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異世界で闇落ちした俺は大好きだった彼女の宿敵(ラスボス)となりました。  作者: ドットオー
最終章 月野木天音とプリミティスプライムの伝説

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第91話「それぞれの告白」

「その目⋯⋯どうしたのみおちゃん⋯⋯」

「すずの⋯⋯魔王との戦いでちょっとね。眼帯似合うかな?」

「みおちゃん⋯⋯」

「皆はどうした?」

「月野木さん⋯⋯なのね?」

「うむ」

「⋯⋯一華(いちか)彩葉(いろは)は魔王の攻撃で死んだわ」

「⁉︎ そんな⋯⋯」

「2人はがんばったのよ。一華はヒーラーだったけど彩葉をしっかりサポートして

消費する体力を補ってた。だけど、魔王はあざ笑うかのように

手を真横に払う素振りをしたと思ったら2人の身体は爆発して消滅したわ」

「⋯⋯」

「私は翔馬にうながされるままその場を逃げようとした。

だけど、黒い鞭のような攻撃が私に襲いかかってきて⋯⋯

私を庇った翔馬がお腹を貫かれて、私は左の目を失ったわ。

攻撃してきた人物は行方不明だった先生よ」

「メイちゃん先生が⁉︎」

「翔馬も生まれ変わったら私のような女じゃなくてもっといい人と結婚してほしいな。

アイツ、おかしいんだよ私の方の苗字になったりしてさ。椿は椿でしょ⋯⋯」

「(椿⋯⋯みおちゃんと勝手に結婚したこともそうだけど。みおちゃんを泣かせたことはもっと許さないんだから)」

「月野木さん、この周辺に街も人もいたのにどうしてこんな草木も生えない荒野になったか知ってる?」


***

4年前ーー

空中を漂う透明な球体の中に入った吉備津瑠美花さんがビームで次々と街を破壊した。

川南君と三好さんが吉備津さんを喰い止めようと必死に戦ったわ。


『吉備津さんが泣いている』


「いつものポーカーフェイスだけど」

「僕にはわかる」

「こいつきもい⋯⋯」

「とにかく僕の能力で吉備津さんのところまで飛ぼう 『スカイウィング』」


ーー


「吉備津さんやめるんだ!」

「川南君! なんとかして! 私じゃ止められないの」

「力が暴走しているんだね」

「もち」

「吉備津さんいったい何があったんだ?」

「右条君に言われたんだよ」


ーー


『日本に戻りたいか?

ならばこの異世界を破壊しろ』


「本当に帰れるの? 日本に」


『異世界が滅べばだ。さぁ異世界という器を壊せ。

リミッターははずしておく』


ーー


「止まらない。止まらないの。もう自分の意思はではどうすることもできない」

「瑠美花。待ってて私たちがすぐになんとかするから」

「セツナ⋯⋯」

「そうか。吉備津さんの能力は対象を破壊するまでは止まらない。

右条君はその対象を異世界にしたんだ」

「だから右条は瑠美花を必要としてたってこと?」

「はやくなんとかしないと」

「瑠美花。どうしてそんなに日本に戻りたいの?」

「おばあちゃん⋯⋯私、両親と一緒に住んでなくて、おばあちゃんと2人で暮らしてた。

おばあちゃんが心配なんだよ。だからはやく帰りたい」

「吉備津さんは僕を破壊したい?」

「急に何⁉︎」

「したくない⋯⋯」

「だったら戦おう。自分の力と。僕に考えがある」

「何をするつもりなんだ?」

「僕たちの力を目一杯ぶつけて吉備津さんの力を打ち消すんだ」

「なるほど⋯⋯」

「だけどそんなことしたら川南君とセツナが無事じゃすまない」

「大丈夫だよ。僕たちを信じて」

「どうしてそこまでして私のことをかまうの? さっさと逃げればいいじゃん!」

「鈍いな。僕は君に側にいてほしんだよ」

「⁉︎」

「僕は吉備津さんのこと⋯⋯いや、瑠美花のことが好きだーーッ!」

「⁉︎」

「よく言った!」

「は? 川南君⋯⋯マジ? こんな奴でいいの? めんどくさいやつなんだよ。

私、川南君のことよりもおばあちゃんのことが一番なんだよ⋯⋯それでもかまわないの?」

「そんなことかまうもんか! 全出力でいくよ!」

「瑠美花、一番めんどくさいやつはこいつなんだ。2人なら大丈夫だよ」

「ちょっと何言ってるのセツナ」

「瑠美花さんのめんどくさいところもおばあちゃんのことも全部ひっくるめて好きになるだけだー!」

「告白キモいぞ。だけど私が怪力で背中を押してやる。いっけー!」

「だったら 川南君! 私のことお願いします!」


***

「その日、フェンリファルト皇国の領土全域が眩い光に包まれた。

川南君と三好さんと吉備津さんはお互いに力をぶつけ合ってこの異世界の破壊を最小限に食い止めた」

「⋯⋯」

「その3人はそれから行方不明になっちゃったけど⋯⋯」

「月野木さん、私は3人の決死の努力をムダにしたくないわ。

あなたのことを弱いと罵ってきたことを謝る。

月野木さんと一緒に戦わせてください」

「紡木美桜が妾に(こうべ)を垂れるか」

「私は陽宝院も壮吾も東坂君も居なくなってはじめて気づいたの。

真に弱いのはこの私だって。だから力を貸してください」

「良かろう。ディフェクタリーキャッスルへ一緒に参ろうか」

「ありがとう⋯⋯」


この日、みおちゃんは月野木さんが差し出した手を握りしめ

枯れるまで涙を流した。

こんなみおちゃんははじめてみた。

誰にでも怯むことのない強い女の子ーー

だけどこれが本当のみおちゃんなのかもしれない。

私とおんなじ普通の子。

もう強いみおちゃんじゃなくていいんだよ。

目の前で友達がいっぱいつらかったよね。

ありがとう私のヒーロー⋯⋯



つづく









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