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異世界チート魔術師(マジシャン) 作者:内田健

第四章:見聞を広めようとしたらやっぱり色々巻き込まれました。

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お待たせしました。
イーダサとコセイ、そしてミジックのフルボッコタイムです。
二話分あるので長いです。
 手元の時計で時刻は午後八時二五分。夜の団らんを過ごす時間帯だ。営業中の酒場や食事どころが集まる地区は喧騒に包まれているところだろう。そこから喧騒も届かないくらいに離れた閑静な富裕層向けの住宅街。そこにある一軒の屋敷に向かって、太一たちは歩いていた。もう目の前に、煌々と明かりの灯った大きな屋敷がそびえている。

「止まれ。何者だ」

 鉄格子の門の前に立っていた門兵二人に止められる。かつてのように突破するつもりはないため、素直に立ち止まる。

「コセイとイーダサに会いに来た」

 太一は前に出て二人の門番に近寄り、胸元を抉るような直球で用件を述べる。
 そんな物言いでは相手にされないのを分かっていながら。

「貴様、ふざけているのか。帰れ」

 突き飛ばすかのような相手の態度。太一は懐から羊皮紙を取り出し、門番に突き付けた。

「読んでみろよ」

 武器でも出すかと警戒した二人だったが、目の前に出された二枚の羊皮紙の内容に目を通すうちに、顔色が悪くなっていく。
 太一が突き付けたのは、先程寄った情報屋から受け取った証拠の複写のうちの一部だ。
 つまり、コセイとイーダサの不正の証拠である。それを捏造と片付ける事はできない。決算書類にはガルレア家のみが使用できる家紋が押印されており、もう一枚は明らかにコセイとミジックの直筆と思われる採決のサインがされた、決算書類とは異なる金額が記された見積書。
 太一たち三人が、ガルレア家次男と三男の不正の証拠を持って、殴り込みに来たのだと門番は悟る。そして何より、自らが仕える伯爵家の者が不正に手を染めているという現実が、彼らを打ち据えていた。

「信じられないか? くれてやるから、本当かどうか本人たちに聞いてみたらどうだ」

 そう言って羊皮紙から手を離す太一。ぱさりと地面に落ちた。
 門番の二人は顔を見合わせる。自身の価値観が揺らいでいるのだろう。太一としてはこれ以上彼らに言うことはない。下っ端をいくらいじめてもなんの解決にもならない。それでも、彼らに深刻な顔をさせることはできる。その表情と、手にした羊皮紙が、太一たちとコセイ、イーダサを繋ぐ架け橋となるだろう。やがて自分達では判断しきれなかったのか、一人が羊皮紙を拾って屋敷の中に入っていった。
 太一はそれを黙って見送る。じきに、話が分かる(・・・・・)者が出てくるだろう。
 待つことしばし。予測に違わず、先程の門番と、もう一つの人影。建物からの逆光で遠目ではシルエットしか分からなかったが、近づくにつれ、その人物が話をするに足る相手だと判別できた。
 立派な執事服に身を包んだすらりとした体格。穏やか表情に巧妙に隠蔽された鋭い眼差し。この屋敷にいるガルレアの名前を名乗る資格がある者のいずれかに仕える執事であろう。
 お互いの顔が見える距離になり、執事は目を一瞬だけ細めた。

「当家に御用というのは貴殿らですかな?」

 洗練された挨拶とともに、相手に威圧を与えない穏やかな声。そこに熟練の技が見え隠れする。貴族に仕える執事は求められるものも多く一般市民には程遠い存在だが、同じく一般人とはどう控えめに見ても呼べないであろう太一たちには気にする理由がない。
 太一が「そうだ」と言いつつ首で肯定を示す。

「畏まりました。ではご案内差し上げます。こちらへどうぞ」

 再度の礼と共に執事が来た道を戻り始める。
 太一は後ろを向く。太一の視線を受けて、奏とミューラが頷いた。
 ここまでは想定したいくつかのシミュレーションのうちの一つを辿っている。
 背後でミューラが「風はあたしたちに吹いてるわね」と小声で呟いたのを、太一は辛うじて聞き取った。
 執事に連れられて屋敷の中を歩く。実に豪奢な内装だ。品がないとも言えるが。これみよがしに飾られた調度品は、壊せばいくら弁償させられるのか想像すらつかない。壊さないように注意しなきゃな、等と考える太一との距離は一メートル以上離れている。その辺りでは小市民な太一だった。
 だだっ広い屋敷の中を歩いて案内されたのは、これまた広い応接間だった。
 足が沈み込む程の絨毯と、金と銀で装飾された豪奢なテーブル。向き合った二対のソファーがそれを挟み込むように設置してある。
 王宮の応接室に迫る勢いだが、一つだけ言えるのは、その品において王宮に劣るということだ。

「こちらにお座りください」

 執事がそう言って頭を下げる。言われるまま腰掛けると、応接間の入り口とは別の扉から給仕が出てきて、素早くお茶を準備した。手際もかなりいい。
 コセイとイーダサはともかく、働いている者は伯爵家の名に恥じないと言っていい。
 招かれざる客であることは明白。何らかの策が巡らされているかもしれない現状、出された飲み物にも気を付ける必要がある。毒を検出する薬はあるが、どこに目があるか分からない以上、下手な真似をするわけにはいかない。相手が突っ込んでこれるような隙は極力作らないに越したことはない。現在は魔力を使用した索敵を行っているのは奏のみ。太一とミューラは自分達の気配探知能力に頼っている。そしてその探知によって、こちらを監視する一人分の気配が、太一たちに届いていた。
 想像通り、かなりの手練れを思わせる気配の隠匿。それを探れるのだから、太一たちの探知能力も侮れない。だが、それに慢心するのは危うい気がするのだ。

「じき、こちらに参ります。暫しお寛ぎくださいませ」

 退室した執事は実に丁寧な応対だった。三人は言葉を交わすことなく、ここまで何度も復習してきた内容を思い返す。一枚岩となって思考することで、誰かのフォローを誰かが即座に行えるように。
 数分か、それとも数十分か。数えたわけではないので正確には分からないが、少しばかり待った後、扉がノックの後に開かれた。

「お待たせしたな、客人」

 太一たちはソファーから立ち上がって扉の方に身体を向ける。
 入室してきたのは二人。顔は整っている方だと思うが、いかんせんその陰険そうな目付きが全てを台無しにしている二人。と、片方がこちらを見て顔をひきつらせる。太一と奏は顔をひきつらせた方がコセイだと理解した。
 では、何となく人のかんにさわる口調で入ってきた方がイーダサか。

「何分急だったものでな。かかり中の仕事を止めるわけにもいかず、キリがいいところまでやらざるを得なかったのだ」
「気にすんな。大して待っちゃいない」

 不躾極まる太一の物言いである。
 プライドの高そうなイーダサとコセイにはさぞかし耐えかねると思ったが、予想に反して二人は平然としていた。
 本当に効いていないのか、それとも痩せ我慢なのか。それはこれから分かることだ。

「ふむ。田舎者の子供に相応しい品のない言葉遣いだな。まあ、面白い手土産の褒美に許してやろう」
「それはどうも」

 初戦は引き分けか。
 続いて二回戦だ。

「さて、お前たちが持ってきた手土産だがな。実に愉快だった。気に入った」
「気に入ってくれたなら何よりね」

 イーダサの言葉に、ミューラが答える。彼らから自己紹介が無いが、どちらがどちらかなどどうでもいいことである。彼らが影武者という可能性は捨てきれないが、それはそれでいい。本人を引っ張り出す方法は用意してある。

「驚いたよ。まさかあんなものを捏造して、あらぬ中傷をしようとする輩がいるとはな」

 なるほど。どうやら太一たちの言い分を言い掛かりとして出方を見るということか。
 もちろん、相手のリアクションもどうでもいいことだ。長々と持久戦をする気は毛頭ない。

「あら。門番が持っていった羊皮紙が捏造だと?」
「あれほど精緻とはね。節穴の目では見抜けんだろう」

 すべてが捏造というわけではない。
 彼の言葉が強がりか知らないが、一部は正解である。
 そう、あの門番に渡した一枚は、情報屋のつてで拵えた本物の複写。そういう意味では、捏造と言えなくもない。
 だが、あれは本物から作り上げたものだ。本物かどうかの認定はあの喰えない老婆のお墨付き。疑う余地はない。

「ふうん。どら息子ざこかと思ってたけど、少しは話せるのね」

 ミューラは酷薄に笑う。
 その姿に眉を少し上げたのがイーダサ。
 ひゅっと息を鋭く吸って顔色を悪くしたのがコセイ。どうやらコセイにとって、ミューラはトラウマであるらしい。

「先程から随分と礼を失した物言いをするな。ここがどこだか分かっているのか?」
「もちろん。あたしたちは安っぽい挑発をしてるのよ」
「……」

 つまり、反応したイーダサの敗けである。

「あれは確かに偽物よ。でも、根拠なしで作った訳じゃないわ」

 そう言って、ミューラは懐から羊皮紙を取り出した。

「これが、本物」

 ぴらりと出されたのは、先程門番に見せた羊皮紙の二枚組と同じ物だ。
 いよいよ胸中穏やかではなくなってきたのか、イーダサが顔をしかめた。

「ついでに、これがあなた方が言う捏造で作り上げた原本の複写」

 奏がテーブルに羊皮紙を何枚も放った。それはミジックとコセイが密約した不正の証拠の数々。
 それだけの原本が太一たちの手元にあるという証左である。
 イーダサはとっさに言葉が出せなかった。これはイーダサにとってゆゆしき事態である。太一たちが本当に原本を持っているのかが分からない。偽物だと高をくくっているが、本物である可能性をどうしても捨てきれない。ここにある羊皮紙に記載された数字のいくつかは、イーダサにも見覚えがあったからだ。
 結果、イーダサには適切な反撃の言葉が生まれなかった。その沈黙が何より雄弁に語ると分かっていて尚。

「さて。俺たちの主張の種は明かした。これから、本題だ」

 口を開きかけたイーダサに、言葉を発する機会を与えない。

「ミジックと手を切ってもらう」

 太一はそう言い切った。それを聞いたイーダサは、しばし沈黙し。

「くっくっく……あーっはっはっは!」

 豪快に笑った。

「何を言うかと思えば。全く。これだから田舎者は。私たちの力を知らぬからそんなことが言えるのだ」
「……」
「不正? だからどうした。私たちが潤うことは、この世の理だ。なぜか分かるか? それは私たちに与えられた権利だからだ」

 イーダサの言葉は止まらない。ついに立ち上がり、唾を飛ばさん勢いで捲し立てる。

「私たちの力を持ってすれば、お前たちのような有象無象がどれほど足掻こうが、その上から握り潰すのは容易いのだ。随分と頑張ったようだが、徒労だったな。そんな羊皮紙は何の意味もなさない。紙切れだ。ゴミだ。クズだ! なぜか教えてやる! 私たちが、全てを葬るからだ!」

 随分と興奮したのだろう、イーダサは肩で息をしていた。
 イーダサの激昂が生み出した独壇場に幕が下りる。
 応接間を沈黙が支配した。
 視線をぶつけ合う三人対二人。やがて、太一が顔を真上に向けた。

「だそうだけど。陽炎さん」
「聞いていたよ。その発言は捨て置けんな」

 突如背後から声が聞こえて、イーダサとコセイが硬直する。
 そして、動けない理由がもう一つ増えた。イーダサとコセイの喉元に、銀色に光る短剣の先が突き付けられていたからだ。

「お、お前は……」
「ほう。流石にわたしのことは知っていたか」
「か…………陽炎…………」

 全身を、視界を確保するため目の部分以外は全て漆黒の衣装で包んだ陽炎。

「その資料はわたしが入手したものだ。お前たちは、わたしの仕事にケチをつけるというのか?」

 男なら脳髄を溶かされるような甘い声色で、ちっともそれに見合っていないことを口にする陽炎。下手に怒気を込められるよりもいっそ恐ろしい。

「そ、そんなつもりは……」
「無いのか。わたしが入手し、わたしが作った複写なのだがな」
「……」

 陽炎の仕事を悉く貶したことにようやく気付いたイーダサ。複写をしたのは彼女ではないのだが、その真偽を確かめる勇気は、二人にはなかった。先程までの威勢は一瞬にしてなりを潜めた。
 アズパイアで太一たちが英雄扱いされているように。レミーアが『落葉の魔術師』として敬意を集めているように。ここシーヤックで一番の実力者と、知る人ぞ知る陽炎。
 陽炎に逆らうべからず。逆らいし者には、惨い結末が待っているだろう。
 それは、アンダーグラウンドを知る者にとっては、最早不文律だった。
 陽炎は己の仕事に高いプライドを持っている。それを貶めるということは、即ち彼女の生きざまを否定することだった。

「あ、そうだ。お前ら勘違いしてるようだから教えておくけど」

 相変わらずソファーに座ったまま、太一がのんびりと言う。

「さっきの『ミジックと手を切れ』ってやつ。あれさ、要求じゃないから」
「は……?」
「命令だから。拒否権を与えたつもりはねえよ?」
「貴様、何を……」

 言いかけたイーダサの口が強制的に止まる。
 部屋の外が随分と騒がしくなったからだ。

「陽炎さん流石ですね。あの短時間で手配したんですか」
「金を受け取った以上、仕事はきちんとこなすとも」

 奏と陽炎のやり取りである。

「な、何が……」

 コセイの言葉に対する回答は、開け放たれた扉の向こうこら押し入ってきた多数の人影が与えた。

「捏造資料をもって、冒険者ギルドと自警団に通報したわ。あんたたちを拘束させてもらう」

 延べ三〇人を超える人々が雪崩れ込んできた。流石に人が多すぎて、応接間に入りきらない。

「連れていけ」

 陽炎の声を合図に、屈強な男たちがイーダサとコセイを縛り上げる。

「き、貴様ら! 何をしているのか分かっているのか!」
「無論分かっているわ。政治犯をしょっぴいてるところよ」

 喚くイーダサを、ミューラが何気ない口調で足蹴にする。

「お、おい! 何故このような無礼を許しているのだ!」

 ミューラでは話にならないと、続いてイーダサが見付けたのは、冒険者や自警団から一歩離れたところに姿勢正しく立っている、太一たちを案内した執事だった。彼は胸に手を当てて深く一礼する。

「わたくしめが許可致しました。どうぞ、御反省なさいませ」
「う、裏切るのか!?」
「はい。わたくしめが間違っておりました。もっと早く、お止めするべきでございました」
「こ、こんなことがっ! 貴様もただでは済まんぞ!」
「心得てございます。わたくしめも、身を粉にして罪を償わせて頂きます」

 執事の言葉がとどめとなったのか、イーダサは茫然自失となってしまった。
 話は終わったとばかりに、縄で幾重にも縛られた貴族二人を連れていく屈強な男たち。彼らがまた青空を拝めるかは、裁く者次第である。国難にも関わらず、罪を犯し続けたのだから。

「……よし。これで第一段階完了だな」
「ん。次はミジックだね」
「御三方。こちらを」

 イーダサとコセイを見送った執事が、太一に対して一枚の羊皮紙を差し出した。
 ガルレア家長男直筆の、イーダサとコセイを不正により摘発したという正式書面だった。

「ご利用なさいませ」

 執事は恭しく頭を下げる。
 これはミジックは出されると痛い書類だろう。だが同時に疑問が残る。太一の肩越しに羊皮紙を覗いていた奏が、視線を執事に向ける。

「込み入ったことをお伺いしますが、何故御当主のお名前で出されていないのですか?」

 執事は「恐れながら……」と言いつつ頭を下げる。その顔には、「我が意を得たり」という感情が巧妙に隠されていた。この三人ならばこれくらいの機微は持ち合わせるだろうと読んだ上での事。彼は伊達にシーヤックという巨大都市を治める貴族の執事をしていない。人を見る目は確かだった。

「御当主様は、イーダサ様とコセイ様によって軟禁状態にあらせられます。かのお二人が処断される以上、その軟禁に効力は無きものと考えます」
「で、あたしたちに解放を手伝って欲しいと?」
「図々しいとは承知しております。ですが、私も長男であらせられるドーイッヒ様も、兵を動かす権限を取り上げられているのです」
「なるほどね……」

 未だ実権がイーダサとコセイにある状態。彼らを捕らえたばかりなのだ。犯罪者とはいえ、次男と三男が同時にいなくなったガルレア家のダメージは計り知れない。

「入り口はイーダサ様とコセイ様に逆らえぬ騎士と、お二人が雇われた傭兵が固めております。兵を動かせぬわたくしではどうともすることが敵わぬのです」

 太一たちは顔を見合わせた。これからミジックを懲らしめるのだが、話を聞く限り放っておくわけにもいくまい。

「よし。奏。ミューラ。解放するのを頼むわ、俺はミジックんとこ行ってくる」
「……それが現実的かな」
「そうね。じゃあタイチ。ミジックは任せたわ」
「おう」

 ミューラから残りの証拠を受け取り、太一がその場を辞した。扉からではなく、窓から飛び出していく。かなりのショートカットをするつもりのようだ。まあ歩けばそこそこ時間がかかるため、太一の気持ちはよく分かった。
 残った奏とミューラは、執事に案内され、屋敷をぐるりと半周して、裏庭の端っこにある離れに辿り着いた。当該の建物からは気配を消し、死角に潜んで様子を窺う。
 執事の言った通り、騎士や傭兵が三〇人ほど建物を囲んでいた。三交代らしいので、総勢は一〇〇人に迫るだろう。

「あそこね」
「左様でございます」
「結構いるね」
「ま、あたしたちなら問題ないでしょ。合図したら、援護よろしくね」
「うん、分かった」

 ミューラの言葉に奏が頷く。三〇人対一人。数の差は、有利不利を決しない。
 ミューラはすたすたと一直線に離れに向かう。

「止まれ。何だお前は」

 騎士たちはミューラの姿を認めた瞬間警戒心を露にした。それでも歩みを止めないミューラに、慌てて警告をしたのだ。その警告に素直に従い、ミューラは立ち止まった。
 両者の間に横たわるのは一五メートルほどの空間。騎士たちは失敗している。この距離はもうミューラの射程範囲内だ。

「あんたたちを職務から解放しに来たのよ」

 妙に様になっている立ち姿で、ミューラはそう告げた。
 怪訝そうな顔をした連中の口を開かせる前に、ミューラは続きを紡ぐ。

「イーダサとコセイは不正を暴かれて連行されたわ。あんたたちがその建物を守る義理も、大義名分も存在しない」

 その言葉は、彼らを硬直させるには十分の威力を誇っていた。

「世迷い言を。何を根拠に」
「根拠ならこれよ」

 一際早く復活した、赤いマントに騎士の甲冑に身を包んだ男がそう反論する。彼がここを取り仕切っているのだろう。話が早い者がいて手間が省けたと考えながら、ミューラは懐からカードを取り出した。

「このギルドカードに誓うわ。イーダサとコセイを拘束する手引きをしたのはあたしだから」

 微塵も淀みなくミューラは相対し続ける。

「どうするの? 退くの? 退かないの?」
「……退けるわけがなかろう!」

 ギルドカードだけでは信用できない。隊長の顔にはそう書いてあった。まあ当然だとミューラは思う。この程度は駆け引きにも入らない。ギルドカードを見せるだけでは説得力など欠片も持っていないのだ。

「仕方ないわね。退かないのなら、強引にでも排除するしかないのだけど」
「はっ! それはこちらの台詞だ!」

 人を小バカにする笑みを浮かべ、全員が抜剣した。
 ミューラも笑みを浮かべて剣を抜く。今にも飛び掛からんとする騎士たちを見詰めて、ミューラは剣を上に向け、無造作に振り下ろした。
 飛来する氷の矢が数十本、連中の合間を塗って地面に突き刺さる。
 男たちは戦慄した。この攻撃のすごさが分かる程度には、彼らも実力者だったのだ。
 狙いが荒くて外れたのではない。もしそうなら、外れる矢と当たる矢があったはずだ。全てが外れた。否、全てを当たらぬよう、精密な制御能力の元放たれた魔術。
 それが意味するところは、術者にその気があれば、全弾を直撃コースで放つことが出来たということ。地面に深々と突き刺さる無数の氷の矢。それが直撃して、無事でいられるのだろうか。
 思わず言葉を失う騎士たちに、ミューラは剣を肩に担いで笑みを深くする。

「あたしがいつ、一人で来たとと言ったかしら?」
「……」

 伏兵がいると考えるべきだったのだ。そんな基礎的なことにすら意識が回らなかった、彼らの失態である。

「因みに」

 ミューラを強烈な魔力が包み込み、その姿がぶれる。
 突然のことだった。鈍い音と衝撃と共に、隊長格の男が持っていた剣の刀身が、根本の方から折られていた。姿勢を低くしたミューラが、剣を振り抜いた姿勢で目の前に立っていた。

「あたしのことも、女だと思って舐めてると怪我するわよ?」

 この一撃が、実力に埋めがたい差があることを、如実に物語った。
 たった一瞬。一五メートルの距離を一足跳びで詰めた上に、剣を一撃でへし折るほどの斬撃を放てる剣士に打ち勝てる自信がある者は、この場にはいなかった。彼女一人抑え込むのにどれほどの人員と労力が必要なのか検討もつかず、更に彼女を援護する腕利きの魔術師がどこかにひそんでいる。いくら数で圧倒しようと、勝てる要素が見つからなかった。

「オレたちゃ降りるぜ」
「……!?」

 とはいえ退くことは出来なかった騎士たちに、背後から声が届けられる。
 声の主は、この屋敷の騎士ではなく、雇われた傭兵たちだった。
 驚きに顔を染める騎士たちを尻目に、彼らは次々と得物を仕舞う。

「貴様ら、裏切るのか!?」
「ちげーよ。降りるっつったろ」

 傭兵の一人が首を左右に振る。

「別におめぇらに敵対する気はねぇよ。そこの嬢ちゃんは、こっちにやる気がなきゃ見逃してくれそうだしな」

 水を向けられたミューラは肩を竦める。仕方ない、という表情とその仕草が、肯定を意味していた。

「っつーわけだ。わりぃが、後はお宅らだけでやってくれや」

 傭兵たちは武器を納め、しかしこちらへの警戒は解かないまま、場から離れていった。必然、対峙するのはミューラと騎士たちである。

「で、あんたたちはどうするの?」

 答えは聞くまでもない。人数が減ってしまった以上、騎士たちの劣勢は動かぬものになってしまった。少し減ったからといって、もともとの力の差は歴然としていたのだが、人数が少ないよりは多い方がいいに決まっている。しかしそれさえも、瓦解してしまった。
 騎士たちが次々と剣を投げ捨てる。
 それが意味するところは一つ。
 イーダサとコセイの一派が壊滅した瞬間だった。





◇◇◇◇◇





 奏とミューラが、ガルレア家当主を助け出しに動いている頃。太一はミジックの屋敷の前に立っていた。
 目と鼻の先に巨大な屋敷が鎮座している。やることは先程伯爵家に乗り込むときの手段とたいして変わらない。一つ違うのは、ミジック側のリアクションの大きさだった。不正の証拠を見せた途端、門の守衛はすっ飛んで中に入っていき、そう間を置かずに執事らしき人物を連れて戻ってきた。

「貴方が旦那様に御用があるという冒険者ですか?」
「そうだ」
「分かりました。こちらへどうぞ」

 歩き出した執事の真後ろをついていく。そのまま太一の身長の倍はあるかという玄関を潜り、屋敷の奥にある部屋に案内された。

「しばしお待ちください。じきに旦那様が来られます」

 太一はそこに設けられていたソファーに腰を下ろす。
 懐をまさぐって、きちんと証拠の羊皮紙や、ガルレア家長男がしたためた証明書があることを確認する。ネゴシエイトの経験は無いが、なんとかなると思っている。これだけ自分を援護する書類があって、失敗するとはどうしても思えない。
 普通はそれ以外にも、アウェイに一人で乗り込んだという無形のプレッシャーがかかるものなのだが、太一に限ってはそれとは無縁だ。ミジックがどれだけ戦力を保有しているかは分からないが、間違っても王国軍の騎士には及ばないだろう。その程度の相手なら、苦戦する方が難しい。
 とはいえ、そうならないに越したことはない。何より手加減しながら戦うのは面倒なのだ。

「……よっと」

 背もたれにぐでーっと預けていた身体を起こす。客が来たら茶なりなんなりを出すのだろうが、太一にそういった待遇はない。やはりというべきか、歓迎されていないのだろうと思う。
 まあ、そんなものは先方の都合であって、太一には関係のないことだ。やがて一〇分、二〇分と経過するが、誰も訪れようとはしない。
 このまま待たせるだけ待たせてすっぽかす気なのだろうか。或いは、ミジックは既に逃げたのか。
 太一はすっと立ち上がり、扉を開け……ようとして、ドアノブが動かないことに気付く。そういうことか、とごちり、太一はニヤリと笑う。

「ふうん。ナメてんじゃん」

 加減をする気はない。まさか、この程度の扉が破れないとでも思っているのだろうか。それならば、いっそ見せしめをしてやろうと思う。三歩横にずれて、石の壁をこつこつと叩いて感触を確かめる。この壁がどんな種類の石でどれほどの分厚さなのかは知らないが、石でできている以上太一の障害とはなりえない。太一を石という道具で封じるなら、冗談でなく山で押し潰すくらいの事が必要だろう。

「せいっ!」

 その場で左足を軸にして左回り。遠心力が乗った右足の靴底を壁に叩き付ける。
 壁が破砕し、数十にも砕かれた破片が辺りに飛び散る。かなりやかましい音がしたため、屋敷の人間が気付かないということはあるまい。
 実は太一は運が良かった。あの扉はノブが動かないだけではなく、無理矢理こじ開けたり、破壊して進もうとすると設置された魔法陣が発動、爆発を起こすトラップだったのだ。さすがに無警戒の状態では至近で爆発が起きれば何らかの怪我を負ったかもしれない。壁をぶち破ったのは正解だったのだ。
 一方、ミジック側は太一を並みの冒険者と侮り、手痛いしっぺ返しをくらうことになった。あの部屋の壁はこの近辺で採取できる特に硬い石を使っていたのだ。普通の冒険者では破れないだろうと高を括っていたら、割りとあっさり破られてしまった。もちろんあれだけ騒々しくすれば、屋敷の人間は皆知ることとなる。蹴り一発で、監禁用の部屋から難なく抜け出した太一に何を思うだろうか。
 さて、来た道はどちらだったか、としきりに首を右往左往させる太一。耳にバタバタと複数の足音。それも、両側だ。挟撃を喰う形になった。

「来たな」

 太一からすれば、体のいい道案内候補が複数やってきたということ。

「くっ……あの部屋から抜け出したというのか!」

 どうやら、彼にとっては脱出困難な部屋であったらしい。

「よ。ミジックはどこだい?」

 太一は朗らかにそう問い掛ける。うっかり口を滑らせる者もいないから、兵たちは中々練度が高そうだ。
 答えが返ってくる事はないだろう。太一もそれを期待したわけではない。
 これは意思表示だ。ミジックに会わせてもらうという、太一からのメッセージ。

「答える必要はない! 捕らえろ!」
「そうこなきゃな!」

 穏やかに済むとは毛の先ほども思っていなかった。一悶着、いや二悶着くらいはあるだろうと考えていたため、太一は左右から襲い掛かってくる人の波に余裕を持って対処が出来る。

「……ふっ!」

 とはいえ、一人一人相手する理由は無ければ、付き合う義理も全く無い。よって、魔力の放射による威圧を選択した。強化は三〇。
 奏やミューラを戦闘力でやや上回る強化だ。

「ぐっ!?」
「うあ!」

 圧倒的強者からの威圧を受け、太一に突進していた者全員がその足を止めさせられた。
 これだけの威圧を受けたことは、彼らにとっては人生初だろう。

「ミジックの居場所なんて、あんたたちからすりゃ答える理由はないよな」

 その威圧を保ったまま、太一は一番間近にいた男に近寄った。

「まあそれは分かるんだけどさ。あいにくこっちも伊達とか酔狂でここに来てるんじゃないわけよ」

 至近でプレッシャーにあてられて冷や汗を流しまくる男が持っていた剣を取り上げて、ゆっくりと握ってねじ曲げる。太一が手を離すと、床に転がったのは真ん中が細くなり、不自然に曲がった剣だった。

「同じことを何度も言うのは嫌いなんだ。さて、ミジックはどこだい?」

 男たちに残された選択肢は一つだった。





◇◇◇◇◇





「くそっ! 何故あれが流出しているのだ!」

 ミジックは書斎の机を漁りながらそうごちる。
 必要なものを鞄に、要らないものをその辺に放り出す。要は夜逃げの準備である。肥やしに肥やした資産はある程度口座に預けてある。必要なときに下ろしていけば、当面の生活費には困らない。後は持ち出せないほどに大量の高額なお宝もこの屋敷にはあるが、滅多なことでは見付からない隠し部屋にあるため、しばらくは大丈夫だろう。ほとぼりが冷めるまではこの街を離れ、辺境の小さな村で息を潜める。場所はアズパイアから程近いユーラフでいいだろう。あそこにはこの国でも有名な娼館があったと記憶している。そこならば女にも困るまい。
 粗方を鞄に詰め込んだミジックは、荷物を見詰めながら怨みを口にする。

「おのれ……どこの馬の骨とも知れん冒険者のガキめが。覚えておれよ!」

 すぐさま逃げなければならないほどに状況は逼迫している。監禁用の部屋に閉じ込めてせっかく時間を稼いだのだ。
 だが、一度火がついた怒りを即座に鎮圧する術を、ミジックは持っていなかった。脂肪を蓄えて醜くなってしまった顔を歪める。

「きっと、この借りは返すからな……!」

 一冒険者の分際で大商人たるミジックに楯突いたばかりか、こうして夜逃げさせられるまでに追い詰めた、顔も知らない少年たちへの怒りは止まらない。
 もちろんのことながら、それは悪手である。そんなことをしていなければ、逃げることは出来ていたのだ。

「こんな夜更けにお出掛けかい? ミジックさんよ」

 その声は、部屋の入り口から聞こえた。思わず顔を上げると、開け放たれた扉に寄りかかる、黒髪黒目の少年が目に飛び込んできた。

「な、き、貴様どうやって……」

 中肉中背のその姿。平々凡々な顔立ち。一見して彼が冒険者だと気付くのは難しいだろう。腰に帯びた剣と、その若さに似合わない風格さえなければ。

「た、確かにあの部屋に閉じ込めたはずだ!」

 太一を監禁したことを自白しているのだが、気が動転しているミジックは気付いてない。

「ああ。それね。壁ぶち破って出た」
「は……?」

 呆けるミジック。普通は出入り口から出るものではないだろうか。力を持たざるものはミジックの考える通りだろう。だが壁を破壊するのに問題ない強さを持つ者にとってはその限りではない。持つ者と持たざる者の常識の違いが垣間見られた。

「あの壁を、ぶち破っただと?」
「そうだけど?」
「馬鹿な……どれだけ硬いと思っている……」
「ふうん? まあ俺にとっちゃ硬かろうと軟らかかろうと石に違いはないけどな」
「くっ、化け物め!」

 ミジックはそう吐き捨てると、鞄をひっ掴んで背後の窓に向かって駆け出した。脱出経路は、当然一つではない。窓からでも逃げられるように、平素から準備していたのだ。
 これが普通の野盗などなら、問題はなかっただろう。しかし、ミジックはもっとも大事なことを忘れていた。単騎でミジックの書斎に乗り込むことが出来るような人物が、逃げる獲物をなすすべなく見送るような真似はしない。そして、この程度の距離を逃げるミジックより速く詰めるのは簡単である。

「はっはっは。どこへ行こうというのかね」

 殊更癪に障る口調でそう呟いた太一は、ミジックの襟首を掴んで後ろに引き倒した。

「ぐげっ!?」

 一〇〇キロを超える巨漢が宙を舞い、背中から床に落ちる。ミジックの肺から押し出された空気が、呻き声を伴って外に出た。

「あぶねえあぶねえ。逃げに回るのはええわ」

 部屋を脱出する判断がもう少し遅かったら、まんまと逃げられていた。ギリギリセーフでミジックを捕らえる事に成功し、太一は額の冷や汗を手の甲で拭った。
 自分の詰めの甘さを感じながらも、とりあえずは結果オーライだろう。

「さあて。ミジックのおっさんよ。もう逃げられねえぞ」
「ぐ……くそっ」

 憎々しげに太一を見るミジック。太一は彼の足を掴んで逃げられないようにしながら屈んだ。
 懐から数枚の羊皮紙をとりだして、声に出して読み上げる。

「えーっと。こいつは粉飾決算。これは事業の受注金額の水増し、こっちは納品の数をちょろまかしてるな。どんだけだよお前」

 それらはどれもミジックの記憶にあった。つい最近処理したものばかりだからだ。サインと決済の判をしたのは他ならぬミジックなのだから。
 ミジックは太一が持つそれを奪い取る。太一は素直にミジックに取らせた。これだけの証拠を集めたという目の前の少年に、ミジックは戦いた。何をどうすればここまでになるのか。

「それ、欲しいか?」

 太一が呟く。ミジックは希望を胸にそれを慌てて懐に収め始めた。後で燃やすしかない。隠滅を計らなければ。ぐちゃぐちゃになり体積が増したため、上手く収めることができない。ミジックは苛立ちながら羊皮紙と格闘する。ようやくしまい終えたミジックは、これで勝ったとばかりに笑う。

「お疲れさん。それは複写だけどな。原本はこっち」

 その笑顔が凍りついた。太一が同じものを再び取り出したのだ。

「そっ! それもよこせえっ!」
「おっと」 

 もう一度手を伸ばしたミジックを、今度は許さぬとばかりに突き押した。背中が再度床につく。

「残念。サービスは終わりだ」

 原本を懐に収め、代わりに取り出したのはガルレア家長男坊直筆の宣告書だった。

「ガルレア家は、当家次男イーダサと三男コセイを不正を働いた罪により告発し、更に繋がりがある商人ミジックを汚職の罪で告発することを、ドーイッヒの名においてここに宣言する。ってよ」
「ば、バカな……そんな……」

 ミジックは脱力した。助けてもらおうと思っていたガルレア家には、既に手が打たれていたのだ。ミジックに手を差し伸べる者は、もはやいないといっていい。
 これが一般的な危機で、他の商人とまともな関係を築いていたのなら、打算か厚意かはともかくとして手を差し伸べる人間は多かったろう。だがミジックは、自分が何をしてきたのかを分かっていた。しかもこの状況で、誰かに助けてもらうなど不可能なことも。
 彼の商人としての人生は、一瞬にして幕を下ろすことになったのだった。

「ここに来る前に通報しておいたから、じきにお前とお前の幹部は捕まることになるだろうな」

 その通報を担ったのも陽炎である。
 放心状態のミジックは目が虚ろだ。

「ああ。最後に」
「ぐおっ!?」

 右手でミジックの胸ぐらを掴み上げ、ぐい、と自らの顔付近に引き寄せる太一。至近になったその顔を、太一は睨み付けた。
 低い声をミジックにじわりとしみこませるように意識して声を出す。

「旅の帰り、この街にもう一度寄ることになる。その時、テイラー夫妻からお前が大人しくしていたか話を聞く」
「っ!?」
「もちろん、金輪際誰かに迷惑をかけなきゃあ、俺は二度とここには来ない。……でもな?」

 太一は右手を一度突き上げる。ミジックの身体が一瞬上に持ち上がった。忘れること無かれ、右手一本で、踏ん張りもせずに行われた動作だ。腕一本の力でミジックの一〇〇キロにもなる身体を動かしたのだ。

「ひ……はっ!」
「次、ここに来る必要が出たとしたら……どうなるかは俺も分かんないからな」

 最後とばかりに、太一は空いている左手を天井に向ける。そこから強力な空気の弾丸が放たれて、天井を一瞬でぶち抜き、高空に消えていった。風穴が空いた天井を暫し見つめて、視線をミジックに戻す。ミジックは顔を真っ青にしてガタガタと震えていた。
 低くしていた声を意識して元に戻し、太一は表情も緩める。

「普通に商売してりゃあ、俺もお前に用はない。別に難しいことは言ってないだろ?」

 激しく首を振って肯定するミジック。彼は捕らえられて罪を償うことになろう。気になるのは、捕まったミジックが報復を部下に命令するかどうかだった。その芽は摘んでおく必要があった。

「よし。これから通報してくるからな。大人しくしてろよ?」

 やっと解放されて人心地ついているミジックにそう釘を刺す。ミジックは慌てて頷いた。
 その後言いつけをきちんと守り屋敷にいたミジックは、太一の通報により駆け付けた自警団に捕縛された。
 イーダサ、コセイ、ミジックが摘発されたことにより、この街で人知れず横行していた不正と、ミジックの度を越えた独裁商売は終了することになる。長いこと不条理に曝されていた民衆が決着したことを知るのは、もう少し先のことだ。
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