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双月のヒナ 〜禁足地の戦乙女〜  作者: 哀川 とあ
序章  〜力の根源〜
6/12

特別編 エピソード3 ヒナ15歳 猿と日常

特別編 エピソード3 できました


ヒナの成長録として、特別編を読んで頂けれ


ば本編開始時に役に立つと思います


まだまだですが読んで頂ければ幸いです

 轟音。


 巨大な木が吹き飛び、地面を転がる。


 砕けた枝葉が舞い、土煙の向こうで黒い巨体が咆哮した。


「ギィィイイイイッ!!」


「村のヨネばあちゃんが言ってた通りだ……」


 思わず呟く。


 森の木々を押し倒しながら現れた化け物。


 弩級のモンスター――エイプ。


 三メートルを超える巨体。


 赤黒い剛毛。


 岩みたいに膨れ上がった筋肉。


 腕を振るうだけで森が揺れる。


 普通なら怖がる場面なんだろうけど――。


「楽しそ!」


 口元が勝手に上がった。


『来るぞ、器』


「だから器って呼ぶなっての!」


 次の瞬間。


 丸太みたいな腕が振り下ろされる。


 空気が爆ぜた。


 さっきまであたしがいた地面が、轟音と一緒に吹き飛ぶ。


「うわぁ……やばっ」


 でも身体は軽かった。


 木の幹を蹴る。


 一気に視界が高くなる。


 空中で身体をひねり、そのまま双剣を振り抜いた。


 ザシュッ――。


 銀の軌跡がエイプの肩を裂く。


 血飛沫。


 だけど浅い。


「硬っ!?」


『浅い。筋肉を断つ角度を変えろ』


「簡単に言うなぁ!」


 エイプが咆哮した。


 鼓膜がビリビリ震える。


 次の瞬間、目の前の木が根元から消えた。


「はぁ!?」


 引き抜いてる。


 しかも――投げてきた。


 大木が唸りを上げて飛んでくる。


 意味分かんない!


 とっさにしゃがみ込む。


 頭上を轟音が通り過ぎ、風圧で髪がぐしゃぐしゃになった。


「っぶなぁ……!」


『今だ。脚を断て』


「分かってる!」


 地面を蹴る。


 低く。


 滑るように。


 エイプの懐へ潜り込み、右の双剣を振り抜いた。


 肉を裂く感触。


 続けて左。


 脚の腱が切れた瞬間、巨体がぐらりと揺れた。


「おっ、効いた!」


『器としては悪くない』


「褒め方ムカつくんだけど!」


 怒ったエイプが突進してくる。


 地面が抉れ、土が跳ね飛ぶ。


 でも――見えてた。


 どこから来るか。


 どこへ動くか。


 身体が勝手に反応する。


 たぶん、こいつの声のせいだ。


『首だ』


「言われなくても!」


 真正面から駆ける。


 ギリギリまで引きつける。


 振り下ろされる拳。


 その直前、身体を低く滑り込ませた。


 巨体の真下。


 土と獣の臭いが鼻を突く。


 でも止まらない。


「終わりっ!!」


 斬る。


 一撃。


 二撃。


 三撃。


 連続で双剣を叩き込む。


 血飛沫が舞った。


 エイプの首が大きく傾ぐ。


 直後――巨体が崩れ落ちた。


 ドォォン――。


 森が揺れる。


 静寂。


「……はぁー」


 双剣を肩に担ぐ。


 息は少し上がってる。


 でも、まだ余裕。


『悪くなかったぞ、器』


「だからその呼び方やめろってば……」


 頭の奥で、くつくつ笑う声がした。

次回はエピソード3 の中盤の予定です


不定期で、執筆が遅かったり、早かったり…


読んでくれている読者様、待っていただける


と、とてもありがたいです


次回も宜しくお願い致します


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