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その四十五
午後の七時まえに店内に入っていくと、ややぽちゃロリ熟女さんは〈Kの森書店〉の文庫本コーナーでもう待っていた。
「ロリロリさん、お待たせ」
「ねえ『百年の孤独』って、文庫になったのね」
「売れてるみたいですよ」
「三千世さん、まえに好きだって、いってたわよね」
「うん。単行本で十回くらい読んでるかな」
「じゃあ文庫は買わないの?」
「いちおう買いました」
ややぽちゃロリ熟女さんは、平積みされていたその文庫を元にもどすと、
「行きましょう」
とぼくのひじのあたりに軽く手をふれる。ぼくはシュークリーム帝国の道の駅までこれから行くのだと思っていたのだが、ギンギンアンデスはどうやらすでに買ってあるようだ。ややぽちゃロリ熟女さんは自宅に着くと、ぼくにあがるよううながしてくる。
「遠慮しないで、どうぞ」
「は、はい……お邪魔します」
通された部屋はダイニングルームだった。冷蔵庫から小さく切ったメロンを出してきた。
「ちょっと食べてみて」
「はい。いただきます」
「どう?」
「うん。普通においしいですね」
「そうじゃなくて、効能」
「あはははは。どうだろう、まだわからないな」
ゴールドポイントの証明(?)は、写真に撮ってメールで送ればいいらしく、ぼくが持参したノートをテーブルにひろげると、ややぽちゃロリ熟女さんはシールの部分にスマホを近づけてパシャッと撮っていた。
「ご飯まだでしょ?」
「はい」
このあとわたくし環三千世は、ややぽちゃロリ熟女さんの手料理をいただくこととあいなる。
「どう?」
「はい。おいしいです」
「そうじゃなくて、効能」
「効能ですか……うん、ちょっと効いてきたかな、あはははは」
「そう! じゃあ、あとで、テストしてみましょう」
食事が済むと、ぼくはいわれるままにシャワーを浴びる。シャワーを浴びながら、
「ロリロリさんには店を二軒もつぶしている娘とひきこもりの息子がいる。ぜったいに手は出すな」
と早くも完全に効能が認められているイチモツにいいきかせる。
「そもそもおれは生粋の隠者なんだ。期待されても困る。ニートがひきこもりの親になるとか、恐ろしすぎるだろ」
その後案内された寝室で待っていると、ぼくのあとにシャワーを浴びていたややぽちゃロリ熟女さんが部屋に入ってきた。
「ぜったいに、なにもしないぞなにもしないぞ」
ややぽちゃロリ熟女さんは素肌のうえにいつものエプロンをかけていた。幼稚園の先生ふうのあの一連のエプロンである。今回のエプロンはチューリップのワッペンが胸のあたりに縫い付けられていた。
「すごい効能ね」
ややぽちゃロリ熟女さんはこちらを凝視しつつ、こうつぶやいた。




