馬鹿な冒険者に福音の到来【18】
一見すると、ミナトを追いかけている様にしか見えないけれど、実際問題……それ以外の何物にも見えない行動をあけすけなくやっていたシリア。
ハッキリ言って、本人は他の三人へと誤魔化す程度の行動を取っているつもりではあったのだが……ハッキリ言ってリオやココナッツはおろか、パインですら誤魔化せていないと言うのが実情だった。
そもそも、馬車から弾丸の様な勢いで飛び出して行った時点で不自然だし、
「むわてぇぇぇい! 天然タラシ男ぉぉぉっっ!」
こんな事を叫びながら走っている時点で『私は全力でミナトを追いかけてます』と、首から看板でも下げている様にしか見えない。
果たして。
「やれやれ……シリアさんにも困ったものですね? ミナトさんはパインさんのモノだと言うのに……」
吐息混じりに答えたパインは、馬車から『ぴょんっ!』っと飛び跳ね、
「みんな、分かってないなぁ〜? お兄ちゃんはリオだけのお兄ちゃんだ……って事をさ?」
顔で『ふ〜……やれやれ』って感じの態度を作りながらも、リオが馬車から降り、
「うふふふ……これは、予想以上にミナトの心を私のモノにするのは骨が入りそうねぇ……でも、そうね? 私が愛した男ですもの? もちろん、この程度の障壁が存在していたとしても驚かないわ?……そして、最後には私にだけ微笑んでくれると言う事も、ね?」
最後に、もはや幻想を語っているかの様な台詞を、恍惚の笑みのまま答えるココナッツが馬車から降り……四人全員がミナトを追い掛ける。
……かくして。
二人の女神だけに留まらず、妹とお嬢様にまで激しい愛情をぶつけられる事になってしまったミナトは、
「……へ? え? な、なんでお前ら、全員してコッチに来てんのっ! いや、ちょっ! ちょっと待てぇぇぇぇっっっ!」
余りにも強烈過ぎて、お腹一杯……所か胃もたれしてしまいそうな愛情を一身に浴びながらも、面白いおかしく生活して行くのであった。
馬鹿な冒険者に、福音の到来を!
ミナトよ! お幸せにっ!
「こんな幸せ、あってたまるかぁぁぁぁぁっっっ!」
二股どころか四股状態と言う……まさに人間失格男をナチュラルに展開していたミナトは……なんか、誰に向かってツッコミを入れているのかな? って感じの叫び声を撒き散らしながら……午前の澄み切った青空の山林地帯を激走して行った。
空は、今日も変哲知らずに穏やかだった。
とある平凡な冒険者の……地味に非凡な日常である。
第五編 ー了ー
はい、これにてミナト君編は終了になります。
前にも一度ばかり述べておりますが、本当はミナトを主人公とした物語を単独で書くつもりの物語でした。
でも、三位一体小説を長々やってしまった結果……まぁ、書く余裕が出来ず……でも書きたいなぁ……どーしよ。
……と、悩んだ結果、苦肉の策としてみかん本編に移植したのが、今回のミナト編だったりもします。
人気が出たら、正式に単品で書こうかな? 人気出ると良いなぁ……とか、地味に根拠のない期待とかもした物語だったのですが……まぁ、その。
人気……出なかったね。
………はい。
まぁ、所詮はまるたんの小説です。
こればかりは仕方ない。
だからと言うのも変な話ですが、みかん本編は予定通り『みかん本編』に戻ります。
次のオマケ短編からは、みかん達の視点に戻り、お話を続けて行きたいと思いますので、ご了承の程を……。
ただ、ミナト君の話を書くのも好きなので、機会があれば書きたいなぁ……と思ってはいます。
現状では完全なる未定ですけどね……。
コメントはいつも励みになります。
個人的には、暖かいコメントに助けられ、見ていてとても気持ちが軽やかになれました!
本当にありがとうございます!
特にりぽさん! あなたのコメントに、私はかなり心が癒されましたよ!
評価に関しては……うん、前回よりは高評価を貰えた……かな?
まぁ、一つ星も結構入ったから……やっぱり頑張らないと!
コメント・評価などなどは、いつでも気軽に入れて下さい!
特に高評価は、真面目に嬉しいのです!
星5評価を受けた時は、書いてて良かったなぁ……と、本気で思えるぐらい嬉しいので、よろしくお願いします!
次のオマケ短編は、先程も述べた通り、みかん本編に戻ります。
視点の主軸もみかん達に戻るお話ですね。
今回は、みかんがメインのお話になります。
良かったら、リラックスした状態で読んで頂ければ幸いです。
それでは! まずは、この五編まで読んで頂き、本当にありがとうございました!
良かったら、引き続き五編のオマケ短編も読んで貰えたら嬉しいです。
今後とも、みかん本編をよろしくお願いします!




