったので、もう歩けないと判断した騎手とヒメジは相談して野宿をすることにした。二人で交代して寝ずの番をすることにした。最初はヒメジの番だ。火を起こしたかったがすべての物を奪われているため、それはできなかった。その代わり、ヒメジは老眼のためか? 遠くの物がよく見える。目をこすりながら、三百六十度見渡し、危険な動物がいないか番をした。しばらくすると寝ている人から寝息やいびきの音がしてきた。

(みんな緊張して眠れないかと思ったが、疲れと私が寝ずの番をしている安心感からぐっすり寝ている。いいことだ)

ヒメジはそれらの音を聞きながら微笑んだ。そして、

(全員無事で良かった。あと半日頑張れば村に着くので、それまではどんなことがあっても一人もかけることなく送り続けるぞ)

決意した。やがて曇っていた月が再び現れてまわりが少し明るくなった時に、急に寝息やいびき以外の音がヒメジの耳に聞こえてきた。

「あれ、何の音だろう?」

ヒメジは辺りを見回した。しかし、月明かりがあり、目がいいヒメジでも遠くは暗くてよく見えない。ヒメジは耳を道につけてみた。すると、

「パッカ、パッカ、パッカ、パッカ」

と複数の馬の走る音がする。

「うわ~」

ヒメジは叫んだ。その声を聞いた騎手や一部の男女が起き上がり、

「どうした」

「どうしたんだ」

「何かあったのか」

声をかけてきた。

「前から、馬の足音がたくさん聞こえてくる」

ヒメジは叫んだ。

「皆さん起きてください」

騎手は叫んだ。そして、騎手とヒメジは乗客を守るように先頭に立った。やがて、馬の走る音は次第に大きくなり、ヒメジの目でも馬の姿を大きくはっきり見ることができる距離まで近づいてきた。


 馬に乗った男たちは前方に男女の集団を見かけるとスピードを緩めて近づいた。

「皆さんは定期便の方々ですか?」

若い男が声をかけてきた。

「はい、そうです。野盗に襲われて歩いてここまで来ました」

騎手が答えた。

「無事で良かったです。私たちはこの近くにある村の者です。助けに参りました」

それを聞いて、乗客は、

「助かった」

「よかった」

互いに抱き合って喜んだ。若い男は続けて、

「皆さん何人いますか?」

尋ねてきた。

「十一人います」

「他には襲われた現場に残してきた人はいますか?」

「いえ、全員ここにいます」

「けが人はいますか?」

「いいえ、いません」

騎手は答えた。

「わかりました、一人ずつ我々の馬に乗ってください。一緒に馬に乗って村まで運びます」

それを聞いて、乗客は順番に馬の手綱を持つ男の後ろにまたがった。やがて十一名全員が馬に乗ったところを確認した若い男は、

「村へ出発」

大きな声でかけ声をかけた。周りの男たちの

「おう!」

の言葉で、一斉に馬は村に向かって走り始めた。


 しばらく馬で走ると、村に到着した。まずは全員宿屋の食堂に集まりパンとコーンスープと肉料理の温かい食事を振る舞われた。一日中何も食べていなかった乗客には、大変うれしい村人からのプレゼントだった。

「ところで皆さん、とんだ災難でしたが詳しい話を聞かせてもらえるだろうか。定期便は我々村人にとっても食料や日常品、知人からの手紙などを運んでくれる命綱のような存在じゃ。それが襲われたとなると、我々の命にも関わる。どうかおしえてください」

村長が話しかけてきた。

「もちろんです」

騎手は今までのできごとを詳しく説明した。彼が気絶しているときに起きたことはヒメジが話をした。

「そうですか。野盗に心当たりはありますか?」

「長年定期便をしていますが、見たことがない連中です」

騎手が言った後、村長はヒメジを見た。

「私も初めてです。しかし、全員胸に白い羽をつけていました。何か関係があるのでしょうか」

「白い羽ですか。おい、村の衆、白い羽をつけた野盗を知っているか?」

「知らないな」

「分からない。そんなの見たことがないぞ」

村人が首を横に振っていたが、その中で手を挙げる村人がいた。

「あの~。白い羽をつけた野盗は知らないけれど、ホワイトフェザーならシックスス国の紋章だぜ。子どもの頃、親と一緒に旅をした時に、シックスス国の王都で白い羽を胸につけて行進パレードしているところを見たことがある」

若い男が話した。

「なるほど、白い羽はホワイトフェザーか。それならシックスス国の紋章に間違いない。しかし、シックスス国がなんで戦争になるようなことをしたのかわからぬ。とりあえず領主様には報告しなければ」

村長はそう言った後、若い男に向かって続けて、

「私は今から書状をしたためるので、すぐにでも南の町に届けて欲しい」

頼んだ。頼まれた若い男は、

「承知いたしました」

気持ちの良い返事をした。

「あの~。南の町へ行くのなら、私も乗せてもらえませんか? 冒険者ギルドから依頼があって南の町へ手紙を渡しに行きたいのです」

ヒメジは村長に頼んだ。

「本来なら乗せてやりたいところじゃが、今回は許してくれ。急ぎの連絡なので今晩にでも出発してもらうつもりじゃ。あなたは疲れているから、出発するなら明日の朝にしなされ。南の町は徒歩で一日のところにある」

「わかりました、ご忠告に従います」

ヒメジは残念だと思いながら素直に引き下がった。

「今日はお開きにしよう。それでは皆さん、食事が済みましたら、宿屋にお部屋を用意しておりますのでゆっくりお休みください」

村長は言うと手紙を書くために自分の家に帰っていった。他の若い者も各自の家に帰った。ヒメジは食事が終わると用意された部屋に入りベッドで横になった。そしてヒメジは目をつぶった瞬間、一日の疲れが一気に出てそのまま寝てしまった。


いかがでしたか? まだハッピーエンドで終わらせるつもりはありません。もう一波乱起こそうかなと考えております。次回を楽しみにしてください。

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