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その五十一
沼口隊長と昼飯を食べようとかんがえていたのだけれど、やめにする。もはやかつ丼をおごる意味もないからである。
いろいろ検討したすえにぼくはスーパーで鶏肉を買うことにした。モモヨくんの親子丼は絶品だからである。目についたスーパーに入ってお肉コーナーをうろうろしていると、
「おお」
年配の旦那にまたしても会ってしまった。会いだすと不思議につづくものである。
「なにやってんだよ」
「鶏肉みてたんですよ」
「おれ、これからキャンプやるんだぜ。女子たちと」
「ええ! いいなぁ」
「ジャパン氏も来いよ」
「本当ですかぁ!」
「でかい声出すなよ。ほかのお客さんに迷惑だろ」
「あっ、いけない――でも、いいんですか? 女子たち困惑しませんかね」
「逆だよ。男の人数足りないんだから。予定してた奴が急遽来れなくなっちゃったんだ」
「そうなんですか」
「うん。女房にバレたみたいでさ。しかもいまさっき」
「メールで知らせてきたんですか?」
「そう。そいつバカだから、キャンプファイヤーの空想をしながら、ひとり言いってたみたいなんだよ」
「それを奥さんに聞かれちゃったの?」
「そういうこと」
「あはははは」
「だからジャパン氏が参加してくれたら、おれとしてもじつは助かるんだ。今回は金はいいからさ」
「いえいえ、そんなことなら出しますよ」
「今回はいいよ。じゃあ参加決定でいいな」
「はい。よろこんで」
キャンプする場所はKの森総合公園の未開拓の例の地帯だった。公園の駐車場からそちらの地帯までの道具運びを手伝う。その駐車場に先に来ていて、
「わたしも運びます」
と手伝ってくれた田中さんという女子の連れも急遽来れなくなっていた。急遽来れなくなった女子は気をきかせて身を引いたのかもしれない。結果的にはぼくが余計者になってしまった。そんなわけで、お昼の準備だけ軽く手伝って帰ることにする。




