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辺境農民の俺、騎士になったら世界を救うことになりました  作者: ニャンコ
第三章 『テルス』

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第九話前編 『光環騎士団(トゥエルブ)での初任務』

 新章突入!

第三章です。グレンは、アステカの最強騎士団員。どんな活躍を見せてくれるのでしょうか。

 王城に程なく近い位置に

      珍しい形状の建物がある。

 一見すると出入口が見当たらない。

そして円柱形。


     『光環騎士団本部』


 本部と言っても、生活できる設備がある

会議場。

 グレンの初任務は、ここから始まる。

所謂、ブリーフィングに出席する為に

ここに来た。カイルの案内により不思議な

入室方法で会議室(ブリーフィングルーム)に通された。

 巨大な円卓、

正面後ろには光環騎士団(トゥエルブ)の紋章がある。


「すまないな、直ぐに始めたいのだ。

     まずは席に着いてくれたまえ」


 グレンにとって初対面の騎士たちが、

着席し待ち構えていた。

 促されたグレンは、

その騎士の隣の空席に座ろうとした。


「いや、そこはお前の席じゃない、

      オレの席だ」


 カイルは、そう言って席に着いた。


 先程の騎士が言う。


「サード、

キミは何の説明もしていないのかい?」


『サード?』

     グレンは首を傾げる。


「まあ、そう言うなよセカンド、

   このほうが面白いじゃないか」


『セカンド?カイルさん何言ってるの?』

     グレンは混乱している。


取り敢えず席に着こうと、辺りを見渡す。


『え?一番奥の正面席?』

     グレンは狼狽(うろた)えている。


「さあ、かけたまえ、

     キミの席はここだよ」


 隣の席、

着席した場合、右隣にあたる騎士が言う。


『こ、ここって

  リーダー的な人の席なのでは?』

     グレンは変な汗をかいた。


「ようこそ、コンプ」


『え?なになになに?

   僕、出汁とられるの?』

     グレンは変な妄想をした。


「クックックっ」


 肩を震わせてカイルが笑った。そして、


「悪いなイレブン、

    後で説明してやってくれ」


 カイルは、笑いを堪えきれていない。


「では始めようか、

    今回も魔物関連の任務だ」


 場のルールが分からないまま、

グレンは任務内容をきいた。


          ◆


 会議室を出たグレンたちは、

王城を離れ、任務の目的地へ向かう。


 移動しながら、任務の内容を確認。


「今回の任務は、魔物の討伐だ。

出現が確認された場所へ向かい、

周辺の安全を確保する」


「それだけですか?」


「今のところはな。

特別な情報があるわけじゃない。

現地で状況を見て判断する」


 カイルの説明は簡潔だった。


 そして、イレブンの説明は丁寧だった。


          ◆


 簡潔に言えば、光環騎士団(トゥエルブ)に序列はない。

 しかし、明らかに抜きん出た存在。

強さだけではないその存在は、いつからか

“THE FIRST”と呼ばれるようになった。

 そして、いつしか

それぞれの呼び方として定着した。


          ◆


 グレンにとっては、

光環騎士団(トゥエルブ)の一員として初めて参加する

任務だ。だが、緊張している様子はない。

 いつものように周囲を観察し、

仲間たちの位置や動きを確かめている。


「グレン。

現場では、目の前の敵だけを見るなよ」


「はい」


「遠慮はいらん。お前の力を示せ」


「分かりました」


 返事は素直だった。

しかし、

先程のことは少し引っかかっていた。


 カイルはそれ以上、何も言わなかった。


          ◆


 魔物が現れたのは、

街道から少し外れた一帯。

 先行していた騎士が、

        こちらに合図を送る。

 数体の魔物が、

散開して人間を探すように動いていた。


「まずは周囲を確認する。

       人影はあるか?」


「無いな!」


「よし。行こう!」


 騎士たちが動く。

グレンも一歩踏み出した。


      『魔物討伐』


 グレンは新人らしからぬ働きを見せた。

王都の悪夢(ノック)で見せた戦い方、

 自ら敵を倒すだけではない。

味方の動きを読み、

戦いやすい状況を作り出す戦い方、

王都の悪夢(ノック)の時のように。


 グレンは非凡さは、強さより寧ろ

その順応性。光環騎士団(トゥエルブ)の中にあって

連携に全く違和感が無かった。

 

 戦闘はすぐに収束する。光環騎士団(トゥエルブ)が

出れば手が掛かる戦闘ではない。

 その程度の規模だった。


 最後の魔物が倒れ、

        周囲に静けさが戻る。


「これで終わりか」


 そう言って、騎士の一人が剣を収める。


 「また、抜かなかったな」

     カイルはニヤリと笑う。


     グレンは

「抜く必要ないぐらい、

    先輩方が強かったです」


    『アステカ最強の騎士団』


「これがトゥエルブ…」


 初任務は、無事に終わった。簡単に討伐

出来たことにグレンは、トゥエルブの力の

一端を見た気がしていた。


          ◆


 帰路につく前、カイルは報告を受けなが

ら、現場をもう一度見渡した。


 魔物の数。現れた場所。戦闘の痕跡。

 どれも、特別おかしいとは言えない。

 魔物が人間の生活圏に現れることは、

無かったわけでは無い。


 それでも。


「……どうしたんですか、カイルさん?」


 グレンに声をかけられ、

カイルは視線を戻した。


「いや。何でもない」


「そうですか?」


「ああ。帰るぞ」


 カイルは、それ以上何も言わなかった。


 まだ、

違和感と呼べるほどのものですらない。

 ただ、何かが引っかかっていた。


          ◆


 帰還したカイルは、過去に報告された

魔物の出現記録を確認した。


 今回の任務だけを見ても、

     分かることはない。


 ならば、過去の事例と照らし合わせれば

何か見えてくるのではないか。

 そう考えたのだ。

 だが、記録を並べても、

  明確な共通点は見つからなかった。

 発生した場所も時期も異なる。

魔物の種類にも、目立った偏りはない。


「……考えすぎか」


 カイルは書類から目を離した。


 何かがあると断言できる材料はない。

そもそも、

何かがあると決まったわけでもないのだ。

 魔物の出現が報告された地域で、

何かを知っている人物はいないだろうか。

 そうして候補を洗い出していくうちに、一人の貴族の名が挙がった。


 貴族が容易く

本当の事を話すわけでも無いが、


「……ひとまず、話を聞いてみるか」


 これといった手掛かりはなかった。

兎に角、情報が足りない。闇雲だが、

地道に調べてみることにしたのだった。


          ◆


 手入れの良く行き届いた庭。

とある貴族の邸を訪ねた。


 門を通り、案内された玄関先で、

カイルとグレンは従者の対応を待った。


 執事らしき従者が屋敷の奥へ向かう。


「旦那様、お客様がお見えでございます」


「そう、お通ししなさい」






後編につづく

 ちょっと変わった騎士団

光環騎士団(トゥエルブ)です。

 これから何が起こるのでしょうか^_^v

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