↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
63/88

63


      その六十三


 翌日、VARITANKで中西家に行く。助手席にすわった中西さんは、この新車の説明書を手に取る。


「わぁ、こんな機能もあるんだ」


 中西さんはバリタンクに感心していた。


「もうすぐお昼だね」


「この先にドライブインがあるんです」


「そこでお昼にしようか?」


「ええ」


 昔ながらのドライブインに立ち寄る。


「そっちは高いから、こっちにしましょ」


 中西さんはぼくの手を引いて定食屋さんのほうに案内してくれた。よく知っているようだ。名付け親氏をたずねるさいには、きっとここで休憩しているのだろう。


 販売機で日替わり定食の食券を二枚買い、テーブル席で待つ。すぐ定食は出来上がってきた。


「お待ち遠様。日替わり二つですね」


「はい、すいません」


「あとこれ、サービスです」


 眼帯をした顔色の悪いロン毛の紳士は、お皿に盛った生のたらこを中西さんのまえにもったいぶって置いた。


「あそこにある電子レンジでチンしてから食べてください」


「ありがとうございます。でも、いいんですか?」


「ええ。日替わり定食用のカリカリ梅が切れちゃったものだから、その代わりです」


 中西さんは、


「わたし、あたためてきますね」


 とお皿を取ると、レンジがあるコーナーに歩いていった。


 眼帯をした顔色の悪いロン毛の紳士の髪の色は青で、やはりおなじ青色のピチピチのつなぎのタイツを身に着けていた。


「思いだしたぞ!」


 これは「隠者キャプチャー」に出てくる悪の組織の大幹部とほぼおなじ身なりであった。


「あぶない!」


 ぼくは電子レンジのまえでたらこがあたたまるのを待っている中西さんのところに走っていき、中西さんをかばうようにレンジに背を向けて抱きしめた。たしかシーズン1の第二十六話で、電子レンジ内のたらこを爆発させてアカ隠ジャーを苦しめるシーンがあったのである。


 案の定レンジ内のたらこは爆発した。実家にいたころ、何度か妹も電子レンジでたらこを爆発させていたが、それに匹敵するくらいの大爆発であった。危機一髪であった。


「よくぞ見破ったな、アカ隠ジャー」


 顔色も実質〝青〟の暗闇大臣《くらやみだいじん》は、ぼくにこう見得を切った。


 わたくしアカ隠ジャーは、ポーチから〝めんたいこ味のうまい棒〟を取りだし、


「火輪弾!」


 とスナップをきかせて暗闇大臣に投げつける。


「暗闇バリア!」


 しかし暗闇大臣はこの攻撃をはねつけた。


「なに!」


「また会おう、アカ隠ジャー」


 暗闇大臣はマントをひるがえすと、定食屋のバックヤードにさがっていった。


 暗闇大臣はいちばん強い大親分みたいな野郎なので、火輪弾一発とかでは、なかなかやっつけられないのである。


「おのれ……暗闇大臣め……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。