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こうして私は無双する・みかんVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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馬鹿な冒険者に福音の到来【12】

 果たして。


「良いじゃん、シズ1000……一万なんてさ? 次の迷宮行けば直ぐだぜ? すぐ! もう、ソッコーで返せる金額じゃん? だから、頼むよ〜! もうさ……ギャンブルには懲りた! みかんのアホが『最終決戦です!』とか言わなかったら、こんな事にはならなかったかも知れないけど……そもそも、今まで貯めに貯め込んだ全財産が一夜で無くなるとか、私らしくもない人生の暗黒史レベルの失態なんだよ! こんな事は金輪際しないと誓うから! だから、一万だけ貸して下さい! シズ1000先生っっ!」


 やっぱり下らない理由が、そこに存在していた。


 ここらに関しては、密かにみかんがりんごに対して述べている一幕シーンがあったりする。

 よって、この物語をしっかり読んで下さっている方であるのならば、存じている方もいらっしゃるかも知れないのだが……まぁ、ほんのちょっとしか出てない細かい部分でもあるので、ここで再度述べて置こう。


 ういういとみかんの二人は、キータの街にある国営カジノにて、全財産をスッていた。


 もう、笑ってしまうまでにスッテンテン!

 常識的に考えて……普通、一夜にして億単位の金なんてなくならない筈だと言うのに、思い切り全財産をベットしていたういういとみかんの二人は、これまでダンジョンで得た財宝を全て現金マールで全部突っ込んだ!


 その顛末は……まぁ、今のういういを見れば分かるだろう。

 一文無しになってしまったういういが、自分の相棒でもあるシズ1000からお金を借りる為にペコペコと頭を下げまくっていた。


 余談だが、シズ1000は自分のオヤツ代をちゃっかりういういの預金口座からチョロまかしては……そのお金で煎餅せんべいとかお茶を買っていたりもする。


 一見すると些末な金額にも見えなくはないのだが……実は、結構な額をチョロまかしており、現在のういういにとって貴重な財源にすらなっていた。


 ちなみに、普通に一億マールはあったりもする。

 ある意味、これはういういのお金と捉える事も可能ではあるのだが……シズ1000だって、一緒に冒険をしていたし、それ相応の仕事だって熟している。

 そこらを考えるのであれば、妥当な報酬だ。


 むしろ、ういうい本人はその何倍ものお金を手にしていたので、割合的に言うのならかなり少ないと述べても過言ではない。


 ここらの関係もあってか?

 ういういも『それは私の金だろ! 返せ!』とは言わない。

 この台詞を口にしてしまうと、次回からのダンジョン攻略にて、シズ1000のサポートを受ける事が出来なくなってしまうからだ。

 

 シズ1000のサポートは、何気に結構凄い!

 宝箱のナビから、その中身……果ては、トラップの位置や内容まで……もう、ういうい本人が舌を巻いてしまうまでに的確な指示をして来る。

 

 ここらを考えると、やっぱりシズ1000には相応の報酬があって然るべき物だし、目先の事ばかりを考えてシズ1000からお金を返して貰う訳にも行かない。

 

 今後に向かう事になるのだろう、沢山の財宝をしっかりキッチリ手に入れる為には、シズ1000の協力は必須とも言えたのだった。


 これら諸々の顛末の末に、ういういはシズ1000からお金を借りようと必死になって頭を下げていたのだが、


「う〜……」


 シズ1000は呆れまなこのまま、声を吐き出してみせた。


 無理もない。

 周囲からの失笑を買うレベルの情けなさを見せているだけに、シズ1000も返答に困ってしまうのは当然だ。


 しばらくして。


「う!」


 一つ、重い嘆息を口から吐き出した後、シズ1000は一万マール紙幣を十枚程度出した後、


「……ん? なんだこれ? 借用書?」


 キョトンとなるういういの眼前に一枚の紙切れを提示する。

 内容は、不思議そうな顔のまま答えたういういの台詞通り。


 つまるに、借用書である。


 内容もまたシンプルで、十万マールを貸したから、後で利子を付けて返せよ? と言う感じの内容だった。


「……ここまでしなくても良いんじゃないのか?」


 ういういは口元をヒクヒクと引きらせて言う。


「う!」


 直後、シズ1000は声を返してから瞳をキュピ〜ン☆ っと光らせてから、フォログラフィーの様な文字を浮かばせた。


『金に関して言うのなら、ういうい程信じられない相手は居ない。それに、こういうのはキッチリしてなければ行けないと思うのだ! う!』


 文字を浮かび上がらせてたシズ1000は、まもなくペンをういういに渡した。


「……ちっ! しっかりしてやがるなぁ……全く。分かったよ」


 ペンを渡されたういういは、地味に苦い顔になりつつも、借用書にサインを書く。


 ちゃんと名前を書く欄があった為、そこに名前を書いたのだ。


 そんなういういは気付かなかった。


 この借用書の一番下……かなーり小さい文字で書いてあるのだが、その部分に『尚、利子はトイチとする』とか言う、かなり悪辣な文字が。


 相変わらず、シズ1000のやる事はえげつなかった。

 知ってる人は知っているとは思うのですが、一応補足。


 トイチ=十日で一割の略。


 今回の場合だと、10万借りているので十日後には11万に。

 二十日後には11万の一割になるので12万一千に変わる。

 悪辣な高利貸しの中でも、特に酷い利子として使われた略語。

 もちろん、日本でこんな金額で金を貸したら違法。

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