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姉淫魔が鬱になっちゃった話  作者: みぎゃー


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2/19

#2.やっぱり鬱だったお姉ちゃん

朝起きられなくなってしまった淫魔姉妹の姉リリス。

他の魔物から指摘された魔界鬱の可能性を考えた妹リリムは姉に対して

魔界医の診断を勧める。そして二人は魔界医の所へとやって来たのだった。


「いらっしゃい。予約のサキュバス姉妹だね。こちらへどうぞ。」


年配の魔界医は姉の様子を見るとすぐに『ほぅ』と関心を寄せた。


「随分と疲れているようだね。もしかしたら精神的なものかもね。」


魔界医はリリスの身体をアチコチいやらしく触りながら、触診をした。

そして、ある箇所に気が付いた。


「ん...胸のハリが無くなって少し皮が余っているね。

 ブラジャー、合わないんじゃないかい?」


「えぇ、確かに少し前からブラジャーがガバガバで…。

 だけど、どうしてこんな事になるんですか?」


「うーん、コレは魔界鬱の典型的な症状なんだけどね。

 精神的な耗弱によって精力が一気に衰えてしまって、

 身体を漲っていたリビドーが凋んでしまい胸も凋むんだ。」


「そんな事があるんですね…。ブラを買い直さなきゃ…。」


「まぁ、一時的なものであればまた元に戻るんだけどね。

 さぁそれじゃあ、問診を始めるよ。まず、食欲はあるかい?」


「正直…よくわかりません。食べないと、とは思うんですが。」


「よし、じゃあココに若く精力ギンギンな人間の男を置いてみよう。

 どうだい、今すぐにでも食べてしまいたいかい?」


人間の男は身体をギチギチに拘束され、陰茎からは汁が垂れていた。


「いえ、あまり…。というより、この精力が滾った匂いが無理です。」


「ふむ…中々重症かも知れないね。オナニ…自慰は?」


「しなくなりました。股間なんて臭いだけです。」


「あららら…随分と精力減退しているね…。

 それでも、搾精の義務感だけは衰えていないんだね?」


「えぇ、特に妹のリリムだけでは搾精が上手く出来ないから、

 姉である私が一緒に行かないと…。なのにやる気が出なくて、

 本当に歯がゆい思いです…。」


「うーん…言いにくいんだが、キミの症状は魔界鬱だよ。

 コレはまずハッキリと言っておくね。」


その瞬間、リリスは少し驚いた表情を浮かべた。

しかしそれも通常に比べれば薄い反応であった。

リリムはやっぱりと言った感じで目を丸くした。


「投薬治療をしようかね。あとはまぁ、しばらく搾精を止めて。

 続けていると治らないからね。希死念慮とかも増しちゃうし、

 まぁ最悪治りが悪いようなら別の種族に転換しちゃうとかね。

 セイレーンになって歌声で船を難破させたりとか、

 他にも生きる道は色々とあるからさ。」


あまりにサキュバスと言う種族の仕事が合っていなければ、

種族事態を転換する必要があると魔界医は語った。

しかしそれはリリムもろともの種族転換を意味していた。


「そんな、妹は淫魔にやり甲斐を見出し始めていた時期なのに。

 私だけが、私だけが頑張れば良いんです。先生、何とかして

 私のやる気だけが上がるような良い方法はありませんか?」


「ダメだ。そんな特効薬みたいな方法は現代魔界医学では無い。

 残念ながら少しずつ治療して行くしか無いんだ。

 まぁ、税は多少免除になったりもするし、人間の精液を

 瓶に貯めたものが少量だが自宅に届く制度もある。

 生きるための最低限の保障だけはしばらく魔界から送られて来る。

 そう悲観せずに、また搾精出来るようにしましょう。」


結局、リリムとの約束の事もありリリスは診断結果を受け入れた。

そして大量の毎日飲む薬を受け取った。


「コレとコレは昼と夜に2錠ずつ、あとコレは悪心の時だけ。

 この薬に関しては食事3回に対して1回のペースで飲んでね。

 コレに関しては飲んでも飲まないでも構わない、おまじないだよ。」


大量の摂取するタイミングが異なる薬を受け取りリリスは混乱した。

あまり複雑な事が考えられない状態にもなっていたのだ。


「こんなにたくさん、わかるかしら…。」


「お姉ちゃん、私も一緒に薬の服薬の管理してあげるから、頑張ろう。」


「あぁ、それと妹さん…頑張ろうは言ってはいけませんよ。

 本人は今、十分過ぎる程に頑張った結果なんです。

 もうコレ以上お姉さんを頑張らせてはいけません。

 お姉さんはあんな風に言われていましたが…本来なら貴女ももう、

 十分に一人立ちして良い頃です。いつまでもお姉さんに甘えておらずに

 ご自身の力でお姉さんの分まで搾精を頑張ってみては?」


魔界医の言葉はリリムに非常に深く突き刺さった。

自分が一番それをわかっているからだ。

リリムは、また今夜も一人で搾精を頑張ろうと思った。

帰る途中、非常に美味しそうな人間の男がいたが、

リリスが『オスの匂いが気持ち悪い』と言うのであえなく無視した。

最も、リリムが一人で搾精しようとしても勝てそうにない相手だった。


居所に戻り、リリスは安静に寝床横たわった。


「ごめんね、リリム…また今日も一人で搾精に行かせてしまって。

 本当ならお姉ちゃんがもっと頑張れば…」


「ダメだよ、お姉ちゃん。頑張るって言葉は封印しないと。

 大丈夫だよ、昨日はちょっと失敗したけどさ、今日はいけるよ。

 たくさんお姉ちゃんと一緒に搾精して来たんだからさ、

 今日は絶対に上手く行くよ。そして精液を瓶に入れて持ち帰って

 お姉ちゃんにも飲ませてあげるからね。」


リリスは微かに微笑み『いってらっしゃい』とリリムを見送った。

こうしてリリムは二日目の一人での搾精に挑むのであった。


(さて、今日はどの人間にしようかしら…。

 あぁ、でも本当にどんなのにしたら良いかわからないわ。

 あまり元気そうなヤツを選んでも逃げられたり逆に襲われたりして

 選別が難しいわね、さぁどうしようかしら…。)


そこへ、それほど腕っぷしは強く無さそうだが精液の匂いが漂う、

いわゆる『ムッツリスケベ』な男が通りかかった。

リリムはチャンスだと思った。丁度良いバランスのエサだ。


(よし、アイツにしようかしら。

 弱そうだし、背後からとかじゃなく正面から行けそうね。

 今日はご馳走にあり付けるし、お姉ちゃんのお腹も満たせるわ。)


しかし次の瞬間、人間の男は何者かによって捉えられてしまう。


「!?」


びゅるるる!!

男の情けない射精音だけが辺り一面に響いた。

そして男はボロ雑巾のようにしてカラカラに干からびて捨てられた。


「誰!?私の獲物を横取したのは!!」


「アラ、先に目を付けていたのはアタシなんだけど?

 あぁ、アンタ…リスリム姉妹のリリムじゃない。

 お姉ちゃんはどうしたの?」


それは同じサキュバスのメアだった。

同族とは言え同じ餌を奪い合うライバル関係である。

利害が一致すれば協力する事もあるが、基本的には仲は悪い。


「メア…!!

 お姉ちゃんは…ちょっと具合が悪くて寝込んでるのよ。

 だから私一人で搾精に来たのに、アンタに奪われるなんてね。」


「あら、金魚のフンみたいにお姉ちゃんの後ろを付いてたアンタが、

 一人で搾精?笑わせるわね。アンタはそんな力無いでしょ。

 一生お姉ちゃんの後ろに付いて搾精するのがお似合いなのに

 肝心のお姉ちゃんがダメになっちゃったんじゃあ、終わりねアンタ達。」


「お姉ちゃんはダメになったんじゃない!!

 少し疲れただけなんだ、だからお姉ちゃんが元に戻ったらアンタなんて、

 ・・・!!」


その時、リリムの腹が『ぐぅ~』と音を立てた。


「アラ、何?もしかして昨日から何も食べていないのかしら?

 もし良かったらアタシのうんち食べさせてあげましょうか?

 少しは男のエキスが残ってるかもよ?フフ。」


メアはリリムの感情を逆なでるようなふざけた提案をして来た。

もちろん断るリリムだったが、空腹は確かな現実だった。


「アンタがその状態じゃ、リリスも随分と空腹よね。

 出来損ないの妹のせいで、少しの体調不良でエサにあり付けず

 惨めに死んで行くしかないなんて…天下のリリスも堕ちたわね。」


元々、リリスは淫魔界隈では非常に優秀なサキュバスだった。

このまま優秀な功績を上げ続ければいずれは税を受ける側になれる、

そう期待されていた矢先での出来事であった。


「それを邪魔したのがアンタでしょ…!!

 私達姉妹の事を思うなら、さっきのエサだって残せば良かったのに。

 本当に淫魔って言うのは、自分の事しか考えない奴が多いわね!!」


「ハッ、アンタらだってそうでしょ。

 今までそのワガママな性格でどれだけの淫魔達が虐げられて来たか。

 惜しかったわね、時期搾取側に回る予定だったリリスは落選したわ。

 リリスが抜けた穴にはアタシが立候補しようかしら。

 アタシ、リリスの次くらいには優秀だと思うのよ。

 そしたらアンタ達姉妹には重税を課して二人とも終わらせてあげるわ。」


「言わせておけば…!!

 お姉ちゃんが回復したらまずはアンタの邪魔してやるからね!!」


「回復したら、ね(笑)

 もう噂回ってるわよ?あの魔界医結構おしゃべりだから。

 魔界鬱なんでしょ?バカよね、リリスも。そんなに頑張った所で

 結局は搾取側に上手く取り入らないと税を取られるだけなのよ。

 だからアタシは既に搾取側の淫魔様達に体でレズ営業してるわよ?」


そう言ってメアは一枚の紙を取り出した。

そこには『次期搾取側管理者候補:メア』とあった。


「アンタ…!!

 卑怯な手を使ってまで搾取側に回りたいの!?」


「当たり前でしょ。ずっと税を払い続けるなんてごめんだもの。

 どんな方法を使ってでも管理側に行けば勝ち組よ。

 そしてアタシは既にそこに王手、リーチをかけているのよ。」


リリス達がうかうかとしている間に、淫魔界隈は政治的には既に

メアを時期管理者として推す動きが広がっているようだった。

そんな事も知らずに頑張り続ければ報われると考えたリリスは

遂にはその心身をすり減らして病気になってしまったのだった。


「ヒドい…お姉ちゃんはあんなに頑張って来たのに。

 アンタみたいなズルいヤツが楽に上に登るだなんて。

 どうして、世界はこんなに残酷なの!?」


「甘っちょろい事言ってるんじゃないわよ。

 悔しかったらアンタ一人でエサを取ってみなさいよ。

 ホラ、次のエサ候補が来たわよ。特別に今回だけ見逃してあげるわ。

 だけどもしコレを逃したらアンタは一生エサにあり付けない。

 さぁ、アタシの前でその実力を見せなさい?」


こうしてリリムはライバルのメアの目の前で人間の男から搾精と言う

まだ一度も成功した事の無い捕食行動を促された。

果たしてリリムは搾精に成功するのだろうか。

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