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イグナイトスター  作者: クリスタルラブ
始まりの世界
9/12

凍りついた心臓


「それで勝てるつもりか?」

敵の右手から大剣が生み出された。敵も想像の力なのか。大剣を地面に叩きつけて竜巻を発生させてきた。危なげもなく攻撃を交わす。しかし後ろからの奇襲には対応できずに吹き飛ばされる。


刀を投げて、氷の弓矢を作る。確かに刀が敵の心臓を貫いたはずだ。なのに刀は通り抜けている。夢像は不敵な笑みを浮かべながら近づいてくる。向こうは攻撃をしてこない、それが不気味で緊張が増して指が震えて照準が定まらない。


気づけばフィールドの端に追い込まれていた。運に任せて氷の矢を放った。油断していたのか、それかたまたまなのか分からないが矢が見事に命中して氷が着弾したと同時に針になって敵が串刺しになる。


(これで数秒は動きを封じれるはず、今のうちに距離を取って…)


「駄目じゃないか…戦闘中に、しかもタイマンで背中を見せるなんて」

背後から嫌な気配がした。無防備な背中を刀で切りつけられて足でけとばされてしまう


フィールドの結界に体を強く打ってしまう。

「まだ、倒しはしない…もっと楽しみたいからな…本当の弓矢を見せてやろう」


「損傷確認…戦闘続行可能」

まだ戦える、何とかして体を起こして敵の様子を見つめる。


「十六夜薔薇」

夢像が唱えると、構えられた指から黒と赤を纏った矢がこちらに放たれた。確実に当たれば負けてしまう。巨大な壁を生成して耐え凌ぐ。しかし薔薇のような棘が壁を貫通して頬をかすめた。


「安心しろ、当たらないようにしてある」

いきなり現れた夢像に翻弄される。攻撃しようとしても毎回背後に姿を現してくる。


「遅い遅い。根本的に動きが鈍いのだ」

軽々と足であしらわれてバランスを崩してしまう。

「武器なの生成しなくても勝てそうだな!」

脇腹を蹴られて地面に転がってしまう。多分あと数回攻撃を食らえば負けてしまう。


(どうにか…敵の弱点か代償を見つけないと)


「遠距離戦か?オレの得意でいいのか?」

夢像はあざ笑いながらまたこちらに近づいてくる。


代償が一つ分かった気がする。能力も全て読んだ。今度は反撃の番だ。

刀を生成して夢像に向かって投げた。今度は心臓に当たると心臓が少し欠けた音がした。


「飽きた…ここで倒す!」

夢像の斬撃が僕の体を撃ち抜いた。

「本気を出せばこれぐらい強い。勝つためにはこの屈辱を忘れないことだな」


「それはどっちのことかな?」

巨大なハンマーを生成して心臓を叩く。するとコップが割れたようにパキン!と大きな音を鳴らして心臓が丸裸になる。


「心臓は水でできてたんだな」

敵はまた背後に回り込んで反撃を始めようとした。それも全て読んでいた。


「お前の敗因…それは最初の段階で俺を倒さなかったことだ」

背後に姿を現した敵に向かい刀を空振らせた。そして水をまき散らし氷の矢で夢像を動けなくし棘で串刺しにした。


「貴様…イマジナーは嘘だったのか…未来予知の能力は卑怯だ…」

「君の能力は初見殺しだけど、分かりやすいね、代償は攻撃をしたら敵の背後に瞬間移動するだろ。一見有利かもしれないが、一度気づかれれば終わりだ。まあ君の力は真似させてもらうよ」


「闇に堕ちろ」

 

氷の矢を圧縮して敵の心臓目掛けて放り投げた。勢いよく棘が放たれて、凍った心臓を一気にバラバラにする。跡形も無く完全に砕け散った。

「この…卑怯者がー!」


叫びながら夢像は小さい粒となって地面に染み込んでいった。


「おめでとうございます。1次試験合格です。この競技で90点以上を取れた貴方はそのまま最終試練を受けることが可能です」

「もちろん。最終試練を受けるつもりでいる」


「分かりました。ではテレポートまで少々お待ちください」


ちなみに2次試験は1次試験で不合格の場合に受けるらしい。最終試練では体力もバイタル値もリセットされる。この上ないぐらい、良心的な設計だ。


「さて…私の出番か…もちろんここまで来ると思っていたよ」

あの赤い瞳の男性が現れた。


「おや自己紹介がまだだったね。私の名はスローベル博士だ。もちろん、君に負けない実力は持っているよ」


「さぁ…この止まった時間で。私を倒してみろ!この世界を守る者よ!」


(第2ラウンドか…心が燃えてきた!)


今回は一筋縄ではいかなそうだ。

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