表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1160/1278

破滅の女神とは【12】

 極論からすると、ミナトもミナトで地味に素直さが足りてない様な態度を見せていた……その時。


 ドォォォンッッッ!


 ミナトとパインの二人がいる、ちょうど真後ろぐらいの所に、超音速ロケットでも墜落して来たんじゃないのか? って勢いで地面に突っ込んで行くユニクスの姿があった。


「……へ? おわっっ!」


 地面に激突する勢いで落ちて来た激音と……瞬時にやって来た衝撃波じみた風圧によって弾き飛ばされそうになるミナト。

 近くにいるだけで殺されるんじゃ?……なんぞと、内心でのみ半ベソになるミナトがいたのだが、衝撃波がやって来る直前の所でパインがすかさず魔導防壁を展開した為、特にこれと言った危害を受ける事もなく終わる。


「……パインって、やっぱり凄い女神だったんだな……」


 パインが居なかったのなら、下手するとさっきの衝撃波だけで病院送りにされていたかも知れないと感じていたミナトは、即座に防壁を張ってガードして来たパインに驚きと感心の両方を抱いてみせる。


「ふふふ! そうでしょう? そうでしょう! もっと褒めるべきです、ミナトさん! 今の褒め方は素晴らしいです! これからはパインさんを褒める時は、今の様な褒め方でお願いします!」


 そして、感心した自分がバカだった!……と、考えを改める事にしていた。

 能力が高かろうと、やっぱりパインはパインなんだなぁ……と言う結論で落ち着いていた。


 それはさて置き。


「ユニクス! 大丈夫かっ!」


 地面へと激突する形で突っ込んで行ったユニクスの姿を確認したリダが、かなり焦った顔になってユニクスの元へと飛んで行った。


 色々と理由を付けて、責任の清算を『ユニクスにさせる』と言い出したのはリダであった為、リダなりに悪い事をしたなぁ……って気持ちがあったのだ。


 ……ちょっとだけ。


「あらら……負けちゃったかぁ……まさか、勇者の力を得たユニクスさんに勝てるとは思わなかったわねぇ……」


 地面の中に埋もれてしまったユニクスを見て、りんごは悠長に口を動かして行く。


 正直『どうしてあなたは、そこまで呑気な態度を平然と取っていられるのですか?』と言いたくなる様な勢いで、悠々と口を動かしていたのだが……もちろん、そこにはりんごなりの理由がある。


 その理由もまた、実にシンプルな物だ。


「……ま、良いわ? どの道、私が『ココナッツにお灸を据える予定』だったからね? これはこれで、結果オーライよ?」


 答えたりんごは、笑みのままココナッツの方へと身体を向けた。


 簡素に言うのなら、りんごは絶対的な自信を持っていたのである。


 まだまだ、娘には負けないと言う……確固たる自信が。


 ……そう。


 降臨すれば、世界を震撼させ……恐怖のどん底に叩き落とす事さえ可能であろう、破滅の女神と言えど……それでも尚、りんごの視点からするのであれば、まだまだ実力的にはひよっこも同然であったのだ。


 故に、りんごは慌てない。


 ユニクスを地面へと叩き込み……更に追い討ちを掛ける態勢になっていたココナッツがいた所で、


 とんっ!


 りんごがココナッツの正面にやって来ると、その額を右手の人差し指で『ツンッ!』と、突いてみせる。


 その瞬間、


 ドンッッッ!


 人差し指で突いたとは思えない様な激音が周囲に轟き、


「ゴガァァァッッッ!」


 悲鳴にも近い叫びを上げながら、勢い良く後ろに吹き飛んで行くココナッツの姿があった。


「………じょーだんみたいな強さだな、おい」


「ミナトさん? パインのお母さんはじょーだんも下段もあった物じゃないまでに強いですよ?……えぇ……あんなの、もう人間と表現してはダメです。なんてか、その……大魔王りんごと呼んだ方が無難です……いや、もう、悪魔皇帝とかでも良いんじゃないんですかねぇ?」


 目をテンにして言うミナトに、パインはかなり真剣な顔になって、即座に返答してみせた。


 その直後、


「今の言葉、ちゃんと聞いてたわよ? アンタにもお灸を据えて上げようかしら?」


 りんごの言葉がパインにやって来た。


 刹那、パインは死人も真っ青な勢いで蒼白になり、ガタガタと身体を震わせた状態のままミナトにしがみ付いて叫んだ。


「とんでもございません、お母様! パインはお母様を心からお慕い申し上げておりますですぅぅぅぅっっ!」


 そして、卑屈スペシャルな状態でりんごに叫んでいた。


 程なくして、しがみ付いて来るパインから離れていた方が良いかなぁ……とか考えて、さりげなぁ〜く逃げようとしていたんだけど、パインが『がしぃっ!』っと掴んで離さなかった。


「そろそろ、離れてくれないか?」


「嫌です! 逃げる気のミナトさんを離したら、パインさんが危険です! そもそも、こう言うのはです? 一蓮托生と相場では決まっているんです! 死ぬ時は一緒ですよ? ミナトさん!」


「ふざけんなぁっ! 勝手に一人でやられてろよ! お前の親が娘に折檻せっかんするだけだろ? 俺を巻き込むんじゃねぇぇぇぇぇぇぇっっ!」


 そして、とばっちりを受けるだけで死ぬ程苦しい思いなんかしたくないミナトは、かなり必死になってパインから離れようとしていた。


 けれど、死ぬ程悲惨な目に遭いたくないパインもパインで、必死になってミナトにしがみ付いていた。


 ……なんて見苦しいんだろうね? 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ