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その四十四
屋敷にもどったのちに「沼口探検隊のすべて」をモモヨくんから借りる。ビンビンマツタケに匹敵する献上品がないか調べるためである。
「なんだかピンク・レディーみたいだな、この宇宙人」
しかし沼口探検隊は、あっち関連の秘薬はほかになにも捜索していなかった。ちなみに先のピンク・レディーもおそらく創り物である。
先日買った青汁をモモヨくんと飲んでいると、ややぽちゃロリ熟女さんからメールが送信されてくる。
「あ」
メールには「道の駅にギンギンアンデス売ってました」と記されていた。ギンギンアンデスをこのまましらばっくれて納めてしまえばいいような気もしてくる。元内縁の妻の証言は知らなかったことにすればいいだろう。すくなくとも義理を果たしたことにはなるはずだ。
その道の駅はゴールド会員の例のポイントが使えるらしく、だからややぽちゃロリ熟女さんは、
「ノートはぜったいわすれないでね」
とも送ってきていた。いよいよ出向する気持ちがマンモス化してくる。そんなわけで、最初はちょっと躊躇したけれども、けっきょくややぽちゃロリ熟女さんと今晩七時に〈Kの森書店〉で落ち合うことにした。
「モモヨくん、おれ晩飯、外で食べるから」
「はい」
「あとたぶん、二、三日、帰ってこないと思う」
「わかりました。あのダークダックスのバグの件ですか?」
「うん。まあ、そんなとこだね」
午後は図書館に行こうと思っていたのだけれど、お色気方面の原案を思いついて、パソコンでそれを書き込んだり送信したりしていると、三時ちかくになってしまった。図書館はやめにして、Kの森総合公園で走ってしまうことにする。
公園のコースには、レギンスをはいてランニングしている女子が一人いた。エロエロレギンスさんでないことは遠目にもすぐわかった。くノ一のお嬢さんは華奢な体型だが、この初見の女子はそうではなかったからである。しかしわたくし環三千世はむちむちも嫌いではないのであった。派手な茶髪およびいわゆる日サロで焼いたような感じは感心しないけれど、今後もむちむちを誇示しつつランニングをつづけてほしいものである。
「なに女ばっか見てんだよ」
「あっ、また出た!」
「〝出た〟じゃないだろ」
「あはははは『またお会いしましたね』ですね」
「会い出すと、連続で会うもんだよな。不思議だな」
年配の旦那である。ぼくのスピードにまたぞろ合わせてくれた。旦那に男のイチモツのことをおききしてみる。
「そんなの、クスリ飲んじゃうのが、いちばん手っ取り早いよ」
「クスリ?」
「うん。バイアグラとか。ネットで処方出してもらえるぜ」
「うーん……」
「心配ならクリニック行ってこいよ」
「効き目ありますか?」
「ある。間違いない。もうおれなんか、飲むのがデフォルトだぜ」
ギンギンアンデスを献上して上様がキレてきたら、バイアグラで命乞いしよう、とぼくは暫定的に決めた。




