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イグナイトスター  作者: クリスタルラブ
始まりの世界
8/12

試験


試験の緊張で寝付けずにいた。

「まだ、起きてますか?」

雪の結晶から声が聞こえた。その声が聞こえると緊張が少し緩んだ。


「明日の試験で緊張しちゃって…寝付けなくてね…」

雪の結晶が白く光って、ローリエが姿を現した。


「大丈夫ですよ、今の貴方なら、試験に合格する実力は充分にあります。注意する事は、戦う能力ではなく、柔軟な思考や判断も点数のうちに入るので、臨機応変に対処する必要があります」

 

彼女はふぅ…と息を吐いてこちらに近づいてくる。月明かりに照らされる横顔は少し涙の膜が張ってある。


「ですが…無理はしないでください」

 

白く細い手で頭を撫でられる。ひんやりとした指が心地良くて、雪の中に体が溶けていく感覚がする。


目が閉じる間際に、彼女は少し寂しそうな笑みを浮かべた。

 

「おやすみなさい…イマジナーさん」

その一言を聞いて完全に深い眠りについた。


――――

数百年…数千年の長い時でも彼といれるなら全て愛おしく思えた。


「イマジナーさん、先ほどのデータは修理できましたか?」

私は眠たそうに目を擦る彼を愛おしく見つめる。


「問題ない。君は休んでてくれ」

顔色の悪い彼の手に自分の手をそっと重ねた。

「無理は良くありませんよ…私もイマジナーさんの隣にいます」


「すまない…余計な手間をかけてしまった」

私は勢いよく首を横に振った。

「そんな事ないです。一緒にこの世界をもっと平和で楽しいものにしましょう!」


「そうだな、ありがとう。君がパートナーで本当に良かった」


その告白とも取れる言葉に顔を真っ赤に染めてしまう。

「もう…イマジナーさんはまたそんな事を言って…でも私もそう思ってますよ」


無造の世界から生み出した一つの世界。まだ謎が多いこの世界を一つ一つ解き明かしていきましょう。


――――

何か、暖かい感触がする。氷の様に冷たいのに指先がほんのりと温かい。寝起きで重たい瞳をゆっくりと開いてその存在を確認する。


「あ…ようやく起きた」

ローリエがベッドの縁に座っていた。彼女の手が僕の頭に置かれていて、多分撫でられていたのだろう。


「君を呼んだ覚えはないよ」

「実は、私の意思で姿を表せるようにしました。それにいつでも会える方が得策でしょう」


そんな毎度の事、姿を現されてもこっちが困る。フェルン達にはなんて言おう。パートナーと呼ぶにはまだ早いし、とりあえず、味方って伝えとくか。


氷の弓の代償で冷たくなっていた両腕もようやく温もりを感じるようになった。


「もうちょっと、隣にいたかったな…」

ローリエを雪の結晶に戻してポケットに入れた。


身支度を済ませて、想像の力で水を作る。まだコップ1杯の水しか作ることは出来ない。なんも変哲のない水だ。心臓に染み渡る感じはあるが特段おいしくない、まるで僕の心を表しているようだった。


まだまだ始まったばっかりなのに、こんな自分では世界は救えない。今日の試験は絶対に受かってみせる。


フェルン達は、大豆畑事件の解決に向けた調査隊の護衛をしている。まだ警戒令は解除されておらず、武装状態のファイラー達が街を巡回している。


始めて一人になった気がする。こうして思う事は意外と孤独は寂しいことだと思い知らされた。


研究施設に着いた。照明証を見せて中に入れさせて貰い、試験会場まで向かう。


「おやおや。君が期待の新人かな?」

僕の肩に馴れ馴れしく手を置いてきた男性は赤い瞳で僕の心を掌握するように見つめてくる。


「想像の力の試験を受けに来ました」

「私が直々に案内してあげましょう。君はVIPだからね。最高難易度の試練を用意したよ。メンタル、実力、知恵。君の能力全てがここで試される。もちろん君なら満点だろうけど、アッハッハー」

少し嫌悪感を抱きながら、彼の案内に従う。一つの白い扉に着いた。ここが試験の場所だろう。


「この扉に入った瞬間に試練開始だ。そして、これは没収だよ」


氷の結晶を彼に取られてしまった。持ち込み禁止なので致し方ない。


扉に入った瞬間無機質なナレーションの声がフィールドに響く。

「試験は全てで5個のフィールドで構成されています。最初は、戦闘能力など、次に知恵を用いる試練…そして最後の試験は、今だ破られてない眠りの時が待っている。データで体の損傷を判断して戦闘不能になった場合、制限時間を越してしまった場合は強制的にフィールドから退場させてもらい、不合格といたします」


説明が終わって、地面が赤いオーラを纏った土に変化して、空も異様な雰囲気となる。


「ヨウヤク、セントウ、デキル。タオス」

 

(初っ端から逆夢級8体か…骨が折れるな)

 

右手から光沢のある刀を生成する。今まで以上に軽く、アメストに近い様に感じた。敵の攻撃を軽い身のこなしで避けて、回転をつけて、広範囲に攻撃をする。


夢像はうめき声を上げながら光となって消えてゆく。


「やるではないか…では私が勝負をいたそう」

 


(完全な知性を持った夢像…まさか悪夢級、この威圧感に、圧倒的な自信。間違いない悪凶夢級だな)


冷静に相手を観察する。どんな敵も必ず弱点は存在するはず。ジリジリと敵が距離を詰めてくる。刀を構えてどんな攻撃にも反応できるようにする。


敵が突撃してきたので、こちらも刀を振りかざした。熱戦の火蓋がたった今切られた。

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