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こうして私は無双する・みかんVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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馬鹿な冒険者に福音の到来【13】

 ある意味、まんまと騙されてしまったういういだったのだが、


「よぉ〜し! これで、今日は美味い物が食えるぜ! ヒャッハーッッ!」


 そんな文言が書かれている事なんて、ちっとも気付いていなかったういういは、シズ1000から貰った10万マールを手にして浮かれていた。


 きっと、後で地獄を見る事になるだろう。


 ……まぁ、ういういの場合は一回のクエストで入手出来る金額が桁違いなので、トイチであってもアッサリ返金する事が出来るかも知れないのだが。


 なんと言っても、ういういは天下の剣聖様なのだから。


 逆に言うと、剣聖がギャンブルで全財産スッてんじゃねーよ! しかも、相棒に頭下げて金まで借りるなよ! と、地味に色々とツッコミを入れてやりたい事をしているんだけど……まぁ、余談程度にして置こう。


 閑話休題それはさておき


「本当にういういはダメな剣聖ね……先代のシズに関しては、私も良く知らないからアレコレ言うつもりはないけど……ういういを見てると、剣聖と言うのはお金にだらしない人間なんじゃないのか?……って、勘ぐりたくなるわね……?」


 これら一連の流れを見ていたりんごは、眉を寄せながらもぼやきを口にしていた。

 相変わらずと言うかなんと言うか。

 今に始まった事ではないのかも知れないが、やっぱり何処か抜けている。


「……あはは。そうだね……うん、ウチのばっぱも少し前に『いよかん! ちょっと金貸せ! 大丈夫! 一万倍にして返してやるです!』とか言ってたけど、正直返って来るとは思ってないよ」


「……孫から金借りてたのね……安定の腐れキノコよね」


 苦笑混じりに答えたいよかんに対し、りんごは頭が痛くなる錯覚に陥った。

 りんご的に言うのなら『どいつもこいつも……』とでも、言いたくなる感覚だ。


 しかしながら、みかんにしてもういういにしても、大概な性格が標準装備で備わっている為……今更と言えば今更の話でもある。


「そう言えば、腐れキノコの姿がないわね? 何処に行ったのかしら?」


 程なくして、りんごは気付いた。

 そこに、みかんの姿がないと言う事実に。


「……ああ、もしかしたらキータの街まで引き戻ってるかも?」


「………はい?」


「正確な事と言うか……実際の所は知らないけどさ? 多分、魔法の絨毯じゅうたんに乗って、キータの街に行ってたから……多分、そうなんじゃないのかなぁ……?」


「あの腐れキノコが……」


 少し考える仕草を作りながら答えたいよかんに、りんごは怒り浸透状態のまま口から声を捻り出していた。

  

 りんごが怒り浸透状態になっていたのは他でもない。

 きっと、いよかんから金を借りてキータの街へと、わざわざ魔法の絨毯まで使って舞い戻った理由は……国営カジノでリベンジを果たす為ではないかと、簡単に予測する事が出来たからだ。


 つい数日前に、全財産を使ったばかりだと言うのに……今度は孫から借金してまでギャンブルに金を注ぎ込もうとしているのだから、


「本当に腐れてるわね……次から、あの腐れキノコの財産管理は、私がやって置こうかしら? ロクな事に使いそうにないし」


「あはは……否定出来ないや」


 トコトン駄目な人間していたみかんに、りんごは右手で顔を覆いながら毒吐くと、いよかんもひたすら苦笑しか出来ないまま相づちを打っていた。


「……まぁ、腐れキノコは放って置きましょう? 金が無くなったら帰って来るわ? そして、次のダンジョンの話でもするでしょうから」


「そうだね……はは」


 根本的にお金の使い方を大きく間違えているだろうみかんを意図的に思考から抹消していたりんごに、いよかんは再び相づちを打った。


 きっと、いよかんも同じ気持ちなのだろう。

 みかんって……一体。


「……じゃあ、取り敢えずキータの国境は越えるわ? キノコはキータで星になったと言う事にして、サッサと先に進むわよ?」


 その後、一人キータに戻ったであろうみかんをガン無視したりんご達は、そのままキータの国境を越え、次なる街へと向かって行くのだった。


 いつか……また。


 パインとココナッツの二人が元気で、平和で、楽しく暮らしていると願って。

 ミナトが、しっかりと二人を納得出来るような答えを出す事を願って。


 りんごは、心の中でそっ……と、呟いた。



 次こそは、最初から『笑顔で会おうね!』……と。



 空は、何処までも澄み渡っていた。




           ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎ 




 さて、この物語も最終節である。


 ここまで読んで頂いている方であるのなら、もはや説明は不要かも知れないのだが、一応の但し書きを入れて置くと、この物語には基本的にエピローグが存在しない。


 一つのお話が終わっただけで、物語の全体が終わっていない為、敢えてエピローグを設けていないのだが……それだと少し物語の締めが分かり難い為、最終節にエピローグの代わりの様な物を入れている。


 簡素に言うと、今ある節がエピローグと同等の部分であると思ってくれたら幸いだ。


 ……と、何やら妙に説明臭くなってしまったのだが、そろそろ話を本文に戻す事にしよう。


 りんご達がキータの街から去った数日後。


 ミナト達は、パーティーを組んだ後、いつぞやの輝きの実が取れる山林地帯へと足を運んでいた。

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