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こうして私は無双する・みかんVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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馬鹿な冒険者に福音の到来【11】

 今から十年後。


 一体、彼等はどんな未来を送っているのだろう?


 パインは?

 ココナッツは?


 二人の娘達は、笑って過ごせる日々を送れるのだろうか?


 ……そして。


 前世は、自分の子供と言えたミナトは『誰と結ばれている』のだろうか?


 それは、実際にその時が来なければ分からない。


 りんごが知っている誰かと結ばれる未来が訪れているのか?


 それとも、全く知らない相手なのか?


 あるいは……独身になってしまうのか?


 りんごの予測としては、今の所……それら全てに、同等の可能性が存在している様に感じる。


 けれど……願わくば。


「パインやココナッツが『ちゃんと納得する』結果になる事を祈るわ」


 りんごは呟く。


 それは、前世のアダムが出来なかった事。


 弱い心が……結果として、最悪の選択肢を選んでしまったが故に、未達成のまま今日こんにちまで続いている事。


 だから……思う。

 どんな形でも良いから。

 もう、高望みはしないから。


 せめて……そう、せめて。


 パインとココナッツの納得が行く結末になる事……ただ、その答えをしっかりとミナトが出してくれたら……もう、それ以上は何も望まない。


「そう言えば、南の大陸に……まだ、一夫多妻制の国が残ってたわねぇ?……ああ、そう言えばニイガも近未来には一夫多妻に、ルミ女王がしちゃうんだった……ふむ、これは案外、答えは簡単に出るかも知れないなぁ……」


 りんごは少し考え込む感じの顔を作りながらも呟いていた。


 すると、近くにいたいよかんが地味に眉を寄せ、


「……それで良いの? 答え的にさぁ……」


 口を尖らせながら、りんごへと声を吐き出してみせた。


 ドラゴン……と言うか、龍神皇の世界にも、密かに一夫多妻は存在していた。

 厳密に言うと、かなり大昔に廃れてしまった話ではあったのだが……一応、ある事にはあった。


 しかしながら、強いオスが多数のメスを妾に持つと言う状態は、おおよそ文化的ではないと言うか……ケモノ染みている感じがして……いよかんは、どうにも賛同出来ない。


 やっぱり、一人の男性は一人の女性と添い遂げる方が、理知的かつスマートに見える。

 山奥に住んでるボス猿じゃあるまいし、一人のオスが多数のメスを独占すると言う形は、根本的に受け入れにくい気持ちにさせられた。


 ……しかしながら、りんごは言う。


「良いのよ? 要はね?『パインとココナッツの二人が幸せなら』それで良いの。お互いに納得してさ? 幸せに暮らせるんであれば……私はもう、どんな形であろうと全てを受け入れる気なのよ?」


 笑みを混じらせ、爽やかに。


「……そう言う物なのかなぁ……」


 心からの笑みを作って言うりんごに、いよかんは一定の反論をしたい気持ちになりつつも、それ以上の言及を避けた。


 なんと言うか……言い難い雰囲気だった。


 それだけ、りんごが晴れ晴れとした表情を作り、色濃く笑みを浮かべていたからだ。


 更に、りんごは言った。


「人の心が千差万別である様に、恋の形だって人それぞれよ? 他の人が納得しなくたって、その当人達が納得出来ていれば、それは一つの答えであり、終着点だと思うの。だから良いのよ? 大切なのは心だと思う。ちゃんと、心の底から納得出来てさえいれば、それが最善の終着点だと思うのよ」


「……な、なるほど」


 りんごの言葉を耳にしたいよかんは、思わず納得してしまった。


 妙に大人の発言に感じた。

 実際に、いよかんよりも全然年上なのだからして、大人の発言をしていても、なんらおかしな事ではなかったのかも知れないが……いかんせん、りんごの外見は年端としはも行かない少女にしか見えない。


 一応、りんごいわく『外見は十六歳の設定よ?』とかほざいてくれちゃってるが……いよかん的に言うのであれば、中学生だっておかしくない様な外見にしかみえなかった。


 そこらを加味するのであれば、どうしても年上に見えない時があったりもするのだが、


「やっぱりさ?……りんごさんは大人なんだねぇ……ちょっと思った」


 いよかんは苦笑混じりに答えた。


 自分よりも大人であり……母でもある。


 なまじ、外見が中学生風味である上に、子供染みた言動や態度なんぞも良く見せる為、何かと幼く見えてしまう傾向にあるのだが……実際にはそうではないのだ。

 こんな事は今更だったかも知れないが、いよかんは改めて実感していたのだった。


 そんな中、


「シズ1000先生! どーか! どーか、あと一万! うん、一万で良いから貸してくれませんかっ!」


 今にも土下座しそうな勢いで、頭上にいたシズ1000へと懇願するういういの姿があった。


 思い切り卑屈な態度を露骨にとっているういうい。

 ハッキリ言って滑稽であった。


 これはどう言う事なのだろう?


 まぁ……果てしなく下らない理由が存在している事だけは分かるのだが。

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