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姉淫魔が鬱になっちゃった話  作者: みぎゃー


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5/19

#5.ハデスとアンデッドマスター

三日経っても輸血元となったメアが起きない事に違和感を感じて、

リリムはメアの心臓の音を聞こうとした。


しかし彼女の心臓からは音が聞こえず、身体からは熱が失われていた。


「え・・・もしかしてメア、死んでる・・・?」


リリムは心底ゾッとした。

淫魔上層部から推薦される程に実力・政治力ともに優れていたメア。

そんな彼女と同じ血液型のリリスを救う為に輸血を頼み込んだ。

そうしてルシファーによって行われた施術は魔法の力を使ってはいたが、

特に問題の無い施術のように見えていた。


数日間は寝込むと言われていたが、心臓の音さえ聞こえないのは問題だ。

リリムはルシファーを呼ぼうとしたが、そこへ2人の魔物達が現れた。


「あなた達は…死神ハデスとアンデッドマスター?」


「最も、私は死神ハデスだ。この魔物の魂は既に体を離れているようだ。

 刈り取り損ねてしまい、大変勿体ない事をした。」


死神ハデスは環状の抑揚の無い言い方で語った。

続けて下品な笑い方でアンデッドマスターが言った。


「ケヒェヒェ、コイツの亡骸使ってアンデッドにするぜぇ。

 元々は優秀な淫魔だったそうだな。

 お、そうだ。どうせ便所みたいな売女なら、コキ穴にしちまうか。」


アンデッドマスターのあまりに死者を冒涜するような言い方に

リリムが反発する。


「ちょっと、まだ私メアの死を受け入れられてないのに、

 何勝手に遺体を使おうとしてるのよ。

 大体ね、淫魔は売女でも無ければトイレでも無いわよ。

 アンタ、本当に下品な魔物ね。ハッキリ言って嫌いだわ。」


「お前に嫌われようがどうしようが、オレ達アンデッドマスターは

 こういう生き方、性格なのさ。種族について文句を言うなら

 逆に種族に関して揶揄されても仕方ないだろ?」


「ぐっ、この低級な魔物め…同じ魔物として恥ずかしいわ。」


「フン、何とでも言え。さぁて、中身をくり抜いてオナホにするか。

 特にオーガとか性欲凄いのにデカチンポ過ぎて入る穴が無いから、

 重宝されるぜぇ、コイツはよぉ。」


リリムはアンデッドマスターの語る今後の遺体の処遇についてを聞き、

吐き気を覚えながらも彼らの役割に関して邪魔立ては出来ない為、

ただ聞かなかった事にするしか無かった。


「メア…どうしてこんな事に。

 嫌なヤツだったけれど、別に何も輸血して死ぬ事は無いじゃん…。

 仮にもお姉ちゃんの命を救ってくれた恩人なんだから、

 一度くらい私が採取した精液を飲ませてあげたかったよ…。」


リリムは後悔を語ったが、それはもうメアには届きそうに無かった。


そこへ、リリスが先程までのやり取りの中から自身の責任を責め始めた。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

 せっかくリリムが依頼して、それで私に血を分けてくれたメアが

 血を取られた事で命まで取られてしまって挙句にあんな風に言われて

 死後もその骸が弄ばれてしまうなんて…私のせいだわ。

 私なんて、居なくなれば良いんだわ…。」


そうして自害しようとするリリスに、死神ハデスが囁く。


「どうせ命を絶つのならば、私の鎌でそうしてしんぜよう。

 そうする事で私の死神ポイントもお得に貯まるからな。」


ハデスの背中にはラミネート加工された紙が貼り付けられており、

『死神の鎌で死ねばポイント30%増量キャンペーン!』と、

デカデカと書かれており、しかしその筆跡はAIを使用していた。


「自作出来なかったの?絵、下手なの?」


「死神に絵の巧さなど必要ない。」


しかしそう言ったハデスのマントが風で翻った時、

裏側には練習で描いたであろう手書きのイラストがあった。


「案外悪くないじゃん!手書きの方が温かみがあるよ?

 まぁ、死神の鎌で死のうってイラストに対して

 温かみも何もあったものじゃないのかもだけどさ。」


「!?」


ハデスは自らの自筆のイラストを見られた恥ずかしさからか、

そのままスゥーっと消えて行ってしまった。


「ありゃ、消えた…。まぁ正直邪魔だったから良いんだけどね。」


リリスは一連の騒動の中で自害しようと言う衝動を忘れていた。

そしてただ、メアへの後悔を語り始めた。


「メア…私の唯一のライバルだった。

 切磋琢磨して、どちらが先に上層部に取り入るかって

 高みを目指していた。だけどメアの方が心は強かった。」


それは自身が鬱になってしまった事への自嘲であった。


「もう、次期淫魔界隈の上層部になる器はボロボロね。

 メアも居なくなり、私もこの有り様。

 きっと統率が取れなくなり、好き放題にやるようになるわ。

 まぁでもその方が原初の魔物らしいかもね。

 税だけ取って厳しい規則だらけを設けるだけ設けて、

 結局自分達は美味しい思いをしている上層部なんて

 居ても居なくても同じ、むしろ害悪でしか無いかも知れないわ。」


鬱になったリリスには、既に向上心は失われていた。


「お姉ちゃん…。

 ねぇ、とびっきり美味しい精液を食べたら少しはマシにならないかな。

 私、もう一人でも搾精出来るようになったんだよ。」


「あのね、リリム。

 気持ちは嬉しいけれど、美味しい精液はそもそも搾精が難しいの。

 それだけ活力溢れる人間の男は好戦的だし、実際に強いの。

 だから今はそう言う美味を求めてはダメよ。

 そこそこで良いのよ。別にお腹を満たすだけなら、

 美味を求めなくても良いわ。」


しかし、それでもリリムの中には元気な精液を飲ませれば少しは

リリスが元気になってくれるのでは無いかという思いがあった。

そこでリリムは優秀な精液を求めて『レイプ塾』なる施設を尋ねた。


「ごめん下さい。貴方達を搾精したいのですが。」


すると施設の中から男達が現れた。

挑発されたとあって、その表情は怒りに満ちている。


「おい、ふざけんなよ!搾精だぁ?

 だったら逆にオレ達がお前を犯してやるよ。

 この淫乱淫魔め!」


男の中の一人がリリムに向かいファイティングポーズを取った。

しかし空かさず、リリムの尻尾が腕を貫く。


「痛っっっっっってぇーーーーーー!!!!!!!!!!!」


腕を貫かれて痛みにのたうち回る男。

リリスは更に男の睾丸に尻尾を突き刺した。


「あ”・・・がはぁ・・・」


男は痛みから抵抗すら出来ず、ただ搾精され続けるしか無かった。


「ふぅ、お腹いっぱい。

 ・・・ありゃ、搾精が気持ち良すぎて失神してる。

 ふふ、こう見ると人間って案外チョロいものよね。」


しかし更に奥の方から、もう一回り体格の大きな男が出て来た。


「淫魔が調子に乗りやがって。

 言っておくがオレは淫魔バスターの浩司だ。

 淫魔どもを返り討ちにして犯すのが趣味なんだ。

 さぁて、それじゃあその細い腕をへし折らせてもらうぜ?」


そう言うと男は一瞬でリリムとの間合いを詰め、腕を掴んだ。


「ヤバッ…このままじゃ反撃出来なi…」


━ボキィッ!!━


男は躊躇する事無くリリムの左腕を肘からへし折った。


「あ”・・・がぁ!!

 痛い・・・痛い痛い痛い痛い痛いーーーー!!!!!!!」


リリムは倒れ込み、ゴロゴロと痛みにのたうち回る。

しかし男の前でそんな無防備な姿を晒せば当然、格好の的である。

男はリリムの上に馬乗りになり、リリムの顔を殴り始めた。


「オラッ、ナメんなこの淫魔が!ナメるならチンポにしろ!

 大体なぁ、お前ら魔物には人権が無いんだからよぉ、

 いくら好き放題しても良いんだよなぁ、だから好きなんだよ。」


━バキィッ!ボゴッ!ドガッ!!━


次々に容赦なく繰り出される連撃に、リリムは泣き出してしまった。


「と”ほ”し”て”…ど”ぼ”し”て”こ”んな”事す”る”の”ぉ”-ー!!」


先程の腕を折られた痛みに慣れる事も無いまま、間髪入れない連撃。

もはやリリムは戦闘意欲は0だった。


「ハッ、最初にオレらをエサにしようとして来たのはそっちだろ?

 自分がやられた時だけ被害者ヅラしてるんじゃねぇぜ、このビッチが!」


リリムが残った細い右腕で顔を庇おうとしている所、

今度はいきなり腹に強烈な一撃がヒットする。


━ゴボォッ!!!!!━


リリムは一気に腹の中のモノが逆流して吐瀉物として吐き出した。

そして白目を剥き手足はピクピクと痙攣している。


「ふぅー、やっぱ淫魔って弱ぇな。

 そこらの女と変わらねぇじゃねぇか。

 しかもコイツもまた吐きやがった。どうせ漏らしてもいるんだろ。

 犯すまでに一回水撒いとくか。」


そう言って男は奥の方へとホースを取りに行った。

逃げ出すならこのチャンスしか無い。

しかしリリムは全く体が動かなかった。


「助け・・・て、ルシファー様・・・。」


しかし生憎、ルシファーは別の案件で多忙だった。

奥の方では男が鼻歌交じりにホースを探している。

1mmでも体を動かそうとすると体の各所が酷く痛んだ。


「どうして...どうして私達姉妹ばかりこんな目に…。

 ただ淫魔に生まれただけなのに…何が悪いのよ…。」


そこに、メアの死に際して魂を刈り取り損ねた死神ハデスが現れた。


「先日の淫魔よ。あの男が憎いか?」


「死神、ハデス…。うん、憎いと言うより今は怖い…。

 お姉ちゃんを残して死にたくないよ…。」


「そうか。ならば私があの男の運命を死へ誘っても良いぞ。

 ただし、それには交換条件がある。」


「何?今の私ならどんな条件でも飲んでしまうかも。」


「お前が死の間際にはその魂を刈り取る契約をしろ。

 もう転生は叶わぬが、今は乗り切る事が出来る。」


「・・・・・・・・・・・・・・・わかった。

 どうせこのまま死ぬくらいなら、もう無い命だもん。

 アンタに私の命、預けるよ。」


「フフ、急かすような場面で現れてしまってすまんな。

 それでは、あの男に復讐してやろう。」


男は鼻歌を歌いながらホースを手に持ち戻って来た。


「さぁ、そのくせーメスの身体を洗うぞー。

 いくらメスだからって良い匂いがするワケねぇもんな。

 むしろ、メスの方が色々と溜め込んでてクセ―んだよな。」


男は玄関に戻って来次第、大きな体躯の死神に対峙する。


「って、うぉっ!え、えぇ!?誰だよ、お前!?

 何だ、その鎌は!?」


「私は死神のハデスだ。貴様の命を刈り取りに来た。」


「え、えぇえ!?何だ、あ、その淫魔か!?

 悪かった、返すよ…ヘヘ、ちょっと可愛いから惜しいけど、

 淫魔なんていっぱいいるんだ。命が惜しいから、そんなヤツ

 返すからよ、命だけは頼むよ、な?な?」


「フン、命だけは、か。その命が今主題なのだぞ。」


そう言うとハデスは男の首元に鎌をかけた。


「ちょ、お、おい、冗談だろ?おい、止めろって。

 謝る、その淫魔をイジめた事は謝るからよ、だからホラ、

 な?命だけは、命だけは…」


━ザンッ!━


非常に切れ味の鋭いハデスの鎌は一狩りで男の首を刎ねた。

苦しむ時間すら無かった事はある意味では物足りないくらいだ。


「あ、ありがとう…ございます。」


「フン、その腕を治す力は私には無い。ルシファーにでも頼むんだな。

 それにしてもいくら命の危機だったとは言え、安易に死神と契約とは。」


「だって、あのままだったらあの男に殺されていたわ。

 物理的には殺されないまでも、精神が死んでいたと思う。

 だから、どうせなら貴方に賭けたの。勝率100%にベットした。」


「まぁ、私が決めた運命にはルシファーですら抗えぬからな。

 お前のような一介の淫魔に入れ込むなど、私もどうかしている。」


そう言うと、ハデスはスゥーっと姿を消した。

リリムは非常に危険な一人潜入の結果、何とか精液を瓶に入手した。

そして姉の待つ自宅へと帰った。


「お姉ちゃん!コレ、元気な精液だよ。飲んで?」


「リリム…ありがとう。飲ませて貰うわね。

 ・・・うん、少し美味しさを感じるかも。ありがとうね。」


リリスの味覚は通常よりも落ちていた。

それでも新鮮な精液の旨味がリリスに美味しいと感じさせたのだ。

そしてリリスは、とんでも無い提案をした。


「ねぇ、リリム。お姉ちゃんいつまでも貴女に頼ってはいられないわ。

 鬱状態ではあるけれど、ダウナー系淫魔として頑張ってみようと思うの。

 もちろん無理はしないわ。それでも、実力はリリムより上だから。」


リリムは複雑な気持ちだった。

リリスが一緒に搾精に参加してくれれば百人力だ。

しかし、鬱状態のリリスが搾精に参加する事は本当に大丈夫なのだろうか。

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