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姉淫魔が鬱になっちゃった話  作者: みぎゃー


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12/19

#12.リリスの婚約破棄大作戦

「あぁ、もうダメだわ。やっぱりサタン様マジでおぢ過ぎて…。

 加齢臭もヤバいんだけど、何よりセクハラが酷いのよ…。」


サタンに見初められて半年後に結婚を控えたリリスは、

定期的に数日に一回のペースで通い婚のような生活をしていた。

鬱からは解放された彼女だったが、サタンとの生活には不満があった。


「お姉ちゃん…。

 でも、凄く贅沢な暮らしなんでしょ?

 少し我慢すれば、後はもう何の不自由も無く暮らせるんじゃない?」


「それがね、かなりケチなのよサタン様。

 洗濯物は2~3日に一回だし、浴槽にお湯を溜めずにシャワーだけ。

 電気は自分がいる部屋だけ、食べ物は基本的に外食無し。」


「どうしてそんなに節約家なんだろう?

 全ての魔物の頂点なのに、意味が無いような…。」


「頂点たる者、足るを知れとかワケわかんない事言うのよ!

 あぁもう、また鬱になりそうだわ…。」


リリスのサタン城での暮らしは随分と窮屈そうであった。

それに比べると妹のリリムの暮らしは余裕のあるものであった。


「ルシファー様は、結構色んな所に出掛けていてあまり家に居ないけど

 その分自由に邸宅内の設備は使っても良いからプールとか、

 あとシャワーも好き放題だし…サタン様とは大違いだね。」


「やっぱりルシファー様が良かったわよ。

 私もいっそ、ルシファー様の第二夫人になろうかしら。」


「まぁまぁ、サタン様にもきっと良い所があるはずだよぉ。」


なだめたリリムだったが、相手がガチおぢでは期待薄だ。

リリスは徐々にサタン城での生活のストレス発散のように、

搾精の際には人間の男に強く当たるようになった。


必要以上の痛みや絶望を与えたり、何度も死の恐怖を味合わせて

搾精される男達の精神を破壊する事も多かった。


「お姉ちゃん…最近ちょっとやり過ぎじゃない?

 いくら最後には食べちゃう相手だからって、

 それなりに人間としてのプライドを持ったまま死なせないと

 さすがにかわいそうだよ…。」


「あ”-もう、アンタにはわかんないわよ。

 だったらアンタがサタン城に住む?

 あんな脂ぎったおぢと一緒に暮らすとか、もう我慢出来ないわ。

 本当に鬱が再発しそうなのよ、今。」


しかしリリスの症状は鬱と言うよりは新しい環境に対する

適応障害のようなものであった。

ストレス源から離れる事が何よりの根本治療になるのだが。


「お姉ちゃん…やっぱりサタン様との結婚は止めた方が良いかも。

 ちょっと顔も体もやつれてるし、いつもカリカリしてるし。」


「誰が整形カリカリ女ですって!?

 私は整形なんてしてないし、カリカリ女でも無いわよ!」


「…ほら、やっぱりもうおかしくなってるじゃん…。」


リリムはルシファーに相談し、サタンとリリスの結婚を反故にし、

結婚を取りやめたい旨を伝えた。


「そうか…。しかしサタン様は期待しておられる。

 もしリリスが結婚しないとなれば魔物界全体に対して

 多大な影響が出るだろう。呪いの力により全魔物が鬱になったり

 本当に恐ろしい事になると思うぞ…。」


「そんな…。

 じゃあ、お姉ちゃんはもうサタン様との結婚を止められないの?」


「逆にサタン様から呆れられる程にダメな女を演じればどうだ。」


「なるほど…。お姉ちゃんと作戦練ってみます!

 ありがとうございます、ルシファー様!!」


こうしてリリムはリリスと相談し、サタンにとって結婚に値しない

どこまでもどうしようも無い女を演じる事を提案した。


「なるほどね…。だけどそれってどんなかしら?

 金使いが荒いとかが良いかしら?宝石買いまくったり。

 買ったものが私のものになれば趣味と実益を兼ねるわね。」


「いや、それはさすがに婚約破棄したら返さないとだよ…。

 そうだなぁ、おならが多いとかはどう?」


「え、嫌よ!いくら縁起でも最悪過ぎじゃない!!

 そんなダサい演技は嫌よ。自分の事が嫌になるわ。」


「うーん、でもお姉ちゃん自身もそう思うくらいだから、

 本当に効果あると思うよ?金遣いが荒いくらいだと、

 金庫に隠されたりとかして使えないようにされるだけだよ。」


「うーん、…だけど、おならしまくりと言うのはさすがに…。

 カッコ悪過ぎない?最悪よ、それ。」


「嫌ならサタン様と生活を再開する?」


「…う”、もう…わかったわよ。

 それじゃあ今日泊りに行くから、やってみるわよ。

 後から、あまり事細かに聞くんじゃないわよ?」


「はーい、大丈夫だよ。ちゃんとお姉ちゃんのプライドは守るよ。」


こうしてリリスはサタンとの借りぐらしの中で屁をコキ続ける、

という大暴挙に出た。

サタンは最初は「大丈夫か?何か悪いものでも食べたか?」と心配したが、

リリスが「実は私、おならが凄く多いんです」と言うと、言葉を失った。


サタンの顔から困惑と後悔が見えて来た。

ここでリリスはサタンに提案をした。


「サタン様…私、やっぱりサタン様には相応しくないのでは?

 こんなにおならばかりの女、サタン様には不釣り合いです…。」


リリスは残念そうな顔を演技し、サタンもそれに同調した。


「…うむ、残念だが流石に屁が多い女は無理だ。

 お前は妹とまた屁の多い暮らしを再開するのかも知れぬが、

 …あ、そうか妹はルシファーと結婚するのだな。

 と言う事はお前は一人屁をコキまくる悲しい独身女か。

 非常に心苦しく惜しい事だが、仕方あるまい。

 これから、お前の多屁癖が少しでもマシになるよう祈ろうぞ。」


こうしてリリスは見事にサタンとの婚礼を回避したのだった。


~~~


「リリム、やったわよ!サタンとの婚礼を反故に出来たわ!!」


「わぁ~、お姉ちゃんおめでとう~~~!!

 だけど、お姉ちゃん今おならしたでしょ?」


「え...、いや、そんな筈は…。アレ、でもしちゃったかも…。」


「お姉ちゃん、演技がガチになってるくない?

 ってか多分、摂取した精液の質が悪かったんだよ。

 やっぱり、摂るものは厳選しないと…。」


リリスは自分の身体が恐ろしくなった。

少しの間の演技だけでもう、身体の仕組みが変わりつつあった。


「嫌よ、そんな…。すぐにでも元通りの身体に治さないと。」


リリスはガス・ストッパー拓也と言う変態族の人間に出会った。

彼は多屁症の人々の希望の星だ。


「なるほど、一度自分のプライドを壊したら、今度は屁が出まくり

 それを止めたい、と…。わかりました。

 それでは呪いを掛けますので、身代わりを差し出して下さい。」


「え、身代わり?どういう事?」


「世界の屁の総量は変えてはいけません。

 つまり、あなたが出すはずだった屁を誰か他の者が肩代わりし、

 その為には犠牲になる者が必要なのです。」


「うーん、だけどリリムやルシファー様はあり得ないわね。

 サタンを使うと演技だったってバレるし。

 あ、臭くても問題無いと言えばアイツがいるじゃない。」


リリスは蠅の王たる魔物、ベルゼブブを呼び出した。


「おぅ、何だリリス。蠅の王たる俺様を呼び出すとは、

 尋常じゃねぇな?何か大きな事件か?」


「いえ、私の代わりに屁をコキまくる魔物が必要で。

 いつもうんこ食べまくってるアンタなら、

 匂いとか全然気にならないでしょ?」


「お前なぁ!バカにすんなよ、うんこ美味いんだぞ!?

 まぁでも、そういう事なら良いぜ。

 オレは屁をコキたくてコキたくてウズウズしてるんだ。

 さぁ、サッサとその儀式をしてくれよ。」


ガス・ストッパーの男はドン引きした。

通常、生贄に使われる者は泣き叫ぶか浮かない顔をしている。

しかしベルゼブブはかなり前のめりに乗り気でいる。


「わ、わかりました。それでは祈りを始めます。

 すぐに済むからジッとしていて下さい。ハァ~」


男が祈り始めると、二人の尻から煙が上がり、それが繋がった。

そして男が「ブゥッ!」と大声を放った途端、それがプツッと切れた。


「わ、切れちゃった。コレで祈りは終わりかしら?」


「えぇ、コレでベルゼブブさんはかなりおならが多くなります。」


言うが早いか、早速ベルゼブブは屁をコキ始めた。


「プップッぷぷぅ~、ぶりびりぶりびひゅ…ぷっ!パスパス…」


あまりの屁量にガス・ストッパーとリリスはこの場を逃げ出した。

ベルゼブブは一人勝ち誇り笑っていた。


「アッハッハ、最強のおなら魔人だぜオレ様は~!!

 さぁ、嗅ぎたいヤツらはオレ様に付いて来な~!!

 行くぜ、ブッブブー!!」


ベルゼブブは屁の量が驚く程に増えて上機嫌だった。

リリスはその様子を見て大変複雑な気持ちになった。


「アレ、私のおならの肩代わりなのよね…?

 ま、まぁでもあまり深く考えないようにしないと。

 また鬱っぽくなっちゃうわ。」


こうしてリリスのサタンとの婚約破棄と

それに付随する屁問題は全て解決した。


しかしリリスの中にはルシファーと結婚する妹リリムに対して

嫉妬のような感情が沸き上がり始めていた。


「どうしてあの子が私よりも幸せを得るのかしら。

 …そうだわ、そもそもルシファー様は私を好きだったじゃない。

 と言う事はあの子の結婚も破棄させれば良いのよ。

 そしてルシファー様と結ばれるべきは私。

 コレで私の物語はハッピーエンドよ。

 さぁ、そうと決まればどうやってあの子にダメ―ジ少なく

 ルシファー様との結婚を諦めさせられるかしらね。」

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