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異世界チート魔術師(マジシャン) 作者:内田健

第四章:見聞を広めようとしたらやっぱり色々巻き込まれました。

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精霊魔術師と古城探索 十一

『フレイムラジエーション!』

 奏が放った業火が、数体のアンデッドを巻き込んで燃え盛る。
 視覚的にとても派手な魔術だが、何のことはない、火炎放射を英語にしただけである。
 もちろん、地球に存在した兵器としての火炎放射と、威力は遜色無い。
 むしろ魔術なので細かい制御が効く分、奏の『フレイムラジエーション』の方が質が高いとも言える。

「終わったか」

 ゾンビを斬ったことで刀身についた液体を振り払い、太一が周囲を見渡す。
 広いフロアにわらわらと存在していたアンデッドは、もう一体も残っていない。

「はあぁ……終わったぁ……」

 奏がぺたりと女の子座りでへたり込む。
 苦手……いや、天敵といっていいアンデッドを相手に、よくぞ最後まで戦った。
 最後の方はある程度なれてきたのか、それなりに落ち着いて魔術を紡いでいたものの、最初の方は目も当てられなかった。パニックになりながら、涙目で必死に魔術を撃ち続ける奏に萌えたのは太一だけの秘密だ。
 もちろん、奏の魔術が間に合わない距離までアンデッドが入らないよう、彼女の間合いには太一がずっと気を配っていた。奏が普段通りの力を発揮すればこの程度のモンスターハウスは一人で殲滅できるが、今回はそうはいかないのだ。
 さりげなさを装うため、それなりに神経を使った。
 好きな女の子の可愛いところが見れた、くらいのご褒美はあっていいはずである。

「お疲れ。よく頑張ったな」

 よしよし、と頭を撫でる太一。
 半分放心状態だった奏はおとなしく撫でられる。少し顔を赤くして上目遣いの破壊力は異常。
 ラブコメだけかと思っていたことを自分が体験するとは思っていなかった太一だった。

「……」

 あてられたカリーナがむずむずする、と言わんばかりに全身をかき始め、太一と奏は我を取り戻して立ち上がった。

「二人とも、気付いてる?」

 カリーナは、何の前置きもなくそう言った。
 間髪入れずに頷く太一と奏。二人とも察知能力は高い方だ。
 視線がフロアの奥に向けられる。
 禍々しい気配を放つ鉄扉。
 これまでのダンジョンとはひと味もふた味も違う。負の感情を長い年月溜め込み、とことんまで濃縮したかのよう。

「あそこか」
「ええ。あの人は、扉の向こうにいる」

 近寄ってみると、扉の大きさに圧倒される。
 フロアの天井は高さ四メートルほど。
 扉の上辺は、その天井に届くか届かないかの高さだ。
 その幅も広く、太一と奏が横に並んだままくぐってもまだまだたっぷり余裕がある。
 重厚感に満ちあふれた扉が、二人と一匹を見下ろしている。

「本当にやるの? この扉を開けたら、封印が解ける」

 太一は笑みを浮かべた。

「行こう。そのために来たんだ」

 カリーナは嬉しさ、不安等をないまぜにした複雑な表情を浮かべてから頷く。
 扉に両手を添え、グッと前に押す太一。
 ぎぎぎ、と床と擦れる音とともに、扉が開いていく。
 感じるのは、わずかなほこりっぽさと湿っぽさ。
 扉の奥は、真っ暗だった。
 光が届かない、といった安直な理由ではない。まるで闇そのものがそこにいついているかのように、暗いとばりが降りているのだ。

「……暗いな」

 先を全く見通せず、太一がつぶやく。

「明かり、つけようか」

 奏がそういって指先に火の玉をこしらえようとしたところで、異変が起きる。
 扉の幅程度の距離をおいて、火がともったのだ。

「……?」

 その光景を不思議に思っていると、変化が連続する。
 同じような火が、どんどんと奥に向かって次々と現れたのだ。
 どれだけ進んだだろう、その火はやがて部屋の奥で円を描き、不可思議な現象が終わる。
 部屋が、明るくなる。

「……」
「こいつは……」

 異様な光景だった。
 天井、壁、床。それら全てから数十にものぼる鎖が伸びており、何かをがんじがらめにしていた。
 がんじがらめにされている何か。それは、人の背丈ほどの骸骨。
 ここに来るまでに出会ったスケルトンと表さないのを疑問に思うかもしれない。
 何故ならば、それは見た目スケルトンでありながら、同じ魔物には思えなかったのだ。
 骨の色は、黒。
 更に、全身には不規則な赤い線が走っている。まるで、血の色のような。
 見た目からして、スケルトンとはその禍々しさの桁が違う。そして、瘴気のように溢れ出す負の魔力も。

「あれは……ブラッディヴァルハラー……」

 うめく奏。

「知ってるのか?」
「うん……」

 太一の問いに、奏が頷く。

「魔物図鑑で見たことあるよ。強い心残りを持ったまま死んだ人が、骨だけになってもその念を溜め込んで生まれる魔物」

 記憶を探りながらぽつぽつと答える奏。そして。

「長い年月の末に力を最大まで溜め込んだブラッディヴァルハラーは」

 がんじがらめにされた骸骨の目が、怪しく光る。怒りに狂う業火のような揺らめきだった。

「真っ黒の骨に、くすんだ赤い線が走るんだって」

 ばきん、と鎖が引きちぎられる。
 地面に降り立つブラッディヴァルハラー。どんな魔術なのか、右手に剣が生まれ。左手に盾が生まれ。頭には兜が生まれ。そして、肩からは裾が擦りきれたマントが生まれた。
 何もないところから突如として顕現すれば、生まれた、と表すのがもっとも適切だろう。

『血をヨコせ……斬ラせろぉぉォぉ!!』

 強烈な魔力が噴き出す。このダンジョンで出会った魔物たちなど比べ物にならない。
 びしびしと肌を刺す圧力が、三人を、特に奏とカリーナを襲う。
 あまり長時間当てられるのも不味いと、太一は二人を自分の背に隠した。現に、顔色が悪くなっていた。

「あ、あなた……」

 カリーナの声が震えている。愛した男の変わり果てた姿を見たのだ、当然だろう。
 人間だった面影は、もはや骨格しかないが、彼女には分かるようだ。夫婦のなせるわざなのだろう。

「太一……」
「ん。あれは俺がやる」

 太一は目の前を剣で左から右に払った。
 奏では勝ち目はゼロだろう。あの濃密で強大な魔力は、まさに化け物だ。

「援護頼む。ただし、無茶はするなよ?」

 奏がこくりと頷く。奴の気を逸らせられれば、御の字の成果だ。

「行くぞ」
『肉だ! 斬らセろ!』

 太一は魔力強化を施し、飛び掛かる。
 感じた魔力はかなりのもの。今までずっと自分より遥か格下ばかりを相手にしていた弊害か、太一は一定以下の相手の強さなら分かるが、一定以上の強さの敵の判定には自信がなくなっていたのだ。
 もしも読み違えて後ろに逃げられれば、万が一がある。
 太一は初っぱなから一〇〇の強化で行くと決めた。
 それでぶつかってみて大体の強さを把握。その後シルフィの魔法で仕留める。つまりは短期決戦だ。
 一瞬で距離を詰めた。奏やカリーナは目で追えるかも怪しい速度。
 完全に虚を突いた自信があった。これならばクリーンヒット。
 そう思ったのだが。
 いつの間にか突き出されていた盾に防がれる。
 盾で防がれようと、鎧に身を固めようと、その上から叩き切るつもりだった斬撃。それを、盾で受けられた。
 盾と剣の間に火の花が咲いた。
 同じ軌跡の逆を辿ってを切り返す。今度は剣で受けられた。
 舌打ちし、太一は少し後退した。二拍ほどおいて、太一がいたところをブラッディヴァルハラーの剣が通過する。
 両者がひとつ動く毎に唸る風切り音。常識と言う言葉に喧嘩を売っているようだ。
 太一の攻撃に対する対応は速い。しかし、攻撃をするとなると遅い。
 このちぐはぐさは何なのか。いや気になるのはそこではなく。

「……こいつ、いつの間に盾を出した?」

 間合いを詰めるのに要した時間は本当に一瞬。
 近寄ったときには、剣を振り下ろすだけだった太一。あの状態から守勢に転じたところで、防げるとは思えなかった。
 一〇〇の強化をして倒せなかったことそのものは特に気にはならない。
 いつぞやのレッドオーガも太一と互角だった。それと同格の魔物がいても不思議ではあるまい。

「クカカ……」
「何がおかしい」

 ブラッディヴァルハラーは骨をならして笑う。不快に思うも、それはほんの一瞬だった。
 引っ掛かるところは多々あれど、どの道これで終わりである。
 太一は剣を持たない左手を、ブラッディヴァルハラーに向けた。

「シルフィ」
「はーい」

 その左上腕に腰掛けるシルフィが姿を現す。ブラッディヴァルハラーの暗い魔力が吹き飛ぶほどの、圧倒的存在感。

「吹き飛ばす。シルフィ、『風鷲ふうしゅう』」
「よしきた」

 左手に魔力が風となり渦を巻いていく。
 『風鷲』と名前をつけてはみたが、何のことはない、超高速の突風を瞬間的に叩き付けるものである。
 ブラッディヴァルハラーは諦めたのか、動く気配はない。
 抵抗なしか? と疑問に思いつつ、何か心につっかえるものを抱えながら、魔法の準備を終える。

「食らえ!」

 動かないのなら狙いが楽でいい。圧縮した空気を解放する。
 魔力と空気の奔流。風という表現が生ぬるい破壊力。効果範囲は対象の周辺数メートル。おとなしいのは視覚的効果のみだ。その威力はレッドオーガさえも叩き潰す。
 ブラッディヴァルハラーはその姿を保っていられず、バラバラになって吹き飛ぶ。一つ一つの骨が壁にぶつかり、割れたり折れたりして力なく床に落ちていく。

「……」

 カリーナが息を呑む。一瞬の出来事だった。
 ブラッディヴァルハラーがどれだけの力を持つかは分かっていた。即座に、自分では敵わないと判断を下したほどの魔物なのだ。
 太一なら負けないと分かっていた奏とは対称的なリアクションだった。
 魔法の残滓が服をはためかせる。
 左手を下ろし、太一はブラッディヴァルハラーの残骸を見つめる。剣を交えて肌で感じ取った強さから、倒すために必要な魔法の威力を割り出した。一撃で倒すためにはオーバーキルだ。逆に言えばそれを達せられるのならば選ぶ魔法は何でもよかった。

「い、一撃、なんて……」

 カリーナが絞り出すようにつぶやく。あれほどの魔物が、あまりにもあっさりと倒されてしまった。

「太一は言ってたでしょ? 大丈夫だって」
「……」

 確かにそれは言っていた。だが、ここまでのものだと誰が予想できようか。
 この少女と、あの少年。二人に巡り会えたことは非常に幸運だったのではないか。
 力なき正義と正義なき力。どちらが善でどちらが悪か。カリーナにその答えは分からないし、答えがあったとしてもその辺の哲学を論ずる気はない。
 それでも、今のカリーナの願いを叶えるのに必要なのは、確かに力だった。
 ブラッディヴァルハラーは倒れた。すべては、解決したのだ。

「ねえ、タイチ君。お別れを、してもいいかな?」

 聞き入れられても、聞き入れられなくても、愛する夫と最後にそれくらいはしたいと思っていたカリーナは太一にたずねる。
 だが、太一からの返事は素っ気ない拒否だった。
 ここまで来て断られて、思わず首をかしげるカリーナ。太一が意地悪でそんなことを言うはずがないと思ったからこその疑問で、しかしその理由が分からなかった。
 太一は相変わらずばらばらになったブラッディヴァルハラーを見つめている。

(……おかしい。あんな状態なのに、まだかすかに魔力が残ってる)

 これまでに戦ってきたスケルトンは、倒せば宿っていた魔力が消え去り、岩が風化するように崩れる。
 だがブラッディヴァルハラーはまだ魔力を残しているのだ。
 極めて単純に考えるのなら、生きている(アンデッドに生きている、というのも変だが)ということになる。そんな不確定要素に対してカリーナを近付けさせるという分の悪い冒険は出来ない。
 しかし、シルフィの魔法をまともに受けて倒れない魔物などいるのだろうか。
 答えは、目の前で起きた。

「クカカカ……ムだだ」
「……」

 転がったしゃれこうべが、声を発した。
 見れば、バラバラにしたはずの骨たちがカタカタと音を立てている。
 磁石に吸い寄せられる砂鉄のように、骨が集まる。
 背後で奏とカリーナが息を呑む音が聞こえた。
 骨はひとりでに組み上がり、ブラッディヴァルハラーに戻った。

「クカカカカカ。そノ程度では死なヌ」

 そして、まるで念動力で操ったかのように、ブラッディヴァルハラーの装備品が戻る。ところどころ欠けたりはしているものの、ほぼ元通りと言っていい。

「おいおい……ブラッディヴァルハラーは何度でも復活する魔物なのか?」
「そんな……魔物図鑑にはそんなこと載ってなかったよ?」

 そもそも、こんな強いなんて書いてなかった……と奏はごちる。
 ブラッディヴァルハラーの強さは、精々がAランク。そのレベルであれば、太一にとってはAもBもない。防御力に優れるというのは図鑑通りだが、多少長けている程度で太一の攻撃をどうにかできるのなら、誰も苦労はしないのである。

「今ドこそにクを斬る!」

 ブラッディヴァルハラーが走り出す。
 かたかたと骨を鳴らしながら。
 走る、とはいったものの、それは太一だからそう見えただけであり、外野からすれば半分瞬間移動のようなものだ。

「やらせるか!」

 太一を見ていなかったブラッディヴァルハラー。つまり、後方の奏とカリーナを狙ったのだろう。
 無論そんなことをさせる太一ではない。
 素早く相手に余裕を与えない動きで導線に割り込み、剣を水平に薙ぐ。
 太一から逃げるのは至難の業だ。ブラッディヴァルハラーは防御を余儀なくされる。
 防御だけならやたらと反応のいいブラッディヴァルハラーに三たび斬撃を防がれる。今度は衝撃で吹き飛ばしたが。

「こいつはどうだ。『エアロスラスト』」

 生み出された数多の刃が、次々とブラッディヴァルハラーを切り裂いてゆく。
 飛行速度は非常識なほどに高速。目で見て避けるのはまず不可能だ。
 さきほど復活する際、欠けたりした骨が元に戻らなかったことから、細切れにしてやろうと考えたのだ。
 狙い通り原型をとどめないところまで破壊した。
 死なないのかもしれないが、ここまで解体すればもう元には戻らないだろう。
 魔法が発動した瞬間に木っ端微塵にされたブラッディヴァルハラーが、一斉に床に落ちた。まるで無数の小石が落ちるように。

「今度は復活なんかさせねえよ」

 それだけでは足りないと感じた太一は靴の裏で擂り潰してやろうと考える。
 カリーナに別れの挨拶をさせてやれないのは心が痛むが、復活劇を見せられた太一としては二人の命が最優先だ。
 近寄ろうとした太一だったが、またしても予想外の光景に足を止めさせられた。

「なんだってんだ……」

 ブラッディヴァルハラーを見据えて、嫌そうな顔を浮かべる太一。
 バラバラになった骨たちから、黒い何かが湯気のようにたちのぼり始めた。そんな現象に全く心当たりがない。

「シルフィ。ありゃ、なんだ?」
「……」

 太一の肩に座るシルフィが、黒いもやを刺すように睨み付けている。

「あれは、魔力だよ、たいち」
「魔力?」
「そう。負の魔力が、可視化されてるの」

 負の魔力という名前ならば、黒い色でも納得だ。
 では、何故急にそんなものを漂わせ始めたのか。
 太一が抱いた疑問はそれであり、シルフィに訊ねようとした。

「でもね。単なる負の魔力だと、ああやって黒いもやは生まれないの」

 太一の質問の前に、先をとってシルフィが解説を始める。

「あれは、哀しみ」
「哀しみ?」

 風の精霊王が、表情を歪めた。

「そう。自由を奪われ、存在さえも奪われようとしている精霊の、哀しみ」

 精霊は、どんなに下位であったとしても、基本的に生ある存在よりも位階は上である。生半可なことではその目で見ることすら叶わないというのが、良き証拠。
 そして彼らは生きもののように時間に縛られない。生と死に囚われない。だからこその自由なのだ。

「待てよ。精霊の哀しみってどういうことだ」

 召喚術師だからこそ、精霊についての知識をかなり持っている太一が、シルフィに詰問する。

「精霊が、何者かによって力を奪われてる」
「……何だって?」

 考えもしなかったセリフに、太一の声が二段ほど低くなる。

「たいち。精霊の哀しみによって生まれた負の魔力に、ブラッディヴァルハラーが感化されてる」

 その言葉に、ピンときた。

「まさか。こいつがやたら強いのとか、すぐ復活してくるのは……」
「精霊が発している、哀しみの魔力の影響よ。これまで随分と長い時間、それを少しずつ浴びていたんだと思う」

 いつの間にか、黒いもやは人の形を象り始めた。だがそれは二本の足で立ち、腕が二本生えているだけ。
 顔の部分になにも存在しないのっぺりとしたもの。幼児の粘土細工の方がかなりましな造形をするだろう。

「それが、ここに来て哀しみの魔力が一気に強くなった。あの黒い魔力は、その影響よ」

 言うが速いか、黒いもやを纏ったブラッディヴァルハラーはまるでゴムのように伸び始める。

「くっ! なんだ!?」

 思わず、奏とカリーナを庇いながら体勢を整える太一。
 予想外の動きに虚を突かれてしまったのだ。あれが襲ってくる事前動作と考えたら、対処するのは当然だ。
 太一の対応は正しかった。その結果、何が起きたとしても。

「っ!」

 ブラッディヴァルハラーは天井を突き破って消えていく。

「……」

 パラパラと砂ぼこりがこぼれる天井の穴を、太一たちは呆然と眺める。
 あまりに予想外な出来事が連続し、脳の処理能力を超えてしまったのだ。

「……これ」
「ミューラか?」

 このダンジョンの探索を始めてから今まで感じることができなかった、太一と奏がこの世界でもっとも信頼する少女の魔力。
 どうやらこのダンジョンの法則やらが少し解れたらしい。
 訳がわからず首をかしげるカリーナを尻目に、太一と奏は慌てた。
 その魔力は、ブラッディヴァルハラーが向かった方角から感じ取れるのだ。
 直後、遠くで起きた爆発の音が届く。
 悪い予感がする。そして、そういうものは大概が当たるのだ。
 太一は覚悟を決めた。まだ少し制御が甘く、単独以外というのはぶっつけ本番だがやむを得まい。

「奏、カリーナさん!」

 叫びつつカリーナを自分のシャツの中に放り込み、奏を強く抱き寄せた。有無も抗議も聞く気はない。

「シルフィ! 『飛翔フライ』!!」
「りょーかい!!」

 太一が風をまとう。
 変化は劇的。二人と一匹の身体がホバリングするヘリコプターのように浮き、徐々に加速していく。

「ひ、飛行魔法!?」
「詳しい説明は後だ! 追うぞ!」

 ブラッディヴァルハラーが消えた天井の穴を、太一は飛行魔法で飛んで追い掛けていった。
あるえー?
本当は太一奏、ミューラケイオスでバラバラに決着つけるはずだったのが、筆が赴くままに書いてたら合流することになったぞ?
結末どうすんだ俺。

何とかまとめます。まだまだ、プロット無しで書くレベルじゃありませんでしたね。
次の話で終わるはず。
いえ、長くなっても終わらせると宣言しておきます。


ケイオスの必殺技の名前、たくさん応募がありました。ありがとうございます。
これより検討に入ります。名前の決定は次回更新と同時と致します。御了承ください。

読んでくださってありがとうございます。
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