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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 その遺跡の秘宝が何だったのかを彼らは知らない
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その泉が枯渇した理由を、僕は知らない

 バッシャーン。と擬音が出る程の水しぶきをあげて僕は湖、いや地底湖? に落下した。

 一層分だったので大した距離はなかったのが幸いだ。

 水深が余り無かったのでもう少し高所からだったら死んでてもおかしくないくらいだ。


 僕が落下したところは丁度飛び込み台のあるプールと同じくらいの深さで、アルセの身体が丁度隠れて頭のてっぺんが水面に来る、うん、丁度アルセが居る場所はアルセの背丈くらいの深さなんだね。

 というか、草しか水面に出てないけど、息は大丈夫か?


 よくよく考えればアルセはアルセイデス。植物の魔物である。

 草の部分が頭の上であることからして、その下部分であるアルセってもしかして身体全部根っこってことだろうか?

 いや、それでも湖の水に浸かるのは根腐れを起こしかねない。


 僕は水の中を平泳ぎしながら水上に葉っぱが咲き誇っている場所へと向かうと、その根っこを両手で抱え上げる。

 水面にアルセが出て来た。

 大当たりだ。


「お、おーっ」


 驚いたというよりは助かったみたいな顔をしてきゃっきゃと喜ぶアルセ。

 とりあえずアルセを連れて湖を脱出する事にした。

 湖の畔に向い、アルセの足元が水に浸かるくらいの位置に彼女を置くと、もう一人の犠牲者を探す。


 ミイラ少女はどこにいるのか全く分かりません。

 いや、分かるわ。

 ものっすごく分かりやすいモノが水面に顔を出している。

 そう、金色に輝くモッコリ様だ。


 水面の揺らめきで水から出たり隠れたりしているが、どう見てもミイラ少女の持っていたチェーンソウである。

 僕はその先端部を頼りに近づいてみる。

 透明度が高い湖な上に周囲の壁はヒカリゴケか何かの特性により昼間のように明るい。

 その為、近づくほどにそこに何があるのかよくわかった。


 水中に、ミイラ少女が横たわっていらっしゃる。

 真上を真っ直ぐ見つめた状態で。

 当然、覗きこんだ僕と眼が合った。


 軽くホラーです。

 覗き込んだ水中には眼を見開く少女の姿。

 直立不動を真横に倒し、チェーンソウの先端だけを真上に向けて水の中で微動だにしておりません。


 僕はどうしたものかと戸惑ったモノの、結局はミイラ少女の身体を抱き上げることにした。

 グッと両手で抱き上げようとするが、重い。

 いや、ミイラ少女の方はぷにもにゅんとして柔らかい少女特有の質感だ。問題はチェーンソウ様である。


 こいつが重しになって少女が持ち上がらない。

 仕方ないので少女の手をぺしぺし叩いてチェーンソウを手放させた。

 そして水面から抱き上げ、ようやく彼女+水の重量が僕のか細い両腕に圧し掛かる。


 普段アルセを抱えてるとはいえ、お姫様抱っこで同じ背丈の子を抱えるのは……?

 ……ぷにもにゅん?

 いや、自分おかしいぞ。ミイラ少女を抱き上げたはずだ。かっさかさ。かっさかさやぞー! ってくらいにミイラミイラした身体でなければおかしいはずだった。


 現に、落下の手前までは全身がしなびたようなミイラ少女。

 しかし、泉から抱き上げた少女の身体は、ミイラではなかった。

 まるで金の斧か銀の斧かを正しく答えて手に入れた最高級の斧みたいな透き通る白の素肌を持つ少女の裸体が解けた包帯を纏ってそこにいた。カシャッ。……CGが追加されたようです。追加されるタイミングが全く分からない。


 意味不明である。

 泉に落下したらミイラの身体が復活したようです。

 この泉、そういう効果があるんだろうか? 

 となると、この水をクーフに与えれば……?


 アルセが気のせいか僕らに近づいている。

 いや、アルセ自体は水辺で足をバタバタさせているのだが、その対象となる水が枯渇して行くように消えていってるんです。

 結果、アルセが水面を追うようにして僕らのもとへとちかづいているのでした。


 もしかして、湖の容量が限界に近かったのだろうか?

 そうこうしているうちに水かさが見る見るうちに減っている。

 アルセが首を傾げながら僕らの方へと寄って来る。

 というか、アルセ、この水吸い上げてませんか?


 無くなってしまう前に水を汲まないと。

 でも、どうしよう。水を留める何かが全くないぞ。

 このままだと水が完全に無くなりそうだ。もう既に僕の膝元まで水位が下がっている。


 ポシェットに入らないかな?

 ……あ、入った。

 水が消えていく謎現象。僕のポシェットにそのまま入っているのですが、これ大丈夫?


 気が付けば、湖は完全に枯渇してしまい、大陸棚のような大地が広がるだけだった。

 どうもここは遺跡の床を設置していないらしい。

 それはいいのだけど、水位が下がるような場所、無いんだけど。

 排水溝みたいな穴も存在しないし、僕のポシェットにも100リットルくらい入っただけで、残りは自然に消えてしまった。

 どこ行ったんだこの水?


 後には艶やかな肌の少女にクラスチェンジしたミイラ少女と水溜りが無いか周囲を探るアルセしかいなかった。

 このメンバー、僕が統率しないと向こうと合流できないのでは?

 子守を任された父親の心境です。

 ネフティア

  種族:古代人 クラス:フレッシュゾンビ

 ・オリハルコン製チェーンソウを装備。柩は主人公のポシェットの中。

  団子頭+ツインテールの藍色の髪を持った少女。自分のデスマスクを装備している。

  謎の泉の水の力で昔の身体を取り戻した可愛らしい少女。色が青白いのは生命活動が行われていないため。

  無口なので何を考えているかはわからないが、アルセと仲が良く奇妙な踊りを踊っている。

  握力3000越えらしい。

  コーカサスの森北西部にあるセルヴァティア王国跡にある墳墓に設置された柩から出現した。水晶勇者の娘? らしい。


  装備:デスマスク・オルハリコンのチェーンソウ・古代のぼろ布

  スキル:奇妙な踊り

      アイテムボックス

      奇妙な乱舞

  種族スキル:フレッシュゾンビ属性

        暗黒属性無効

        神聖属性耐性

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